Paul Klee

2006/02/28

2回目 「パウル・クレー展 -線と色彩-」 No.4

先週から仕事が忙しかったのですが、今日で
クレー展も最終日ということで、早退させて
いただき、ダッシュで大丸デパートまで駆け
つけて行きました。

  「パウル・クレー展 -線と色彩-」

  chirashi

 やはり無理しても最後にもう一度 (一度目
  観てよかったです!! 最初と展示作品が
  違うのかしら?と思うほど、二度目なのに
 また新たな目で観ることができるほど新鮮に
 感じました。

 今回は図録というより、ベルン「パウル・クレー・
  センター」開館記念として、下記の本が発売されて
  いましたので、今回はこちらからの図版も紹介
  したいと思います。ただ、少し色が悪くて残念でした。

  artbox
     「クレー ART BOX 線と色彩

      

      room
            『我が小部屋』  1896

   こちらの作品は展覧会には出展していませんが、
     本に掲載されていまして、ペンと鉛筆でクレーの
     部屋をスケッチしたようで素敵ですよね!

      -*-*-

   line 
   『ミュンヘン郊外、オーバーヴィーゼン練習場近くの家々』
                          1910

   最初の「線」の所に展示してありまして、水平線に
     続く広大な平野と道路がとても活き活きとした線で
     描かれていて、色が浮かんでくるかのように
     ダイナミックでしたね!

    奥さんのリリーと結婚したのが、1906年でしたから、
     小さな息子さんを連れてお散歩がてら郊外で描いて
     いたようです。なんとなく平和な雰囲気が伝わって伸び
     やかで柔らかな線の絵だと思いました。

 
       north
              『北海の絵』 1923

  最初に観た時、ピカッと光るほど頂点までがシャープ
    な線で、色彩ももっと透明感がありずっと神秘的です。
    前回、展示してあったでしょうか? ズート観ていると
    北海に吸い込まれて行きそうでした。この絵の前で
    吸い込まれそうに佇んでいる人達が何人もいました。
    宗教的な感じがするほど何もないのに、ものすごい
    吸引力がありました。 自然に涙が出るほどでした。

   
    snow
              『雪の降る前』 1929

   こちらの作品も出展されていませんが、クレーらしい
   美しい色彩で豪華で動き出しそうなお花ですね!
     雪の降る前なのに、燃え上がりそうな激しい色合い
     なのは何なのでしょうか?不思議ですがクレーを
     激するものが何かあったのか~?それとも雪の降る
     前の大気の変化を表したかったのでしょうか~?

    上記の本に、谷川俊太郎氏の詩がこの絵の横に
      掲載されていました。


       『雪の降る前』

     かみはしろ
          かみはゆき
          かみはふゆ
          えかきはたいよう
          ゆきをとかす

         えかきははる
         みどりをぬる
           えかきはなつ
                     あおをぬる
           えかきはあき
          あかをぬる
          そしてまたいつのまにかーーー

               えかきはたってる
         あたらしきかみの
               ゆきのちへいに

-------


最終日なので混雑しておりましたが、
クレーの作品とじっくりと対峙して名残
惜しんでいるような鑑賞者の方たちから
ちょっと悲哀を感じる最終日でした。
クレーの天才性が二度目にはっきりと
感じることができて良かったです。   

☆ Paul Klee Series (拙記事

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2006/02/12

パウル・クレー展 -線と色彩-@Daimaru Museum No.3

昨日も東京オペラシティ・ギャラリーで開催中の
ダイムラー・クライスラー・アート・コレクション
ドイツ系の現代美術を観て参りましたが、本日
も東京駅八重洲口にある大丸デパートで開催
しております

  パウル・クレー展 -線と色彩-

を観て参りました。      
          

          klee380 

2005年6月、パウル・クレー・センター開館を
したのに記念して、「線を引くこと」「色を塗ること」
の2つのテーマを元にした作品を展示する展覧会
が開催されたとのことです。

私は、パウル・クレーの作品をこのようにまと
まって観ることは初めてでしたので、特に
「線を引くこと」から始まったクレーの素描の
美しさに魅入りました。

こちらの作品は、会場の正面に展示してあり
観た瞬間に「美しい!」と思いまして、それだけで
この展覧会の質の高さがわかるようでした。

   piramid001
   『Pyramid』  1932
       Watercolour, brush and pencil on
       canvas

    面と面の間の線が黒い細い輪郭線で引か
  れていまして、その線に沿って忠実に色付
    けがされています。オレンジとベージュの
    色合いがピラミッドをイメージしているのか
    立体感と共に渇いた空気のような爽やかさ
    と光の温かみも感じました。

  baby002

   『Portrait of a child』 1908
        Watercolour on papaer

   クレーのお子さんの肖像画でしょうか?
   今まで図版でも観たことがないので、
   このような柔らかくて人間味のある表情
   を描いた作品が展示してあって少し驚き
   ましたが、多分、クレーのお子さんなので
   しょう。。とても愛情深く描かれていて幸福感
   がこちらまで伝わってきました。

  piramid
   『Pyramid』 1934
   Watercolour, sparyed, on cotton on
        cardboard

      クレーの描くピラミッドが好きなので
      同じテーマの絵葉書ばかり購入して
      しまいました。チュニジアに旅をして
      から色が鮮やかになってきたそうで
      すが、オレンジのピラミッドがグレー
      の靄がかったバックに浮き上がって
      いるようで素敵ですね!とても洗練
      されている絵だと思いました。

   baby  
     『Pyramid』 1930
           Watercolour and pen on paper on
          cardboard

        また、ピラミッドを選んでしまいましたが
        こちらの作品が一番丁寧で色の妙味が
        美しく描かれている傑作!としばらく絵の
    前で佇んで観ておりました。単純な線なの
       に、動きがあって、上からも下からも横から
    も中心に向かって光が集まるようでいて、
       横にも流れて行くようなリズムを感じます。
      このような淡いきれいな色彩感覚って、
       あまり日本人では出せない品のよさを感じ
       ますが、ヨーロッパの光の中で生み出され
       るのかしら? と思ったりしました。

   それにしてもクレーの持つ線のリズムと緊張
       した躍動感にはこちら側に、強く訴えてくる
       ものを感じて、自分の甘い生活を見透かされ
       いるような鋭い視線を感じて、時として長く観て
       いると少し苦しくさえなってきます。

     klee_center パウル・クレー・センター
                  (スイス/ベルン)
      
       イタリア人建築家レンツォ・ピアーノ
       により設計され、クレーの作品が
       4000点も所蔵されています。
    
   このセンターの建設当初からのビデオを
    放映していました。回りのゆったりとした
      田園風景やクレーの絵が保管されている
    倉庫など中々面白かったですが、あまり
      見せるために編集していないような??

      もう一つだったかもしれません。。。

   今回は線が最初のテーマだったこともあり、
   色彩はその線の上に塗って抑え気味でいて、
   その線と色のハーモニーがクレー独特の
   音楽的なリズムで美しく、時には厳しく奏でて
   いるように感じました。

 会期は、28日(火)までです。

  そのほか、クレーについての拙記事です。
   ☆
パウル・クレー ★ 色彩の魔術師

  ☆Pual Klee - 芸術新潮

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2005/12/08

Pual Klee - 芸術新潮  No.2

今日は、ジョン・レノンの命日だと言う。
彼が凶弾に倒れて25年目という悲しい日です。
でも「IMAGINE」などの名曲は、いつまでも歌い
継がれることでしょう。

さて、今日のランチ時に見つけた本は、

cover_shincho
芸術新潮」 12月号

特集:
パウル・クレーの静かな闘い

解説 前田富士男[慶應義塾大学教授]
+宮下誠[國學院大学教授]

 

Paul Klee について詳しく書かれていたので
  飛びつくように購入してしまったのでした。

 立ち読み から。。。

   
やわらかい色に繊細な線。あどけない天使に
浮遊する魚たち。そんな親しみやすい作風で
知られるパウル・クレー(1879~1940)はしかし、
生涯にわたり絵画の常識に挑みつづけた画家
だった。いかに時間を描くのか? なぜ自作に
何度も鋏を入れたのか? 画面上の謎めいた
文字や1933年に量産された異様な顔は何を
意味するのだろう? 静謐な画家がこころみた
果敢な闘いの跡をさぐる。

INDEX:

羊の群れの向こうに パウル・クレー・センター開館
石切場からはじまる
第1章 うごきの実験室
第2章 なぜ文字なのか?
第3章 切る貼る回す
◆ 古紙が好き ◆女神バラバラ事件
◆ ぐるぐる鑑賞法 ◆時を描き、時が描く
第4章 1933年の顔
第5章 仰天としみじみのあいだ
第6章 天使のゆくえ
ベルン紀行 熊の古都でクレー散歩
年譜 クレーの光陰60年

    mountain
       二等辺三角形状の山が、
                    色彩の積み木細工に荘厳される。
                       《ニーゼン山》 1915年 水彩・鉛筆、
                      厚紙に貼った紙 17.7×26㎝ 
                    
Kunstmuseum Bern, Hermann und
                     Margrit Rupf-Stiftun

    
                  
nizen 本誌P57 画像
                                       スイス ニーゼン山
                                                                 スイスの富士山的存在
                                            標高2362m 

 2005年6月にオープンした『パウル・クレー・センター
  の写真を紹介したり、クレーの一生や細かい画材など
  説明してあるのは良かったのですが、もう一つ文章
  から心に響いてくる言葉が見つからなかったです。
  解説者の方々はクレーの絵を分析できるけれども
  クレー本人を理解できていないのでは?という印象を
  持ってしまいました。

 ですので、また、私のアート・バイブルである福永氏の
  『藝術の慰め』から彼のご両親の国籍など彼のDNA
  からくる絵の輝きを引用しますので、ご興味ある方は
  次のページからどうぞ・・・
 

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2005/07/04

パウル・クレー ★ 色彩の魔術師 No.1

映画「サハラ」のご招待券を頂いたので、昨晩
娘と観にいきまして、思ったよりもアクション
満載で、また砂漠の景色の美しい映像には
感嘆するほどで、
昔の007を観ているような
ストリー展開も面白かったです!主人公の
二人が個人的に惹かれあっていくのも微妙な
表情でわかったりしてそれも楽しめました(^_-)-☆

そして、その砂漠から連想して、クレーが
アフリカへ行ってから彼の色彩が変わったと
書かれていたのを思い出して、映画の画像から
伝わるあの黄土色の砂や灼熱の太陽などから
「なるほど、これがクレーの色ね!!」などと
一人分かったように感じたものですから、本日は
パウル・クレーについて書きたいと思います。
   
    angelklee

いつか、わたしは無の世界に
         横たわることだろう。
 だれかひとりの天使の傍らに。

    (西田秀穂・元木幸一訳)




先週の土曜日(2日)に、再度ブリジストン美術館
へ行って参りました。ここの美術館が落ち着いていて
好きなことと「印象派と20世紀の巨匠たち」展を
もう一度、観ておきたかったのです(10日まで)。
クレーは以前から少し変わっている絵かしら?と
思っていましたが、特にその華麗な色彩と動きのある
線と特殊な画材に
惹かれていました。そして、ここの
常設でもクレーの「島」に前から惹かれておりまして、
今回もマジマジとご対面してきました。この絵は
そのベースとなる色が砂漠の色ですよね!!そして、
いろんな色の点々でアクセントをつけて、真ん中を
流れるようなメロディアスといってもいい程の線が
自在に描かれています。この線が島を現しているの
かもしれませんが、とても楽しい気分で描いているのを
感じとれます。

  cley
        《島》油彩、板に砂をまぜた石膏下塗り 1932

そして、フィリップス・コレクション展でも2枚展示して
まして、その一枚がこの《大聖堂》です。ダンカン・
フィリップスはクレーの作品を13点も集めていた位
クレーがお気に入りだったようです。彼は、この芸術家を
  
「夢想家で詩人、かつ内向的な反逆児」
と呼んでいたそうです。この《大聖堂》にはデザインの
基礎要素(矢印、半円)や建築的な平面図、立面図
などが組み込まれているそうです。そして右側の音楽記号は
聖堂内部で聞こえてくる音楽を現しているといるそうです。
まさに、建築と音楽のハーモニーを完璧に理解している
表記で描いている、と図録では解説してありました。
実際にみるとこの作品はとても小さく、色ももう少し
濃い赤と少しオレンジ系の薄い赤色で描かれていて
それは、「光と闇」を表現しているそうです。この解説を
読むまでそこまで、建築的で音楽的な絵であるかなんて
分かりませんでしたが、何か芸術の全てが結集している
ようですね!!

  clay_daiseido
      
《大聖堂》 水彩、油彩/板を貼り合わせた
                               カードボードに張った紙  1924

    色がぼくを捉えた。彼を必死になって捕まえ
      ようとしなくてもいいのだ。ぼくは知っている、
    彼はぼく
を捉えて二度と離しはしない。
    なんと幸せな瞬間だろう、ぼくと色彩はひとつだ。
       ぼくは画家なのだ。

        
   (1914年チュニジア旅行で/宮下誠訳)

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