giovedi, il uno nobembre 2007
sono le sette e sette di sera

もう11月に入りましたね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
私は以前に、今頃はロンドンへ行く予定にしていたのですが
結局、いろいろと気になることが重なって行けなくて残念
でした。漱石は100年前に英国へ留学していたそうですが
今回、両国の江戸博物館で
特別展「文豪・夏目漱石」-そのこころとまなざし-
を楽しんで参りました。
漱石の写真で分かるとおり、本当に美男子ですよね!
特に、奥二重がきれいで気品もあるし超優秀なので
日本の作家の中でも私は大ファンです~☆
現在は、TOEICの勉強をしているので、どうしても英文を
読まなくては、って感じでいるのですが、カナダのピアニスト
のグールドも漱石の「草枕」を愛読していた位、漱石の文章
は日本語はもちろんきれいですが、何か天才たちに共通する
「煌き」があるので、英文で漱石の本を読んでもきっと感じる物
が強いのかもしれませんね!
「草枕」の最初の出だしたが、また素晴らしいので少し
書き出してみますね。。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹されば流される。意地を
通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、
画ができる。
中略
越すことのならぬ世が住みにくければ、住みにくい所を
どれほどか、寛げて、束の間の命を、束の間でも住みよく
せねばあらぬ。ここに詩人という天職ができて、ここに画家
という使命が降る(くだる)。あらゆる芸術の士は人の世を
長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い。
ここから先もすごく良いのですが、長くなるので続きは
どうぞ単行本でも読まれてくださいね!芸術が好きな方は
お分かりになると思いますが、私達は日常の邪念を払い
に、美術館へ行ったり音楽を聴いたり詩の世界で浮遊
して、精神を清めるというか元気になりたいのですよね!
優秀な漱石でも人並みの人間関係に苦労していたかと
思うと不思議ですが、漱石の美しい文章に日本語は
優れた言語だ、と英語を勉強すればするほどそう思います。
さて、今回の展覧会は朝日新聞入社100年、江戸博開館
15周年記念ということで、展示品にもとても力がこもって
いるように思えて素晴らしく良かったです!
特に興味があったのは、1900年(明治33)、漱石が
英語研究のために2年間、英国へ留学していた時の
書物や美術書、または漱石が描いた絵を見れたこと
でした。
漱石は、当時、英国で人気があった美術雑誌、「STUDIO」
からハガキに模写して日本へ送っていたことは知っていた
のですが、それを実際に拝見できて感激でした!その頃は
ラファエロ前派が全盛期だったようで、漱石もお好きのよう
でした。確か、女性のヌードを模写していたことも聞いていた
のですが、それは展示していなくてちょっと残念でした~^^;
生活費を節約して、文学書や上記のような美術書を沢山、
購入していたようで、「漱石文庫」から数々の貴重な蔵書
を拝見し、漱石が英国文化に溶け込んで、熱心に勉強
していたのが感じられました。細かなメモ書きも添えて
あったりして、これではさすがに神経症になるかしら?
なんて大雑把な私は恐れ入るほど、小さな細やかな文字が
ノートに書かれてあって、100年前に一人で英国生活を
真面目に暮らしていたのが伺えました。

「鵞鳥(がちょう)を追う少女」 ミレー
山梨県立美術館
こちらのミレーの図版を観ながら、漱石が水彩で模写
していたのも展示してあり、それはとても上手な腕前で
驚く程でした!! 漱石は絵を描くのも好きだったよう
ですね!ますます大ファンになりましたよ~ヾ(´ー`)ノ
(二つの作品が同時に観れるのは11日までです)
漱石の展覧会は、以前、鎌倉の文学館で観ましたが
その時もなぜか穏やかな温かい気持ちに包まれた
のですが、今回も漱石の優しい眼差しの大アップの
写真に迎えてくださったり、漱石自筆のメモや絵を
拝見できて大満足でした!
「-そのこころとまなざし-」っていい題名ですよね。
まさに漱石の心と眼差しを沢山感じた至福の展覧会
でした。
会期は18日(日)までですので、こちらもぜひ~☆
最近のコメント