+2006年 文化・芸術

2006/12/29

2006年 美術展・映画・講演会 総まとめ!

Venerdi, il ventinove Dicembre 2006
sono le dodici e diciotto.

           Hakone_nikki_19
                      箱根ラリック美術館  庭園

先日、2006年 美術展 ベスト10 を発表いたし
ましたが、それ以外にもこの暮の忙しいときに思い返してみても
まだまだ、素晴らしい展覧会や講演会や映画などもありました
ので、総まとめとして下記にリンクさせて頂きま~~す(^o^)

本当は図版を使ったり解説もちょっとは付け加えたいのですが、
取り急ぎ、リンクだけですが張っておきます。皆さんのベスト10や
番外編もでましたら、お知らせくださいね(゚-^*)ノ 

         
■2006年 美術展 番外編

11.
ウィーン美術アカデミー名品展
12. モダン・パラダイス展 大原美術館+国立近代美術館
13. 特別展「仏像 一木にこめられた祈り
14.
山梨県立美術館 常設展
15. フランス近代絵画展
16. ピカソとモディリアーニの時代
17. パウル・クレー 創造の物語
18. 特別展 アインシュタイン 日本見聞録
19. ☆ 今田美奈子 お菓子と食卓のファンタジー
20.
富本憲吉のデザイン空間

■特別企画
1.
六本木ダ・ヴィンチ・ツアー☆池先生ご引率
2. アーティストユニット flugsamen展 (オフ会
3.
オランダ文化の400年展」 (Toshi館長 HP)
4.. 箱根アートツアー by ミズシー氏ご引率
5.. 映画業界裏方ツアー by すたさん(HP)ご引率
6.  三嶋 哲也 油絵展
(三嶋氏 HP)

■2006年 映画  
1.
風と共に去りぬ
2. ダ・ヴィンチ・コード
3. ニキフォル-知られざる天才画家の肖像
4. 美しい人 * Nine Lives @Bunkamura - Le Cinema
5.
THE NEW WORLD
6.
13歳の夏に僕は生まれた - Once you're Born
7. CASANOVA
8.
トリノ、24時からの恋人たち
9.
守護神☆Shugoshin
10.
イルマーレ ☆THE LAKE HOUSE ☆

2006年 講演会
1. ブリジストン美術館 土曜講座
    「
古都アッシジとウンブリア諸都市」池上先生 ①聖フランチェスコ
  
②ジオットとその周辺について - 池先生ご講演

2 日伊協会主催 (3回シリーズの2回目と3回目)
    ②-2
レオナルド・ダ・ヴィンチ II-② 『マギーの礼拝』 by 池先生ご講演 11/14
    ③-1レオナルド・ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』
   ③-2 レオナルド・ダ・ヴィンチ (最後の晩餐) by 池上先生

3. 「レンブラント・フェルメールの時代」小林頼子氏
4.  「フランス近代絵画とジャポニスム」高階秀爾氏
5. 記念講演会「私とバーク・コレクション」 村瀬実恵子 氏
6.  「キリスト教とギリシャ文化」シンポジューム@恵泉大
7.  バルビゾン芸術の歴史と遺産 - 井出洋一郎氏

8. 渋谷区松涛美術館 映画(Video)鑑賞会
   
ベルト・モリゾ、キャスリン・アドラーのインタビュー
  ②ベラスケス (Video)

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   ■2006年度 美術展 マイ ベスト10

  1. プラド美術館展  
  2. ニューヨーク・バーク・コレクション展  
  3. ルーヴル美術館展 I II 
  4. ベルギー王立美術館展 
  5. ロダンとカリエール展 
  6. ポーラ美術館の印象派コレクション展 
  7. 現代植物画の巨匠展-ボタニカル・アートのルネサンス II 
  8. クリーブランド美術館展  II  III 
  9. パウル・クレー展 -線と色彩- 
  10. 巴里憧憬-エコール・ド・パリと日本の画家たち展 II

          Houichi      

■2006年度 皆様のベスト10
美術散歩 とらさん
2.Megurigami Nikkiさん
Kenの美術館 Kenさん
弐代目・青い日記帳 Takさん
5.
つまずく石も縁の端くれ 一村雨さん
6.Museum a_go_go II イッセーさん
はろるど・わーどのはろるどさん

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2006/12/24

2006年 美術展 ベスト10

sabato, il ventiquattro Dicembre
sono le dicicinque e trentatre

    Apolo_1
     《竪琴弾きのアポロ》 (部分)
      ポンペイ考古学監督局蔵

       ベスト10以内には入りませんでしたが、
         本年度、観た絵(壁画)の中で一番印象
           に残りました。 『ポンペイの輝き』展

  少し早いのですが、本年度の美術展でマイ ベスト10
   を出してみました。今年も素晴らしい展覧会の数々で
   10位以内に選ぶのが大変な位でした。

   番外編で、20位までまた別に作成しようと思います。
   鑑賞会は講演会を含めて25回も開催させていただきました。
   ご説明してくださったご専門家の先生方やご一緒に観賞して
   くださった皆様、本年も心よりお世話になりましたことを御礼
   申し上げます。

 ■美術関連リンク先

  ☆
2006年 絵画鑑賞会 (Visiting Tour Club記録 全25回)
  ☆ +2006年 文化・芸術
   (拙美術記録)
  レオナルド・ダ・ヴィンチ (池上先生・拙記録)
 Leonardo専用ブログ

 日本美術展もメインは大体、足を運んでおりますが
  知識がないのもあって、あまりレポートを書いておりません。
  なので、どちらかというとやはり西洋美術に偏りますので、
  日本美術ファンの方には申し訳ありません<(_ _)>

 それでは、発表したいと思います!それぞれ、拙い
  拙ブログの記事へリンクを張らせて頂いております。

  2006年度 美術展 マイ ベスト10

  1. プラド美術館展
  2. ニューヨーク・バーク・コレクション展 
  3. ルーヴル美術館展 I II
  4. ベルギー王立美術館展
  5. ロダンとカリエール展 
  6. ポーラ美術館の印象派コレクション展
  7. 現代植物画の巨匠展-ボタニカル・アートのルネサンス II
  8. クリーブランド美術館展  II  III
  9. パウル・クレー展 -線と色彩-
  10. 巴里憧憬-エコール・ド・パリと日本の画家たち展 II


  宜しかったら、皆様のベスト10もお知らせくださいね!!

  皆様のお蔭で、  Floral Musée  も2年間以上も続いております。
  ブログを書くことで、なんとか美術の知識も少しずつついて
  参ったような気がしております。いつも仲良くして下さっている
  池上先生やブログやmixiの友人の皆様、本年も本当に
 いろいろとありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ

 鑑賞会では、天候が思わしくなくて、寒かったり暑かったり、
  嵐が来たりと自然には逆らえず、また、急な変更などをして

  ご迷惑も多々、お掛けいたしました。でも、日本いえ世界
  のいたる所でお知り合いが広がったことがとても嬉しいです。
  今年、お会いできた皆様もとても思い出深くて、お顔見知りに
  なれて、ただ、ブログだけのやり取りではないのでそれが
  一番大切なことではないかと思っています。

  また、来年のベスト10も書けるように、健康で美術館通いを
  続けらるよう、皆様ともこれからもよろしく お願い申し上げます~☆



 
      Angel_2_2
       もう一度、娘とぴく太さんからのクリスマス・カードで

        Merry Christmas to all of You!   

☆2006年 「総まとめ」ランクも書いております。

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☆ Ave Maria by Sumi Jo & Merry Christmas ☆

domenica, il venticinque Dicember 2006
sono le undici e venti.

         Murillo001_1
            『エル・エスコリアルの無原罪の御宿り』
        ムリーリョ、パルトロメ・エステバン
           1660-1665年  油彩

  今朝、「題名のない音楽会」で2000回記念(7)世界のクリスマス
  でクリスマス特集をしておりまして、昨日もAve Mariaの歌と演奏を
  生でたっぷりと楽しめたのですが、韓国ソプラノ歌手、Sumi Joeさん
  によるAve Mariaを聴いて、天使が空を舞っているような澄んだ美しい
  お声で素晴らしかったです~☆カラヤンからも「神からの贈り物」と
  絶賛されていたそうです。

 ☆Sumi Joさんの公式HPと歌声はこちらから↓
    
Voice from Heaven

   Sumijo_2
Sumi Jo: The Christmas Album [from US] [Import]


オーケストラのモスクワ・フィルハーモニー交響楽団の方々も
彼女が歌い終わったときに、感動されているような表情でした。

1月7日(日)の放送では、
フジ子・ヘミングさんがご出演される
そうですので、見逃せませんね!ちょうど、新日曜美術館と同じ
始まり時刻、午前9時からですので、忘れないと良いのですが。。

  今年の美術展ベスト10を今、選んでいるところですが、
 マリア様の絵では、プラド美術館展で観た上記の図版、
  ムリーリョの絵が特に美しくまた愛らしくて荘厳さも漂って
  おりましたので、掲載いたしました。

  家では、娘の急な到来で先日ミニ・クリスマス会を済まして
  しまいましたが、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では
  サンタさんの準備で忙しいですね~(^_-)-☆ 
  皆様も素敵なイヴをお過ごしくださいませ~☆゜・。・゜★

    

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2006/12/20

「オランジュリー美術館」 雨漏り! ヒェ~゚・(×_×)・゚゚ モネの絵!HELP!!

mercoledi, il venti Dicembre 2006,
sono le vetidue e trentacinque.

     Nymph2

     Nymph7_1
         モネ 「睡蓮」 大連作   オランジュリー美術館
  
     睡蓮を下記のページよりクリックをするとグルッと見渡すことができます↓
  
http://www.musee-orangerie.fr/pages/page_id19052_u1l2.htm
    

       Ora_mone_1 オランジュリー美術館
                          「『睡蓮』の間」 (図版共)

  19日、Asahi.com でひどい~ニュースが掲載されていて
    驚いたのですが、もう修理をしたのでしょうか~?
  以下、本文を掲載させていただきます。


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  名画にあわや大損害、改修後の美術館で雨漏り パリ

  今年5月に改修を終え、再オープンしたパリのオランジュリー
    美術館で雨漏りが発生、展示中の名画に損害を与えかねない
    事態となっている。カナール・アンシェネ紙がこのほど報じた。

  オランジュリー美術館はクロード・モネの「睡蓮」の連作で有名。
     2900万ユーロ(約45億円)をかけた6年超に及ぶ改修で、
     モネが望んだ太陽光を取り入れる窓を天井に設けた。しかし、
     再開直後から雨漏りが起き、同紙によると、一時はセザンヌ、
     ルノワールなど印象派の作品から約50センチしか離れて
     いないところに雨水が落ちていたという。

  同美術館では、展示場は閉鎖せず、雨漏り防止のためのシートを
     かけたり、作品を移動したりして対応している。(時事)
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  再開、直後から雨漏りがしていたなんて~信じられませんね~・゚゚・(×_×)・゚゚
     私は2年前に行ったときもまだ改修中だったので、観られなかった
     のですが、それにしても、もし水浸しのようになったら~~ってw(゜o゜)w
     人類の遺産ですよね~!早くまた改修を始めて欲しいですね!

  モネは壁画の制作中、1923年に白内障の手術をしたり、老齢などで
    心身ともに非情に辛かったようですが、このオランジュリー美術館に
    自然光が入る楕円形の展示室の壁面に、他の作品は展示しないで
    「モネの部屋」を作ることや死後に展示するなどの約束をして、最後の
    渾身の力を振り絞って8枚の大作を仕上げたとのことです。
   
    今年も美術展で沢山のモネの絵から美しいエネルギーを分けて
    頂いたように思います。モネの絵の中で、空の色、水の色、花の色
    大気の色、海の色、雪の色、家の色、人々の色、光の色、建物の色、
    橋の色、スカーフの色・・・様々な色に包まれて幸せに過ごせました。

  Mone_ohara_3
   「睡蓮」大原美術館

                   Suiren
                    「睡蓮」 ポーラ美術館

     Monet_4
     2007年4月7日~
           
国立新美術館開館記念
      大回顧展 モネ
         楽しみですね~☆      

     

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2006/11/26

『クリーブランド美術館展』 (3回目)@森アーツ  

domenice, il ventisei Novembre 2006,
sono le ventuno e quattrosei.

          Rokuhill_2
        ☆六本木ヒルズ - ミニツリー☆

今日は当初の計画から2、3展してしまいまして
結局、友人と森アーツセンターギャラリー(森タワー52F)で、
本日が最終日の


       『クリーブランド美術館展

を3度目(一回目: I, II / 二回目)ですが、見納めて
参りました。六本木ヒルズはそろそろクリスマス用の
イルミネーションが灯っていましたが、まだまだこれから
のようでした。

       Catalog_3
     - 図録-(ルノワール 《ロメーヌ・ラコー》)

最終日でしたので、一番混雑しておりましたが、やはり
なんと言いましても
2度目の時に、嵐の中をみなさんと
観賞した時が、まるで貸切状態だったので、落ち着いて
ゆっくりと観れたように思います。それでも、やはり、
モネ、マネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ドニ、ルドン、
ヴュイヤール、ピカソ、モディアーニ、ロダンの作品など
3度目でしたが、また、新たに観てみるとそれぞれの絵
から作家の心意気が語りかけてくるようでした。

実は、こちらのHPのプレゼントに応募して当選していた
のですが、中々、行く機会がなく最終日に友人と行けて
良かったです~☆ 

 年の瀬になると、「喪中」が届きだしますが
  今朝も親友の母が亡くなったとの知らせがあり
  今日ご一緒した友人はもうお孫さんもいますが、
  「私たちももうそんな歳なのね・・・。」と言い合い、
  人の一生の儚さを感じました。上記の展覧会は
  美しい女性達の肖像画が描かれていましたが、
  画家がいて絵にしたくなるような身近な女性が
  いる関係は、不思議な永遠性があるので素敵な
  ことですね~☆ 一瞬の美しい瞬間を写真では
  なくて画家の目から見てそれをキャンバスに描く
  ***時間***そして、その絵が時を経ても世界中に
  展覧されて、 また何かを伝えているようです。  

            Bonnard_1
                                 《デザート》
                  ピエール・ボナール
                  1920年頃
                
       ~ すでに亡くなっている若き頃の妻と
          ドニの息子の思いに馳せて描く ~

続きを読む "『クリーブランド美術館展』 (3回目)@森アーツ  "

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2006/11/06

来年早々に「オルセー美術館展」、続いて「モネ展」!!

lundedi, il sei Novembre 2006,
sono le mezzanotte meno mezo.

      Olsey
        「オルセー美術館展」 チラシ

昨日は、上野でVisiting Tour Clubの鑑賞会を
致しました。そこで見つけた「オルセー美術館展」と
下記の《モネ展》のチラシに印象派好きな方々が
集まっていらしたので大歓声でした~o(*^▽^*)o~♪

 「オルセー美術館展」は、来年早々1月27日より
東京都美術館で4月8日まで開催されるとのことです。

   Morizo
 《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》
   エドゥアール・マネ  1872年

  このマネの描いたモリゾの絵、実は大好きなんです!
  まだ、実物は観ていないので、来年早々、モリゾに
  合えるかと思うとすごくワクワクしてしまいます~☆
  このモリゾはあまりにモリゾの内面から描いているよう
  に受け取れるので、モリゾ自身が描いた肖像画だと
  ばかり長い間、誤解して思っていました。

      Mane
          
  こちらも記憶に新しい所ですが、先日も2回も
  観た「クリーブランド美術館展」のマネが描いた
  モリゾです。こちらもとてもモリゾに対して気持ち
  がこもっていますよね~☆ こんな風に若い頃に
  描いて欲しかったです~♪ 私も絵の研究所に
  いた時期が少しありまして、その時に先生から
  「モデルをやりませんか?」と頼まれて2度ほど
  退屈なポーズを取ったことがありました。あの時
  の絵はどなたか取ってくださっていたら嬉しいの
 
ですが・・・。それはさておき、マネはよっぽど
  モリゾに対しては思い入れがあったことは、この
  2枚の絵を観ても分かりますね~☆

 
それにしてもモリゾという女性画家はその当時は
  女性が絵を描くことはなかなか社会的に認められ
  なかったそうですから、自身の絵の中にその反抗
  精神がわからないようにメッセージ性を入れて
  描いていたことを今年の初めにビデオを観て分かり
  ました。女性の画家がもっと古代から認められて
  いたら、もっと違った様式なり絵画の動向も違って
  来たかも知れませんね。キュビズムなんてあまり
  女性は描かないかもしれませんしね。。モリゾやあの
  ユトリロのおっかさん、ヴァラドン辺りからだんだんと

 日の目を観るようになったので、実は女性画家の
  歴史は20世紀近くになってから社会に本格的に
  認められ始めたらしいです。

    Monet_2
        《モネ展》

 ご参加下さったMerionさんはオルセー美術館に
  ついてとても詳しいので、このモネ展にしても
  「オルセーから主要なモネの絵が貸し出されるので
   この時期にオルセーへ行ったらモネ好きの人は
   がっかりされるでしょう。」と仰られていました。
 確かに、チラシの後ろには、オルセーから5枚も
  貸し出されるように書かれています。

  六本木の新しい美術館 「国立新美術館」で
  4月7日から7月2日までちょうど春から初夏までの
  良い時期に《モネ展》が開催されるそうですから
  素晴らしいですね~~☆

    Garden_1
     庭のカミーユ・モネと子供》
               クロード・モネ 1875年
         ボストン美術館

  こちらの絵もカミーユと息子さんがお庭で戯れて
   本当に幸せそうですよね~☆ この絵も実物を
   観るのが大変楽しみです~!!

  この2枚のチラシを見つけて、4人で本当に興奮して
   何度も観にいかなくちゃ!と本当に絵が好きな
   人同士が篤くなれた一瞬でしたね~(^O^)

 

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2006/10/19

『巴里憧憬-エコール・ド・パリと日本の画家たち展』 モディリアーニ編 No.1

giovedi, il quindici Ottobre 2006,
sono le venti e diciassette

           Paris_1
巴里憧憬-エコール・ド・パリと日本の画家たち展

先月、山梨県立美術館へ行ったときに、常設展のミレー
の絵に感銘を受けてしまった
ので(拙記事)、中々、この
特別展について書けないでおりました。10月1日で本展は
終了してしまったのですが、Bunkamuraで22日まで開催
している『ピカソとモディリアーニの時代』(
拙記事)を
先週、特にモディリアーニの『母と子』を見納めて参りました。
2回目でしたが、この『母と子』は素晴らしくてしばらくその前
で魅入っておりました。色彩的にも造形的(絵ですが)にも
完成していたように思います。

      Mother_child_3
        『母と子』 
      モディリアーニ 
         1919年

その前に、山梨県立美術館でもモディリアーニの作品を
観られるとのことで楽しみにしていたのですが、やはり、
この『母と子』の完璧なモディリアーニの世界を見てしまった
からには、幼いジャンヌがまだ、あどけない少女の顔をして
微笑んでいるのですが、少々物足りなさも感じてしまいました。

     Modigliani_2 
          「少女の肖像(ジャンヌ・ユゲット)」
               アメデオ・モディリアーニ
                       1917-18年 

でも、ジャンヌはこちらの方が幸せそうな顔をして
座っていて、これから起こりくる現実の厳しさを知らぬ
お嬢様だったのでしょう。わずか2,3年後には、上記
のように1児を儲けて、お腹にも赤ちゃんがいたの
ですから、お母さん然としますよね~! こちらでは
ブルー系色を使っていてお互いにまだ知り合った
ばかりの初々しさを感じさせます。『母と子』の時は、
子供を抱いている手も大きく描いて母としての貫禄を
感じましたが、こちらのジャンヌはなんともまだ幼い
表情をしているだけに、再度、『母と子』を観たら余計、
胸が詰まる思いでした。

来年の4月からBunkamuraでまたジャンヌとの生活を
綴った展覧会があるようですね↓

モディリアーニと妻ジャンヌの物語展
モンパルナスに咲いた愛と悲劇

今日は、モディリアーニの絵についてだけになって
しまいましたが、まだ、特別展ではスーチン、ユトリロ
キーシンや日本人のエコール・ド・パリの時代の画家
たちについても後日、書いて見たいと思います。大変
よい絵が多くて、この展覧会は見応えがありました。
東京へ来ないのは残念ですが、エコール・ド・パリと
言いましてもあれだけ日本人の画家がパリに住んで
西洋画に対して一生懸命、学ぼうとしていたことや
やはりその中でも個性が光っていた藤田嗣治という
画家は、
日本人の中でも素晴らしい画家であったことが
分かりました。また、何時になるかわかりませんが
思い出しながら書いてみます。

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2006/10/11

『ベルギー王立美術館展』 2回目 - ブリューゲル・アートファミリー

mercoledi, il undieci Ottobre, 2006

      Poster_7

3連休も終わって、青空が広がっている東京地方ですが、
日曜日はまた、ブリューゲルの絵に合いたくなって、上野まで
出かけてしまいました。これは、まさしく絵の中毒症候群
とでも名付けたくなるくらい絵を観ていないと体が震えます~
なんていうのは嘘ですけれど、ブリューゲルやフランドル絵画
の素晴らしい名画の数々はそう見られませんから。。どうしても
心は上野です! 絵に恋しているとしか言いようがないですね!

               Catalog_1
                ハードカバー 「図録」

そんなわけで、二度目の「ベルギー王立美術館展」を西美で
見て参りました。一度目は、Toshi館長ご夫妻とご一緒させて
頂いて、素晴らしいご解説を伺うことができました(
拙記事)。
本日は、図録からと私の感想も付け加えて、ブリューゲル一家
の絵画だけ中心に書いてみます。

      Ikalos_1
         「イカロスの墜落」部分
         ピーテル・ブリューゲル(父)?

 ピーテル・ブリューゲル(父)については、以前もこちらで
暗さの文化論」 ご紹介したことがありましたが、その時も
「雪中の狩人」図版を見て大変不思議だけれどとても魅了
されました。なぜだか、彼の描く自然と人間が共存してい
る不思議さとそれが物語性を秘めています。16世紀はもっと
もっと自然が今よりも美しくて、人間も自然と一体となり寒くても
暑くてもそれなりに我慢できる体質だったのかもしれません。
きっと外で過ごすことも多いのでそれだけ大気やお日様との
関わりももっと体が享受していたのかも知れません。   

       Photo01_1
          「イカロスの墜落」
         ピーテル・ブリューゲル(父)?

ただ、自分の思っていることをつらつらと書いているので、
科学的検証とかその当時を計り知ることはできませんが、
今回、ブリューゲルの絵を観たり、その他のフランドル地域の
風景画なり植物絵画を観ても作家がその地方の光や大地や
海や植物や動物達に愛情を持って描いているのを感じます。
それは人間が一段、上にいるというのではなくて、すべてが
地球の上では、”一つ(一緒)なんだよ。”と言っている
ようなことが今回、感じました。

二度目に見たら、もっと細かい部分まで見ることができて、
本当にこの絵は面白い!! 相当傷んでいるとのこと
ですが、神話を題材とした、詩集『転身物語』から取られた
とのことで、それにしてはお話の内容と絵と合っていない、
と図録では書かれていました。でも、私はそんなことは気に
しないで、これはブリューゲルしか描けない!ということは
この世界はブリューゲルしかあり得ない、と本気で思います!

多分、推測ではこの絵はブリューゲルが晩年近くに描かれた
とも言われていますが、私はもうブリューゲルが自分の死が近い
ことを予測して描いたように思います。イカロスはブリューゲル
自身で自分が死のうが自然は永遠だし、家族以外他人はどうせ
自分の死など無関心なのが分かっていたのでしょう。といろいろと
勝ってに想像すると大変面白くなってきます! 大地と人と動物と
海と空を描いて、この世から消えて行くことを惜しみつつ、自分の
存在もちょっとは残って欲しいという現れが両足と片手から読み
とることができます。

ブリューゲルが残した人類への遺産は、自然を大事にして、もっと
人間も自然らしく生きることの大切さを教えてくれるかのようです。
私はすっかりと人口的な環境にどっぷりと浸かって生活をして
いますが、このような素晴らしい絵を観ることで、昔のたくましい
生き方を思い起こされて反省しきりですが、やっぱりPCの前ばかり
座ってしまいますね。。(矛盾(^_^;)

      Jan02
       《アブラハムと遺作のいる森林風景》
        ヤン・ブリューゲル

こちらは、ピーテル・ブリューゲルの次男のヤンが描いた
森林ですが、どこかで見たことがあるかと思いましたら
国立西洋美術館所蔵とのことでした。画面全体が森林ですが
空の色と葉っぱの細かい描写など繊細にして優美です。真ん中
で流れてくる川の水の色がそこだけ白く光っているようで女心を
掴む真珠の宝石のようです。遠くの山々に光がさして、冷気を
帯びた風が谷底からこちらまで吹いてくるようです。森林の持つ
独特の怖さと神秘性を感じさせてくれる美しい作品です。

            

         Jan
       《花飾りに縁取られたキリスト降誕》
       ヤン・ぺーテル・ブリューゲルに帰属

上記のヤン・ブリューゲルの次男が回りの花輪だけを描いたと
されているこの絵もとても素敵でした~☆ 花の画家と言われる
だけあって、本当に一つ一つのお花が精密に上手く描かれて
います。父のヤン・ブリューゲルと弟のアブラハムやパン・パプティスト
と同じようにヤン・ぺーテル・ブリューゲルも花の画家と呼ばれて
いたようです。もう少し時代が立つとゴテゴテと花数が増えてる
静物画が多くなりますが、この位のほうが花の色も混ざり合わない
で品が合って好きです。中央のキリスト降誕の絵は他の画家の手に
よるそうですが、なんとも豪華な取り合わせで、絵のサービス満点と
いう感じですね!!

もう少し書きたかったのですが、次回へまた。。
本当にブリューゲル一家は素晴らしい画家一族だったのですね!

 

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2006/10/08

「赤と黒の芸術 楽茶碗」@三井記念美術館

domenica, il domenica Ottobre 2006,
sono le nove e dieciotto di sera.

      Sky
        近美 2Fテラスから

今日はお天気が素晴らしく良くなったので、近美の
「モダンパラダイス展(拙記事:
1回目)」を2回目で
したが見た後に、日本橋三越にある三井タワー内
の三井記念美術館で、開催中の

    開館一周年記念特別展
   「赤と黒の芸術 楽茶碗

    Ticket_2 

  を観て参りました。実は、「プライス・コレクション展」
  や「風神雷神図屏風」展なども観にいっておりますが
  日本美術に関しては、良くてもどう表現してよいか
  分からず、レポートも何時も後回しで結局、書かなくて
  終わってしまいますので、今夜は3連休の中日なので
  頑張って書いて見たいと思います。

 それでも、本当の所、器物は、伊万里の白磁か備前焼
  位しかぴ~んと来るものがなくて本当にど素人です。
 そこで、会社のいつもお世話になっていますT氏が
  「器物を語らしたらこの人が一番でしょう!」と言って
  白洲正子さんのご本を以前から貸していただいており
  ましたので、彼女の意見を拝借させていただきます。

     Shirasu_1
                器つれづれ
         白洲 正子 (著) 

 内容(「BOOK」データベースより)
 死の直前まで掌に包み、唇に触れ、慈しんだ“もの”たち。
  その手塩にかけ、磨き、鍛えあげた「心の眼」を伝えたい…。
  ふだん使いの“器”150点と名随筆が奏でる“美”の交響曲。

 
 会場までは、専用のエレベータがありまして、初めて
  参りましたが、内装が超豪華で観に来ている方々も
  年配の方が多く、お着物をお召しになっている方も
  いらして、さすが~格調高い展覧会場と目を見張ります!

 HPの概要から。。
  楽茶碗は侘茶の大成者とされる千利休の創意を受け、
  京都の樂家初代長次郎によって始まりました。従って
  長次郎の楽茶碗は利休の侘茶が具体的な形になった
  ものといえるでしょう。樂家は桃山時代以来茶碗を
  造り続けている唯一の陶家で、当代は十五代目に
  当たります。樂家歴代の作品は茶の湯の茶碗が中心で、
  それぞれ作者によって特色が明らかです。この特別展では
  重要文化財を含む茶碗や水指、香合などが約80点出品
  されます。すでに江戸時代から有名であった樂焼の名品を
  充分楽しんでいただけることと思います。
 楽茶碗は「侘茶」の大成者、千利休の創意を受けて長次郎
  が造りはじめた茶碗です。すなわち長次郎の茶碗は利休の
  提唱する侘茶の思想、美的意識が具現化したものといえましょう。

           Chojiro
       長次郎の技をつくした黒楽茶碗の逸品

      重要文化財 黒楽茶碗 銘俊寛 長次郎作
             三井記念美術館蔵

 このような長次郎作の黒楽茶碗がショーケース内に
  たくさん展示されていまして、皆様が真剣にご覧に
  なっていました。

 白洲正子さんの文中内で、楽茶碗についての注釈です。
  豊臣秀吉が聚楽第で作らせた焼きものを、聚楽第の
  「楽」をとって「楽焼き」と呼ぶ。作ったのは長次郎
  (瓦職人だったという)という男、指導に当たったのは
  千利休である。ロクロを使わず、手びねりで作られた
  円満な宙をつつみ込むような形の茶碗だ。黒楽、赤楽
  と大別される。抹茶をのむのも最も敵した茶碗だと
  言われる。長次郎の跡継ぎは、代々「楽」を姓とし、
  楽家は現代までつづいて楽茶碗を作ることを家の業
  としている。
   著者はつねづね長次郎の「無一物」という銘の茶碗
  を天下一の茶碗だと語っていた。

  何しろ16世紀の作品などは、あまり艶がないのですが
  きっと、長洲さんのように見る眼を持った方が今日のような
  展示会に行かれるとどこがどう良いのか分かるのでしょうね!

 

       Raku
        赤楽茶碗  銘 銘鵺 道入作
         三井記念美術館蔵


 やはり、わたしはどちらかというと赤楽の方が
  色が渋いながら何かまだ分かるというかこちら
  なら、触ってお抹茶を頂いてみたくなるような
  暖かさを感じます。
 
  HPの解説で、「鵺」とは源頼政が紫宸殿上に
  退治したという伝説の怪獣である。とありましたが
  怪獣がその頃いたようですね~♪ そのような
  いわく付きのお茶碗なら尚更、親しみが湧きます。
  現代に近づくほど、色気も少しまして良さが少し
 ずつ分かったような気がしました。

 -------------------------

  感想といいましてもこれ位しか書けませんので、
  白洲さんの本で、とても素敵なお写真を2点、
  掲載させていただきます。
  撮影は、藤森武氏です。

                      Book_6
              伊万里白磁桜花形皿

          Seiki
      ガラスの水差し二種
  絵は、黒田清輝筆 『樺山常子(著者の母)像』

 このご本をもう3ヶ月近くお借りしているのですが
  器物の写真を観ていると心が落ち着いて中々
  返却できないでおりました。こちらでご紹介できた
  ので、もうT氏にに返さなければ。。著者の実直な
  ストレートな物言いは今の日本で、一番足りない
  力強さを思い起こさせてくれます。展覧会より
  このご本の紹介のようになってしまいましたが、
  日本の文化の奥深さに何も感想が書けない自分が
  ただ情けないです。

                         *******

でも、同館7Fの「ミュージアム・カフェ」の抹茶パフェは
600円にしては、手作りの抹茶寒天など量もちょうど
良くてお勧めです~☆ なぜか鎌倉か京都のカフェに
いるような雰囲気がして、落ち着けてここだけ寄っても
いいような和カフェでした。

    Machapafe

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2006/10/01

ベルギーの聖母子像 from Seedsbookさん

saboto, il uno Ocotobre 2006,
sono le venti e trentatre.

            Img_1300_32

東京で、『ベルギー王立美術館展拙記事)』を開催中
なのもあって、ドイツ在中のSeedsbookさんより、ベルギー
の中世の街へ行かれたとのことで、トルネーとブルージュ
にある聖堂内の聖母子像や天使やステンドグラスの画像
を送ってきてくださいました<(_ _)>とても素敵なので、こちら
に紹介させていただきます。

      Img_13042

私は聖母子像とか天使が好きなので、とても嬉しかった
です~☆ 
Seedsbookさんのお写真は、ブログに掲載
されていてもいつも素敵ですが、何かやはり生まれつき
アーティストの方って被写体が浮き上がってくるようで
普通の人が撮るのとは、全然違いますね~☆ どれが
どこのお写真かちょっとはっきりとしていなくて申し訳ない
のですが、Seedsbookさんが中世の街へ行かれたレポート
旅、ドライブ)を書かれていますので、それもあわせて、
皆様もしばし中世の世界へ訪れてくださいませ~。

      Img_13402_2
 抜けるような青い空に、街角にマリア様と
       イエスの彫像が自然と合いますね~♪

         Img_13362  
   カトリックの影響を街角にも感じられて、幾たびの
    戦乱を見守ってきたのでしょうか・・・。

    Img_1191_22_1
 15世紀のゴシック建築の一角に聖母子像は
  ひっそりと佇んで、フランドルの激しい領土
  争いから破壊されないでいたようですね・・・。

 
   St_salvatorkathedraal3_1
  St.Salvatorskathedraal 救世主大聖堂 

  ブルージュ
     リエージュから直線にして15キロ、ウルト川沿い
     に道路で60キロほ ど南下した場所にある
     “世界で一番小さな”古代からの町。緑深いウルト
      渓谷にすっぽりと包まれるようにしてデュルビュイ
      の町はあります。  絵本のような、人口500人
      足らずの世界で一番小さな町。グルメの里
      としても有名。 (
ベルギー観光局

 Img_1299_22
          ノートルダム寺院
 
 受胎告知のシーンのようですね。

  トゥルネ-
 
ベルギー最古の町。これまでに、フランス、英国、
  スペイン、オランダ、再びフランス、そしてオーストリア、
  またフランス、オランダの領地となり、ベルギー建国(1830年)
   とともにベルギーの都市になりました。メロヴィング朝を
  興した初代フランク国王クロヴィスが生れたのはこの町で、
  そのためトゥルネーは「フランス揺籃の地」とよばれ、市の
  紋章にフランス王家の百合の花があしらわれています。
  中心にはロマネスク様式の壮麗な大聖堂と鐘楼が屹立し、
  街並に歴史的な雰囲気が保たれています。15~16世紀
 
にはタペストリー、18世紀には磁器の生産によって栄え
  ました。人口7万。

 ノートルダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame
 美しい5つの塔をもつ12~13世紀の大聖堂。
  ベルギーで最も重要な大建造物の一つです。
  長さ134m、幅66mもあります。身廊と交叉部が
  ロマネスク様式、内陣がゴシック様式。
  ステンドグラスも素晴らしく、また6世紀の

  初代司教聖エルテールにまつわるタペストリー
  や遺物も必見です。2000年にユネスコ世界遺産
 に登録されました。(
ベルギー観光局

      Img_11804

 Seedsbookさんのブログから分かりますとおり、まだ
 中世のままの建物がそのまま残っていて密かに
 過去から現在までの生活を守り抜かれているのを
  観ることができます。フランドル地方の激しい領土
  争いなどから18世期の絵画はほとんど失ってしま
  っているそうです。ですので、今回の展覧会でも
  15~17世紀までありますが、それからいきなり
  19世紀の作品と新しく変わっていますよね。
  ブリューゲルの作品だけでも戦禍を逃れていて
  良かったように思います。Seedsbookさん、歴史や
  長い伝統を感じさせるベルギーの街角のお写真を
  送っていただいて、とても嬉しかったです。これで
  また、絵画をみるときも新たな感慨を持てそうな
  気がしております。

 

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