2007/10/21

池上先生ご講演@国立新美術館 (二紀会)-鑑賞会No.19

domenica, il ventuno ottombre 2007
sono le otto di mattina

         No3
        池上先生ご講演:二紀展・美術講演会(国立新美術館)

さようなら《受胎告知》ツアー」を拙鑑賞会で、開催させて
いただいてから、池上先生とお会いするのは、夏を過ぎて、4ヶ月
振りでした。昨日、先生のご講演を拝聴して、先生のイタリア美術
の造詣の深さとレオナルドに関する新たなご解説に、ご専門家が
持つ素晴らしい美術と美術史の奥深さに感動を新にしました。

最新情報としまして、今週の火曜日(23日)から発売される先生の
ご新刊本について、まずはご紹介させていただきます。

      No10
    「血みどろの西洋史狂気の一〇〇〇年
    
池上 英洋 (著) 河出書房新社

内容紹介(河出書房新社HPより)
暗黒時代とも称される中世ヨーロッパ。カトリックが権勢を
振るい、異端者を弾圧する一方、歴史の裏側では魔術や
錬金術など無数の神秘主義的活動がくり広げられていた…。
意外と知らない“闇の世界史”を浮き彫りにする驚きの書。

魔女狩り、拷問、ペスト、異常性愛…中世ヨーロッパの
「闇の時代」の真相に迫る!」
という副題がついています
とおりあまり知られていない中世の歴史を拝読できるようで
楽しみでもあります。夏の間は、こちらのご著書の推敲を
先生ご自身も楽しみながらされていたそうです。西洋美術
を見るうえでもこのような背景知識があると、画家が伝えたい
裏側の文化や史実を具間みることができるかと思います。

    No1

さて、昨日の池先生のご講演のテーマは、

   「レオナルド・ダ・ヴィンチの主題と技法について」

100分近く大きなスクリーンで、レオナルドとその他の貴重な
図版を一番前の真ん中で拝見させていただきました。一緒に
来て下さったのは、Nikkiさん、ベッティさん、ジブリールさんに
途中からわん太夫さんが参加して、私達で前列を座らせて
いただきました<m(__)m>

   200703leonardo_top630_3
        
《受胎告知》
        レオナルド・ダ・ヴィンチ
        1472年

今回の講演会のご主催者は、「二紀会」様で絵を描かれる
画家の方々がご講演を多くお聞きになるということで、先生も
画家の視点というものに重きを置かれてお話になっていました。

《受胎告知》が東博に到着した時の荷解きの場面、ドイツ製の
ガラスの内面の装置、スロープの設定図版まで見せていただき
興味深かったです。そこで、ある番組が取材にきて、強いライトを
絵の上方に浴びせた時に奥に描かれている山の上辺りには、
「石組み」が厚く描いていた形跡が浮かび上がったことでした。
それは、一瞬、息をのむような瞬間でした!

アナモルフォーズ(歪曲画)と遠近法はレオナルドが最初に発明し
開発していった技法ですが、それについて詳しくご説明くださいました。
遠近法が確立するまで、ルネサンスまで1000年かかったそうです。

特に今回は、《受胎告知》の遠近法について、画面上に3点から
消失点に向かっての線がそれぞれ描かれていて、それも素晴らしい
ご見解を示してくださって、思わず驚きの声を上げてしまうほどでした。

          No5_2

マリア様の下に描かれているタイルの小さな気泡については、
先生も何度も言われて、レオナルドの執拗なまでの完璧主義は
分かっておりましたが、このタイルの線が左からの遠近法で
消失点方向へ向かう角度で描かれているのも初めて知りました。
本当に何気にみていた床の線まで計算しつくされていたことに
レオナルドの偉大さを改めて実感できました。

またルネサンス期は、舞台という主題を描くに辺り、画家は
パトロンである君主だけを焦点に当てて一点遠近法で描いて
いればよかったのですが、バロックの時代になると貴族達も
だんだんとお金が平等に持てるようになりパトロンに合わせて
2点遠近法など発達していったそうです。このように、主題が
技法を生み出していったとも言えます。

池上先生のご専門であるアンドレア・ポッツォというイタリアの
画家についてもご紹介くださいました。ローマの真ん中にある
サン・ティニャーツィオ聖堂の天井に描かれているフレスコ画
が湾曲して見える丸天井の図版など拝見できて大変面白かった
です。

その他、北方のフランドル地方の絵をよく観ていた
アントネッロ・ダ・メッシーナについてですが、彼がフランドル
独特の室内の画法や遠近法を伝えたイタリアの最初の画家
ではないかと言われているそうです。レオナルドもそれに

影響を受けていて油絵を取り入れたのではないか?。。とも
言及されていました。

   No4

ヴェロッキオとレオナルドの共作と言われている
《キリストの洗礼》でも天使と風景の部分はレオナルドが
描いたとされますが、それはその部分だけ油絵でほかは
テンペラで描かれていることから分かるそうです。ニンブス
からも透き通って髪の毛を描からているのも教えていただき
ました。

最後に、アナロジー(対比)についても述べられて、
人間も自然も機械も同じである、とレオナルド的な発想を
ご専門的なご見解を述べられていましたが、この辺りは
素人ではとても難しいです。

久しぶりに時間を置いて、レオナルド関連の絵を見たり、
お話を伺えて、ものすごく充実した時間を過ごせました。
先生は最初の頃より大分、間をおいてお話されるようになって
レオナルドについて膨大な情報から私達に分かりやすい内容を
ご解説くださって、その知識もさることながら、ご研究の成果を
惜しみなくこのように教えてくださる先生の熱意に感動いたしました。
無料でこれだけのレオナルドとイタリア美術館関連のお話を拝聴
できましたことを関係者の方々にも御礼申し上げます。

ご講演が終了してから、先生のご家族と皆様とご一緒に1階の
カフェでお茶をして、楽しい時間を過ごさせていただきました。

   No12

美術館を出ましたら、夕焼けがとてもきれいでしたので、
撮っておきました。私は各方面、いろいろないい先生と
出会えて本当に幸せダワァ~と日々、感じるこの頃です

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2007/10/18

池上先生ご講演:二紀展・美術講演会(国立新美術館)10/20(土)

giovedi, il diciotto ottombre 2007
sono le venti e quarantasei

      Shampowal    
        シャンポール城 NEC 10月 カレンダー

今月のカレンダーの写真がとてもきれいなんです!
フランスのロアールにある森深き中に立てられている
シャンポール城です。改築の時に、レオナルドが設計
の素案をしたと言われています。現在でも毎年80万人
以上の観光客が訪れるそうです。

今年の前半の美術は、レオナルド・ダ・ヴィンチ関連の
イヴェントで興奮ばかりして、少し気持ちが浮ついて
いたのを今振り返ってみて思い出しました。レオナルドの
《受胎告知》が去ってしまって、本当に少し心に穴が開いた
ような状態が続き、それから、何を観ても感動が沸かなくて
困っていました。

でも、ここの所また、素晴らしい印象派の作品を次々と
観ることができて、また少しづつ絵画の世界へ心が
戻ってきたところです。

前置きが長くなりましたが、そのレオナルド展で監修者
をされた池上英洋先生が久しぶりにレオナルドのご講演
を国立新美術館の講堂でされるそうです。

池先生のブログ↓
http://blog.livedoor.jp/ikedesu/archives/51055790.html

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10月20日(土)、14:00~15:40


国立新美術館(六本木)講堂

「レオナルド・ダ・ヴィンチの主題と技法について」

講師 池上英洋(恵泉女学園大学准教授)


聴講無料・一般開放

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池上先生のレオナルドに対する愛情溢れる
ご講演は何度拝聴しても楽しいですし、勉強
になります。

今回は「レオナルドの主題と技法」とのことで、
大きな画面でレオナルドの作品を拝見できるのも
楽しみですね!!

久しぶりに池先生のエネルギッシュなプレゼンを
拝聴できるかと思うと興奮してくるようです~ヾ(´ー`)ノ

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2007/06/02

シンポジウム 「レオナルド・ダ・ヴィンチの世界」 @恵泉スプリングフェスタ - 鑑賞会 No.16

mercoledi, trenta Maggio 2007
sono le mezzanotte.

     Sympo2_3

5月26日(土)午後2時より、恵泉女学園大学において
恵泉スプリングフェスタ2007の催しで、

レオナルド・ダ・ヴィンチの世界―各分野から見たその実像

と称するシンポジウムが開催されました。

 Ci siamo divertiti tanto al simposio di Leonardo.!!  

 「レオナルドのシンポジュームで私達はすごく楽しかった!!」
が上の邦訳ですが、その日はパネラーの方々も鑑賞会に参加
していた人たちも学生さん達も終了してから皆さんが笑顔で
輝いているように見えました~~☆゜・。・゜★

  Nakaniwa4_4
      中庭にある美しいハーブ園 

       Nakaniwa18 
             

多摩センターのバス乗り場で、鑑賞会の皆さんと待ち合わせて
恵泉の専用バスで大学まで、10分少々揺られて参りました~☆
大学に着くと、まずは玄関にバスケットにお花がいっぱい飾られて
いて、女子大の美しいキャンパスに何度来てもわぉ~\(^o^)/と
思ってしまいます。  
         

シンポジウムまで少々お時間がありましたので、食堂で学生さん達と
一緒に食券を購入にして、皆さんと簡単にランチを頂きました。
それから、女性達だけで、中庭に降りて私のお目当てのハーブ園
で撮影をして参りました。去年よりも色とりどりのお花がきれいに
満開に咲いていて、中庭までご案内してくださった学生さんは、
「ここだけ専用に植えてくださる担当の方がいるんです~☆」と
丁寧に教えてくださいました。本当にイギリス庭園を思わせるほど
ハーブとお花が沢山咲いていて~幸せでした~(*'ー'*)♪

   Nakaniwa7_2          

それから、シンポジウムの大教室に行きまして、ほどなくして
池上先生より開会のご挨拶がされました。それぞれのパネリストが
15分間という時間を区切られての短い時間でしたが、ご専門分野で
レオナルドの特徴だった所を明解に説明してくださって大変面白い
内容でした!! まだ、聴き足りない、と思うことも多かったの
ですが、あとは、こちらで続きを読めば、詳しくご解説をされて
いますので、ぜひ~↓

      Allabout_3
   東京堂出版 『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界

1.池上先生: 「新しいレオナルド像」

  Ikesensei2_2  

《洗礼者ヨハネ》の中性的な容貌から、アンドロギュネス
(両性具有体)、錬金術、グノーシスの思想などの関連性に
ついて図版を見せていただきながら、ご専門的なレオナルドの
精神的な内面性を希求した新しい見解をお話されていました。

2. 小倉康之: 建築家としてのレオナルド
   城郭建築家レオナルド→軍事技師レオナルド
 (地図の製作/地形の把握) →軍師 として戦乱時代を生き
   抜かなければいけなかった。
  戦乱が終わった後には、最終目的として都市計画を創造して
   近代的な都市を造りたかったのでは、ないか。。と大変
  ダイナミックなプレゼンで、まだまだ15分が過ぎてもこれからが
  本番!という所でもう少しお話を拝聴したかったのです。
   レオナルドの建築は、残存していませんが、集中式教会などに
   レオナルドの設計を基礎にしているとの興味深いお話でしたので、
   残りは本でご拝読します!!

3. 田畑伸悟: 工学者としてのレオナルド

   Nikkisan_1

  我らがブログ仲間のNikkiさんですが、いつも会社で
  プレゼンするかのように、分かりやすく画面をみて
  ご説明されていました。詳しくは、Nikkiさんのブログ
 に資料がリンクされていますので、ご本の内容と
 合わせてご覧になると分かりやすいかもしれません。

 Nikkiさんがご執筆中、週末ごとに国会図書館に
 行って資料を検索していた頃のお話を直接、伺って
  おりましたので、刊行された時は、身内のように嬉し
 かったです~☆改めておめでとうございます~☆

4.田中久美子: 北方とレオナルド

  Tanakasensei_1   

田中先生のお話は非常に明快で、体全体から
パッションがあふれ出していて素晴らしかったです♪
ヤン・ファン・エイクなどの北方ルネサンスの特徴でも
ある光・ 空気・大気などがイタリア・ルネサンスにも
取り入れられているそうです。レオナルドなども同様に
《受胎告知》の遠景では、北方の港風景が関与して
いたり、ファン・エイクの岩の表現は、《岩窟の聖母》
の背景の洞窟などに取り入れられているなどとても
興味深いご見解で、もっと田中先生のプレゼンも
拝聴したかったです!!

5.藤田英親: レオナルドの医学・解剖学

人間の人体を解剖して、解剖図示の方法で表したのが
レオナルドが最初とのこと。長い間、その解剖図は
ウインザー城の中に保管されてしまっていたので、
レオナルドが発表するかのようにきれいに描いた解剖図
は中々、人々の目に触れらなくて残念なことでした。

20分ほど休憩

6.森田学: レオナルドの音楽・演劇

   Moritasensei_1

上記のNikkiさんと不定期でイタリア語を教えて頂いている
森田先生の発表です。先生がお話されたときに、赤ちゃんの
泣き声がしたら、「すいません、今の家の子です。」と場内が
一瞬笑いの渦に~☆ 先生の大らかなひとコマでした(*'ー'*)♪

レオナルド製の「リーラ・ダ・ブラッチョ」についてご説明があり
ました。 リーラ・ダ・ブラッチョはヴァイオリンのように弦を
擦って音をだす擦弦楽器ですが、弓で擦って鳴らす弦だけ
でなく、ドローン弦と呼ばれる(指で弾いてならす)弦があり
ました。これが、古代ギリシャのリーラ(竪琴)を思わせる
ことなどから「リーラ・ダ・ブラッチョ」と呼ばれて いました。

当時の演奏習慣として楽譜に書き残すといった習慣が
なかったので、レオナルドの即興演奏も残されていない
とのことでした。

先日、レオナルドのお誕生会コンサートで聴きました
ジョスカン・デュプレのきれいな音が重なりあうような
きれいな曲も少しだけ聞かせてくださいました。ここでも
音楽は北方の方からイタリアへ入ってきたとのお話でしたが、
ジョスカン・デュプレも北方からイタリアへ来て活躍したと
以前、調べた時に分かっていたので、単純に嬉しかったです。

カッカヴェーラという舞台装置のお話もダイナミックで
面白かったですね!!

私は音楽も好きなので、やっぱり森田先生のお話は夢があって、
先生の美声とともに心地よく響いてきました。

7.伊藤淳: レオナルドの彫刻とモニュメント

  Statue_5

《受胎告知》の書見台は、師匠のヴェロッキオ作であるが、
それをレオナルドは模写して描いたとのことです。今回の
展覧会に展示してある《少年キリスト像》やその他、
レオナルドの帰属かと思われる彫刻をいくつか図版で
見せて下さいました。

8.小谷太郎: 天文学者としてのレオナルド

  Cosmo

月と太陽と地球との関係を手稿の図版で詳しく解説されて
いました。皆さんは先生のジョークにとてもお笑いになって
いましたが、私はそのジョークが高尚なので、少し理解でき
なかったのは残念でした~^^;

9.大竹秀実: レオナルドの技法と修復

  Saigo

修復家でいらっしゃるので、《最後の晩餐》について、詳しく
どのような製造過程で造られて(セッコ)、修復中と修復後まで
20年間の年月がかかったことなど図版を見せて頂いて、
ご見解を示してくださいまして、大変面白かったです!!

10. 谷口英理: レオナルドと日本

近代日本がどのようにレオナルドの作品を受け入れてきたかに
ついて、夏目漱石、上田敏などの文学者からモナリザと似たような
肖像画を1911年頃に日本でも描かれていたこと、第2次大戦下で
日独伊の三国同盟のもと「科学振興」が行われ、アジア復興では
レオナルド・ダ・ヴィンチ展の大規模な展覧会が行われてきた、など
日本での変遷を教えてくださいました。もちろん、モナリザも
来日したことはハイライトでしたが、最後まで、とても興味深く
拝聴することができました。

-------------------------

パネラーの皆様の素晴らしいお話を拝聴して、興奮のうちに
終了しました。

大勢の学生スタッフさん達が、キビキビと先生のご指導の下、
お手伝いをされていて、この後、打ち上げまで私達を先導して
下さいました<m(__)m>  

その後の打ち上げ会も先生のご好意で、私ども鑑賞会の皆さんも
全員ご招待していただいて、パネラーの方々とお話をしたり、
サインをしていただいて、本当に楽しい時間を過ごすことが
できました。   

先生はじめ、お世話になりました当日の皆様に感謝申し上げます。
本当にレオナルドのお祭りのような素晴らしい一日を恵泉の
美しいキャンパスとともに過ごせて、最高に幸せでした~☆

ご一緒に鑑賞してくださったVisiting Tour Clubの皆様は
Takさん、Mizさん、わん太夫さん、花子さん、Ichi-Nさん、りつさん、
スイートピーさん、Cosさん、Pippinご夫妻、Merionさんなど沢山の
方々が遠くからご一緒していただいて、皆様が打ち上げの席まで
その日は楽しく過ごせました。ご参加、ありがとうございました<m(__)m> 

※上記、メモは走り書きでしたので、確実なところは
どうぞご本の中でご確認くださいませ。また、先生方で
違うことを書いておりましたら、お手数ですが、コメント

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2007/02/14

告知: 記念講演会 「レオナルドで知るルネサンス」 4/21@東博 by池上先生

mercoldi, il quattorodici febbraio, 2007.

     Gakuseisan
       池上先生のご出版記念パーティで~☆
           Photo taken  by わん太夫さん


先日のパーティでは学生さん達をはじめ列席者の女性は
きれいな方が多くて、池上先生の回りには本当に美女が
集まってくるようです~☆ もちろん、その中でも奥様が
ピカイチ~☆ですけれど~(*"ー"*)♪

その池上先生が東京国立博物館の記念講演会でご講演
されるという記事が
公式HPにアップされていました。

特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像」関連事業
記念講演会 
「レオナルドで知るルネサンス―波乱の生涯と、
                        激動の時代の魅力」

日時 2007年4月21日(土)
時間 13:30~15:00(開場13:00予定)
会場

東京国立博物館 平成館大講堂
2007年4月4日(水)までに往復はがきで
申し込むようです


東博のHPのトップページにも本展について
掲載されたので、もう開催も間近いことが
知らしめるかのようですね~♪

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2006/12/26

■ レオナルド・ダ・ヴィンチ II-② 『マギーの礼拝』 by 池先生ご講演 11/14

  Martedi, il ventisette Dicembre 2006

   Touhou_1
               『東方三博士の礼拝』
       ウフィッツィ美術館蔵 1481 - 1482(未完)

 
  
12月25日はキリストの降誕祭 (クリスマス)で一年を
      締めくくる祝祭ならば、新年早々の1月6日は御公現
      (救世主の出現)として大祝日として祝われるそうです。
  
      場面は、東方からユダヤの王を求めて星に導かれて
      やってきた3人の博士たち(カスパール、バルタザール、
      メルキオール)が、ベツレヘムの家畜小屋で生まれた
      ばかりのイエスとマリアを訪れ、黄金と乳香と沒薬を
      献じているところです(マタイ伝)。ここでは、救世主イエス
      は、羊飼いの私的な礼拝のあと、初めて公的に世界に
      認知され、身分ある人々の前に出現することになります。
 
      レオナルド・ダ・ヴィンチもこの「東方三博士の礼拝」を
      描いておりますが、途中で描くのを止めてしまったよう
      です。池上先生のご講演をご紹介したいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

  11月14日(火)に、新橋駅近くにあります航空会館で
  日伊協会ご主催の『
レオナルド・ダ・ヴィンチ』のII回目
  のご講演を聴いて参りました。 戦国時代に活躍した
  レオナルドの多才な芸術全般について池上先生より
  貴重なお話を拝聴することができました。
  90分間だけでしたが、あまりに内容が豊富なので、
  最初の『東方三博士の礼拝』についてだけ書かせて
  頂きます。

 フィレンツェでヴェロッキオの工房で働きながら絵画や
  彫刻や設計などを学んだあとに、自らも独立して工房を
  構えている頃、サン・ドナート・ア・スコペート修道院より
  祭壇画の注文を受けて、『東方三博士の礼拝』の制作を
  開始します。


        86110adorationofthemagicirca1305posters_1
        『Adoration of the Magi』
        Giotto di Bondone circa 1305

  こちらは、ジオットの『マギーの礼拝』です。マギーとは
   古くからラテン語では、マジシャンという魔術師の意味
   として使われ、それが人知を超えるような知恵や力を
   持つ存在と変わってきて、「賢者」をも表すようになった
   そうです。通称、このように 「マギーの礼拝」と呼ばれて
   いるようです。

  •  普通、『マギーの礼拝』はキリストを中心に、博士達が
      下から敬うような構図を描くが、レオナルドは幅2.5mの
       巨大なサイズに、マリアを中心に変わった描き方を
       している
  •  『マギーの礼拝』とはアジア、アフリカ・ヨーロッパなど
      すべての民族の子供から大人まであらゆる年代が
       イエスの教えを請う、という寓意を普通は描く
  •  レオナルドは徹底したリアリストなので、目に見える
      ことしか描かない→ニンブス(光輪)を描かない
                 教会に対して挑戦的
  •  一年半だけしか実母と暮らせなかったので、母親
     を慕うように、聖母子像など女性などは母親として
      描くことが多い
  •   木の下に馬がいて、前足がいなないている
  •   その馬の下に、天を指差している人物は洗礼者ヨハネ
  •   光輪を描いていないので、教会側とネゴシエイトをしたが
      300万の報酬が入るはずだったのに遂行していない
  •  友達の家に絵を預けて、ミラノに飛んでしまう
  •  全くの無名画家に修道院からの依頼がくるのは、父が
      公証人のため契約ができた→ma, Lui e' un capriccio figlio
  •  左上は見事な遠近法で描かれている

     Enkinho_1
      「三博士礼拝の構図のための習作」
       フィレンツェ、ウフィツィ画廊蔵
       紙、銀筆、ペンとインク 16.5cm×29.0cm

  このほかはまた次回、続きを書いて見たいと思います。

 

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2006/12/10

③「レオナルドの驚異と彼が生きた時代 - レスター手稿を中心に」池上先生ご講演

2005/09/28

本日も池上先生がご講演された

  「レオナルドの驚異と彼が生きた時代 -
                           レスター手稿を中心に

を会社の帰りがけに、板橋区立文化会館小ホール
で拝聴して参りました。

      leonardo

先生の素晴らしい盛り沢山なお話にますます
先生の大ファンになるとともにレオナルドも
改めて偉大な科学者であり技術者であり総合
芸術家であったことが分かりました。先生は
全力でレオナルド
について歴史的観点からその
生涯を辿るお話と各手稿がどのようにどこへ
渡っていったかなどを詳しく、いつもとおりに
大きな画面で解説してくださいました。

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②ダ・ヴィンチ展:記念のシンポジウム 200人熱心に No.2

2005/09/22

昨日のシンポジウム「レオナルド 天才の挑戦
についての記事が毎日新聞HPのニュース覧に
掲載されたことを
池上先生より教えて頂きました。

まだまだ昨日の興奮が覚めやらずといった
感じです。本当に素晴らしいシンポジュウムに
参加させていただいたことを関係者の皆様に
御礼申し上げます。

   ikegami
   毎日新聞HPより 池上先生(左)

一部抜粋させていただきます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館館長
のアレッサンドロ・ベッツォージさんら
日伊の専門家4人が基調講演。日本初公開
のダ・ヴィンチ晩年の直筆ノート「レスター手稿」
などの研究ノート類をスライドで示した解説があり、
日伊の同時通訳機を耳にした約200人がメモを
取るなどして聴き入っていた。

 パネルディスカッションでは、ダ・ヴィンチを
テーマにしたフィクションなどに対して警鐘を
鳴らす声も。ベッツォージさんは「レオナルド像が
危機に陥っている。芸術と科学を融合した活躍に
目を向けるべきで、彼の書いた手稿に立ち戻り、
自然を観察することが大切だ」と強調した。

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①記念シンポジウム 「レオナルド/天才の挑戦」 No.1

2005/09/21

いつも大変お世話になっております池上 英洋先生
が司会・進行をご担当された
 記念シンポジウム 「レオナルド/天才の挑戦」
をTak様(もう素晴らしいレポート・アップです)、
エッセイ室のYukoさんとご一緒に拝聴して参りました。

仕事の関係で少し遅刻してしまいましたので、
先生の基調講演が始めの方は聞けずに残念
でしたが、イタリア人のレオナルド研究家3人
のレオナルドに対する熱き思いはしっかりと
伝わってきました。ただ、内容がかなり専門的で
同時通訳の方々も訳すのが大変そうでしたので
あまり完全に理解することができずで、こちらも
ある程度レオナルドの知識がないとついていく
のは難しい高度なレクチャーでした。

会場はもう満員で熱心にメモを取っておられる
年配の女性もいて皆さん、真剣に聞き入って
いらしゃるようでした。私もメモを取りましたが
上記のとおり、あまり理解できていない部分も
あって不安ですが、概要だけでも書かせて
頂きます。

☆池上先生の記事はこちらから、どうぞ↓
http://blog.livedoor.jp/ikedesu/archives/50103737.html

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