▲2007年 映画

2007/12/18

50回目のファースト*キス☆クリスマス・イブにお薦め!

martedi, il diciotto decembre 2007
sono le ventidue meno nove

          50kiss
           50回目のファースト*キス

わが愚息が彼女から借りてきたDVDを見たら、
楽しくてすごくいいお話だったので、ちょっとこちらで
ご紹介します。

  321822view004_2
   主演のドリュー・バルモアが超キュート☆

THE NOTEBOOK」と同じように、女性に障害があっても
いつまでも男性は愛し通します。ハワイの海や景色もすごく
きれいだし、主演のドリュー・バリモアとアダム・サンドラーの
息がすごく合っていて、撮影現場もとても楽しそうでした~ヽ(^o^)丿

ドリュー・バルモアのようなキュートなお嬢さんが自然な演技で
魅力的な役を演じていていいですね!本当は辛い病気を抱えて
いるのだけれど、それを跳ね返すように、ハワイの雄大な自然や、
他の共演者の温かさや動物達のかわいらしさなど健康的な
ラブ♥ コメになっています~♪ それでも、不思議でどうしようも
ない展開に、時にはとても切なくなりますが、愛し合う二人の
強い絆の結末は、雄大な映像とともに感動的です!

クリスマス・イブに恋人同士でもご夫婦でもご覧になると
ホワァ~とした温かさとユーモアの世界に包まれて、いい雰囲気
になることは間違いなしですよぉ~(^_-)-☆

☆こちらのサイトからビデオが観れます↓
http://www.apple.com/jp/quicktime/trailers/sony/50firstdates_large.html

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2007/10/27

映画: 『グレン・グールド 27歳の記憶』 レビュー+ Upcoming 『マリア』&『レンブラントの夜警』

sabato, il ventisette ottobre 2007
sono le dicisei e tredici

先日お知らせしたグールドの生誕75年周年企画の映画

 グレン・グールド 27歳の記憶

を、「銀座テアトルシネマ」で観て参りました。

  Gould_2  
  Golden Gould~平野啓一郎と辿るグレン・グールドの軌跡
  グールド(グレン) (演奏)


Off the Record /  On the Record」
と題してドキュメンタリー的な2作品で構成されています。
最初は、グールドが子供の頃に家族と過ごしたという
トロント郊外にある小さな町の別荘内での演奏と犬と
別荘の周りを散歩している自然な姿を写しています。
グールドが練習するのに一番落ち着いているというのは、
このようなきれいな湖畔のそばで緑溢れる場所であった
のを見ることができて、とてもよかったです!

その時に弾いたバッハの「フーガの技法」は本当に魂が音に
吸い込まれていくように美しく荘厳でした。確かに、人は彼を
変人と見なすかもしれないけれど、幼い頃過ごした両親の
思い出や愛が残っている静かな湖畔で一人静かに演奏する
ことが、一番落ち着いて彼の演奏スタイルを高めていったのが
分かるほど、そのピアノ室に溢れる陽光と湖畔の水の輝き
から感じ取れました。

2つ目は、New Yorkのスタィンウェイ内にあるプロのピアニスト
専用室でピアノで音を試していたり、CBSでの録音風景などを
映し出していて、貴重な映像だったと思います。1960年代の
活気溢れるNYの街並みに、なんていうか全然、服装もヨレヨレ
な風貌と毛糸の手袋をして、彼専用の折りたたみ椅子を持ち
歩く姿はクラシック界の人らしくない感じですが、またその飾ら
ない姿も見れてよかったです!

バッハのイタリア協奏曲を録音直後のことですが、彼自身も
快心のできだと思ったのか、普通は手をものすごく大事に
しているので人と握手することを拒否している人が、自ら手を
ディレクターに差し伸べて握手をし、成功を喜んでいる姿が
胸を打ちました。

確かにピアノの弾き方は、小さめの椅子でピアノに埋まって
しまうように弾くので、見ていて決して美しくはないのですが、
3歳から絶対音感が備わっていて、一日中ピアノを引き続け、
11歳でもうプロの域に達していると見なされる神童であったのが
そのまま成長し、「卓越した技術+神の音」に近づこうとして
心からピアノを演奏していることが伝わりました。

短いドキュメンタリー映画ですが、グールドの音の原点に
なるべく練習風景と録音現場の2ヵ所を見れたことは
これからもグールドのピアノを聴いていく上でも私の心に
深く残っていきそうです。

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そして、映画館においてあったチラシでこれから上映される映画で
気になった映画を2つご紹介します。

 Maria_2
    マリア

 キリスト誕生の裏にあった、ひとりの女性の物語
 『最後の誘惑』『パッション』『聖衣』…イエス・キリスト
 を描いた映画は数々あるが、キリスト誕生に至る
  母マリアと父ヨセフの物語は今までほとんど映画化
  されることはなかったそうだ。マリアがひとりの女性
  としてどう葛藤し、妻としていかに愛を育み、母として
  どう決心したかをつぶさに描き出している。

  シャンテ・シネ、テアトル タイムズスクエアほか全国にて
 12月1日(土)上映されるそうです。クリスマスにはピッタリ
  の映画ですね!

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 Yakei_2   
 レンブラントの夜警

美術史に燦然と輝く画家レンブラントの最大の謎――
なぜ、莫大な富と名声を極めた画家が、転落の人生を
歩んだのか?謎を解く鍵は、オランダの至宝で門外不出
の名画「夜警」に隠されていた……

2008年1月12日(土)ロードショー
テアトルタイムズスエアなどで上映されます。

新年早々、レンブラントファンにはたまらない映画が
上映されますね!

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2007/10/25

映画 『グレン・グールド 27歳の記憶』 生誕75周年企画 

venerdi, il venticinque ottobre 2007
sono le ventidue e nove

      Gould_02
      ©1959 National Film Board of
      Canada.All Rights Reserved.

  『グレン・グールド 27歳の記憶

ピアニスト、グレン・グルードの
生誕75周年企画の一つ
として、「
銀座テアトルシネマ」で今週の 土曜日(27日)から
一日、2回上映されます。

 連日9:55~/21:35~22:35

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この映画は、グルードの若き日の輝きを60分に凝縮した
貴重なフィルム。トロント郊外の別荘で独りピアノに陶酔
する姿や、ニューヨークのスタジオでのスリリングな録音
風景などが、生き生きとした臨場感をもって描かれている。
映画でしか聴けない珍しい曲あり、真骨頂のバッハあり。
とくにスタジオで全神経を集中させてのバッハ
《イタリア協奏曲》は、ドラマ以上に感動的なクライマックス
である。
--------------------------------------------

グールドのバッハは2,3日に一度は必ず聴いています。
なんていいますか、本当に無垢で何も飾り気がないの
ですが、それが都会的というか何かに疲れていていたり
してもグールドの曲を聴くと浄化されるような不思議な
透明感があって押し付けがましくないところがいいです。

27歳の頃のグールドの演奏を観れるなんて嬉しいです!
1時間しか上映されないので、チケット代も1200円との
ことです。
☆☆☆
また、下記の本も読んでみたのですが、原文がフランス語
なので、少し翻訳がついていけてないのか元々がもう一つ
フランス語的な言い回しのせいか、グールドの本質を掴んでいる
とは思うのですが、作者の独自な思惑が強いのでは?と
いう感じで中々進めません・・・。でも、上記の映画を見たら
またグールドの不可思議な点がわかるかもしれませんね!
確かにスタイルは変わっていたかもしれないけれど、彼の
ピアノ・テクニックは本物なのは、それだけ、自分の音創りに
対して敏感に呼応して徹底的な音の創作をしたかったからでは?
なんて~思ったりしています。

  Guld_2  

グレン・グールド 孤独のアリア
 ミシェル・シュネデール

内容(「BOOK」データベースより)
鮮烈な衝撃を残して20世紀を駆け抜けた天才ピアニスト
の生と死と音楽。コンサートを拒否し、スタジオにこもって
生み出された、世界の果てに位置し、作品の内部から
発せられる光に包まれているかのごときその演奏―
フランスの精神分析学者が、透明なタッチで奏でる
グールドへのレクイエム。ピアノという孤独な楽器の運命を
描く狂熱のドラマでもある、最もドラマティックなグールド論。

---

皆さんもこの秋のひと時をグールドのピアノ曲で
少し硬質だけれども、いつの間にか彼のリズムに
入り込んでしまうグールドの音の魔力に酔いしれて
みませんか?

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2007/03/17

☆ FRANTIC ☆ 映画

sabato, il dicisette marzo 2007
sono le otto meno sette

      T_cinema_03_16_1830_g
     フランティック

フランス映画祭」の映画を観たかったのですが、
やはり本日はもう完売でしたので、日仏学院で
開催中のイベント、
特集・特別企画 
世界の映画と共にある都市、パリ
の中で上映している

   
フランティック』 

を観て参りました。20年前の米・仏合作のサスペンス
仕立ての映画でした。監督は、世間を騒がしてきた
ロマン・ポランスキーでしたので、中々、見応えがあり
ました!英語とは言え、ハリソン・フォードがパリで
奥さんが事件に巻き込まれて、誘拐されてしまうのを
見つけ出すというお得意のアクションと緊張感がある
表情に最後まで楽しめました。

      Ford

パリで知り合った謎の女役、エマニュエル・セニエ↑
の魅力に悩殺されそうでした。この映画を撮った
一年後に、ポランスキー監督と結婚したそうですよ~☆
やはり、フランスの女優さんて世界一、魅力的ですね

     Frantic_1  
      『FRANTIC

DVDも出ていますので、ちょっとパリの街をみたく
なったり、ビデオ屋さんでみかけたら、お暇な時に
ご覧になってみてくださいね~☆

自分自身もパリで、若い頃に知り合いと待ち合わ
せて会えなかったときに、少し事件に巻き込まれ
そうになったことがありました。そのときも、英語が
全然通じないし、電話のかけ方はわからないしで
すごくパニックになったのを思い出しました。旅先
で巻き込まれる可能性のある恐怖!少しブルっと
くる映画でした~(~o~)

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2007/03/13

☆ フランス映画祭 2007 ☆ 3/15-20

martedi, il tredici marzo 2007
sono le undici e sei.

        French
         「フランス映画祭

「フランス映画祭」は、下記の短い期間ですが開催されます~☆

東京/六本木] 3月15日(木)~18日(日) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
[東京/お台場] 3月17日(土)~18日(日) お台場シネマメディアージュ
[横浜] 3月17日(土)~18日(日)TOHOシネマズ ららぽーと横浜


スケジュールはこちらから

   Deneve
    フランス代表団 団長
         カトリーヌ・ドヌーブ


「フランス映画2007」のフランス代表団団長に
選ばれたのが、カトリーヌ・ドヌーブです~☆
3月15日(木)に、フランス代表団による盛大な
オープニングが開催されるので、ドヌーブも
参加することでしょう!!

レッドカーペット 17:15 六本木ヒルズアリーナ

オープニングセレモニー+輝ける女たち 
18:15 TOHOシネマズ六本木ヒルズスクーン

  Catholine_1
   『輝ける女たち』 

大好きなドヌーブさんを一目みたいと思いますが
映画でお会いするしかないでしょうか~?


今回、東京・横浜・大阪の3都市で、開催されて
長編16作品と短篇8作品の最新フランス映画を
観ることができま~す♪

  Hohoemi
   『石の微笑み』

なんだか魅力的ですね~↑
こういう映画祭のチケットはすぐに売り切れるらしいのですが
私もレッドカーペットは無理にしても、1つ、2つでも映画を観れ
たらと思います~☆

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2007/03/11

映画 『パフューム』@ラゾナー川崎プラザ

domecina, il undici marzo 2007
sono le nove di sera.

    Pefume
     『パフューム - ある人殺しの物語』   

今日は娘がお休みを取れたので、以前から観にいって
みたいと二人で言い合っていた『
パフューム』の映画を
観て参りました。川崎駅前が変わったというので、

ラゾナー川崎プラザ内の映画館で待ち合わせました。
新しい街、川崎の巨大なショッピング・モールはまるで
海外へ来たかのようで天井も高く、通路も広々と取って
あり、とても開放感に満ちているように感じました。

  Kawasaki

 外国へ来たかのような巨大なショッピング・モール
             
ラゾナー川崎プラザ

  Jawasaki2

『パフューム』の原作がドイツ人の作家、パトリック・
ジュースキントで、瞬く間に全世界45カ国で発売され
1500万部を超える超ベストセラーになったことなど
前知識は全然なく、ただ、殺人シーンがあって恐い
部分もあるけれど、調合師のストリーが美しい映像で
描かれている、という位の情報で観に行きました。

   Beauty
    美女が次々と。。。

アロマを一年半ほどお習いしたので、香りの調合の仕方、
映画の題材でどのようにその香りを表現するのか、なども
興味がありました。でも、最初の画面からちょっとすごい!
ショックの連続でした。こんなに醜悪なことがあって
いいのか?と思うような生い立ちから彼の謎の死まで、
その人生のなんと孤独で悲惨なことでしょうか!!

この世に、彼独自の香りを残したい!という思いがマニアック
な匂いを蒐集していく要因となり狂気の世界へと走り出して
行きます。舞台はパリ、グラースなど中世のヨーロッパの
街並みで、水の中に溶け込むような詩的な映像となって
酔いしれることができます。しかし、その底には、深い
人間の
悲しみなど孤独感が常につきまとっています。



  Handkerchief
   彼の作る匂いが人々を天国へと誘う・・・

主役の天才調合師役は、無名の若手俳優ベン・ウィショー
で、監督から気に入られて抜擢されただけあって、素晴ら
しい演技力です。天才的な嗅覚の持ち主であることや、
動物的な激しい動きなどを本能的に演じ、狂気な世界へと
観客を演技だけで惹き付けていきます!

調合師の師匠役のダスティン・ホフマンとのカラミの
シーンなど唯一、人間的に交わる部分ですが、そこが
一番の見所かもしれません~☆ ダスティン・ホフマンも
少し年を取ったように見えましたが、若手を引っ張って
いきながら、またベン・ウィショーの方でも激しい気性を
露わにし、名優を圧倒させるかのように若さの火が爆発
するようでした!

昔、「コレクター」という若い女性ばかりを自宅に監禁
する猟奇的な映画をテレンス・スタンプが彼、独特の
演技で演じていた印象が強烈に残っています。
今回のベン・ウィショーはもっと肉体的にも体当たり
な激しくも内に秘めた情熱を貫きとおすという強さを
表に出してはいますが、二人とも少し似ているのでは?
と作品の特殊性もあるかもしれませんがそう感じました。

素晴らしく良くできた作品でもありますが、残虐なシーン
も想像以上に多いので、毒々しい香りも含まれている
こともお忘れなく・・・。 

 

    

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2007/01/25

△ 不都合な真実/An Inconveninet Truth ▼ presented by AL Gore

giovedi, il ventiquattoro Gennaio 2007
sono le ventuno e trenta

      Desktop9
         『不都合な真実


また、映画のお話が続きますが、マイミクのmerionさんが
この映画のことを教えてくださいました。環境問題には、
以前から興味がありましたが、最近は英語の先生から
permaculture」について教わって自分でもミニ・ハーブを
育てています(寒いので成長はあんまりですが、元気です!)。


    Interviewshot
   オーディエンスに熱心に語りかけるアル・ゴア氏

TOHOシネマズ六本木ヒルズで21日(日)、500円で鑑賞
できるというので行ってきました。ものすごく良かったです!
アル・ゴア元副大統領のプレゼンタイプのドキュメンタリー
ですが、アメリカならではの「見せる」ショー的な映画を
ともすれば、退屈になりがちな環境問題を世界各地の
悲惨な映像を見せながら、アル・ゴア氏の説得力のある
解説で、グイグイと画面に引っ張って行かれました。

    Aboutshot2
     ヴェネチア 世界遺産 「アクア アルタ

観ていると地球が本当に深刻な状態なのが分かりました!
今一番寒い時期なのに、身を切られるほどの寒さは昔ほど
感じませんよね!平均気温が2005年は今まで一番高く、
2006年ももっと上がっているのかもしれません。二酸化炭素
の発生率(人間が起因する)が多いと気温もそれによって
上昇するそうです。このままいくと、北極と南極の氷がすごい
スピードで溶け出し、海水が6cmも高くなると、まずは上の
図版のヴェネチアも沈んでしまうでしょうし、オランダはもちろん、
カルカッタ、北京といった地域、マンハッタンであれば9.11の
メモリアル・センターの辺りも水で浸水してしまい、一億人ほど
の難民がでる、とのことです。

    Interviewshot2
     地球を未来の子供達に残そう!と力説

キリマンジェロの氷河もあと10年後には完全に溶けて
しまうそうです。海水の温度が上がるとハリケーンなどの
発生率が高まり死者が多く出るそうです。干ばつや山火事
も多く発生し、それによって二酸化炭素も増え続け動植物
が減少していきます。干ばつ地帯は、地面から水蒸気と
なって水分が奪われていきます。洪水と干ばつが隣町を境
にするように局地的に発生しています
このまま人口も増え
続ければ、それを補うだけの食料が必要ですが、それも追い
つかなくなり、究極は水の深刻な不足を招きます。

続きを読む "△ 不都合な真実/An Inconveninet Truth ▼ presented by AL Gore"

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2007/01/24

映画 『マリー・アントワネット』 - 女監督が描いた王妃の悲劇

mercoledi, il ventiquattoro Gennaio 2007
sono le ventuno e trentanove

    Ma_wp03s_1

娘のお休みと合わせて、先日、日劇PLEX

      『マリー・アントワネット

を観て参りました。11Fの一番大きな会場で大画面で
観たので、映像、音楽ともに大変楽しめました~☆

多分、男性諸兄はもう一つ甘ったるくて観ていられ
ないかとは思いますが、いつも美術をご覧になって
いる方々は、絵の一部分を切り抜いて、連続に
繋げた様な美しい映像美にうっとりとされるかも
しれません~♪

マリー・アントワネットのことをあまりよく書く人は
いませでしたが、エヴリーヌ ルヴェ (Evelyne Lever)
女史が書いた

   『王妃マリー・アントワネット
   Erube_3
    Evelyne Lever(著)

を読んで、ソフィア・コッポラ監督がマリー・アントワネット
という心を描いた王妃について自分も映画化
したい、と
すぐに製作に取りかかったそうです。

出版社/著者からの内容紹介
その美貌と気品を讃えられ、一度はパリの民衆を熱狂
させながら、ついには革命の嵐にまきこまれ、断頭台の
露ときえた悲劇の王妃マリー・アントワネット。母マリア・
テレジアの外交戦略、夫ルイ16世の身体上の欠陥、
美貌のスウェーデン貴族フェルゼンとの恋、革命をめぐる
さまざまな思惑……。すべての要素がからみあい、ひとり
の美貌の女性を悲劇のレールへとみちびいていく。近代
ヨーロッパ史上、もっとも劇的な生涯を送った王妃の全生涯。

   Mary03_1  
    王妃役を演じたキルスティン・ダンスト

脚本を書く段階で、すでにマリー・アントワネット役は、
キルスティン・ダンスト (ドイツ系アメリカ人)がはまり役と
思い描きながら書いていったので、現代的な王妃役と
しては清潔感が合って、とても良かったように思いました。

   Maryyard
      『プチ・トリアノン』の庭園で

撮影もフランスの全面的協力でルーブル宮殿をフルに使用
できたそうなので、宮殿内の内装と庭園の美しさなど本当に
豪華でした!! 特に、子供を産んでから『プチ・トリアノン』
という郊外に小さな宮殿をプレゼントされるのですが、その
郊外の草花のきれいなこと!! また、上の図版のように
天使のような少女が登場してきて、これだけでも絵の一枚
になりそうですね~ヾ(´ー`)ノ

高階秀嗣先生の『歴史の中の女たち』の中でも、マリー・
アントワネットについては同情的で、フランス語も勉強して
宮廷内で話せるようにしていたとか、問題になった大きな
ダイヤモンドなども陰謀説があるとのことで、彼女を悲劇
の王妃として書かれたように記憶しています。

女性の監督だけあって、女性好みにシルクのドレスや
色とりどりのスイーツやお花やモーツアルトの歌劇など
女性的な華やかさで表面的には全体を覆いますが、
監督が描きたかったことは、王妃が14歳という年齢で
異国の地へ嫁いで、宮殿の慣習の中での孤独な心を
表したかったのだと思いました。

それは「何不自由もなく暮らしている宮殿の中でさえ
孤独というものはあるのだ。」という女性の悲しみを
通して、女性の監督だからこそ描けたのだと思います。

最後に、民衆が攻め入ったときに、逃げずにルイ16世
のそばで最後まで付いていた彼女も偉かったと思います。
バルコニーから民衆に向かって、頭を下げた時には
ちょっと涙するものがありました。史実かどうかはわかり
ませんが、後半は結構悲しみに満ちていると思います。

ただ、やっぱり英語だったことが少しこの映画を軽く
見せていると思います。全部ではなくても王との会話
や舞踏会などへ出たときなど少しでもフランス語が
混ざるともう少し臨場感がでたのではないかと思います。

女性監督が描いたロックのバックミュージックで舞う
現代的な悲劇の王妃は、中々良かったです~☆

 

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2007/01/07

敬愛なるベートーヴェン@日比谷シャンテ

domenica, il sette Gennaio 2007
sono le ventuno e tre.

     Betoven
                        『敬愛なるベートーヴェン

昨日に続いて、今日も映画を観にいってしまいました。あまり
観たいと思う展覧会がまだ開催されていないこともあって、寒風
吹きすさぶ中でしたが、家からも近い日比谷シャンテで、
ベートーヴェンの音楽も聞けるし伝記も分かるかもしれない!と
思って観て参りました。

昨日観た『恋人たちの失われた革命』は革命シーンは激しい
のですが、後半は、静止画のようなスローモーションのように
ワンカットずつ静かに流れていくシーンが多かったのに対して、
今回は、交響曲「第9」がメインということで、オーケストラの演奏
やバックコーラスやベートーヴェン自身が火が吹いているように
怪演しているので、音楽と激しい演技の組み合わせで音量満点
の激しい映画でした。実際はウィーンをハンガリーの古都で撮影
しただけあって石畳や中世の家並みが大変美しく、その窓から
差し込む陽ざしが薄く柔らかい光で、フェルメールの絵を思わせる
ようにきれいな映像美でした。

      Vet01_1
       音符を清書するシーンも美しい~♪

ベートーヴェンは作曲しても乱雑に音符を書くため、それを
清書するコピーイストが必要で、その役を今回、素晴らしく
美しくも気高い女学生、アンナがベートーヴェンと一緒に
まさに"第9”の清書をし指揮も共にするというハイライトの
演奏シーンでは涙が止まらないほど、感動いたしました!

      Vet2_1
   
アンナが音やリズムを取って裏で指揮をする

耳が聴こえなくなったベートーヴェンの役をエド・ハリス
まるでベートーヴェンが乗り移ったかのごとく激しく指揮を
したり人をなじったりし、アンナ役のダイアン・クルーガー
もそれに負けじと慄然と対抗して、ベートヴェンの真の
音楽に触れるまで頑張りとおします。

「耳が聴こえなくても神の音が聴こえてくるので、
  それが魄の音となって作曲できる。神と私とは
  一心同体だ!」とか「音符の間に魄が入るように
  作曲しなくてはいけない。」と作曲家の卵のアンナ
に教えています。

晩年の耳が聴こえないときに天使のように現れたアンナが
私生活を通してもがきながらも神からのお告げがあるか
のように作曲をしているベートーヴェンの世話をしたりと
人間味溢れるドラマのような映画ですので、音楽に興味が
あってもなくて楽しめる映画だと思います。

そんなに混んでいないと思って、ギリギリに劇場に行った
のですが、一番前しか空いていませんでしたが、それだけ
ベートーヴェンの激しさと第9のコーラスを体中で受け留めら
れたので、映画が終わってからもしばし立ち上がれない位
でした。これからももう少しベートーヴェンを聴いてみなくては!
と思うほど、数々のバックに流れる旋律に酔いしれました。

☆また、同じく中世の映画では『マリー・アントワネット』も
1/20より公開されるようで楽しみですね~☆


        

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2007/01/06

『恋人たちの失われた革命』@写美

sabato, il sei Gennail 2007,
sono le vetitre e quattrodici

            Poster_250350
                    『恋人たちの失われた革命

新年から濃いフレンチ映画を観てしまいました。朝から冷たい
雨が降っていたのですが、3連休もあるので思い切って恵比寿
の東京都写真美術館で2日から上映している

         『恋人たちの失われた革命

を3時間にわたる長編映画ですが、観にいってよかったと
思いました。
主役は、『ドリーマーズ』で一躍注目された
ルイ・ガレルで、この映画の監督フィリップ・ガレ氏の息子
さんです。彫刻のような端正な顔立ちと、立っているだけで
絵になる20歳の美的でいて真の強さを感じさせる私好み(?)
の俳優さんです。

フィリップ・ガレ監督が若い頃に実体験された5月革命のシーン
で前半は占められ、若者と機動隊と燃え上がる車の炎、そして
ルイ・ガレルがパリの街中を逃げ惑うシーンも中々、臨場感が
あって楽しめました。古い石畳に屋根の上まで昇って隠れたり
一つ一つのシーンがモノクロ映像ゆえに、古いパリの街並みの
哀愁感を味わえます。

    Vsl01_2 
     ここが哀しいシーンになるなんて~!
     

その内に、革命も収まってお金持ちパトロンの家に、画家や
芸術家が居候しだして、ルイは詩人という繊細な役所を演じ
ていきます。やはり、監督の教え子だった若い女優さんが
恋人役になりますが、本物の彫刻家になるべく彼の元を
最終的には去っていってしまいます。

ハリウッドの映画に慣れている若い人たちは、そのワンカット
の長さにきっと飽きてしまうかもしれませんが、私はフランス
映画に慣れているので、音楽もピアノ・ソロで感情を交えて
ひき奏でるというスタイルがモノクロでしっとりとした映像に
合っていて、とても良かったと思います。

いろいろな賞も以下のとおり受賞しているようですが、
それよりも展開の速い今の映画に慣れている若い人たちに
じっくりと物を見つめることの大切さを思い起こさせてくれる
良質な映画なので見て欲しいと思いました。   

◎2005年ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)・
 オゼッラ賞(技術貢献賞)

◎2006年セザール賞 最優秀新人男優賞

 

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