今年の美術の展覧会はすごい!!
私は昨年から美術館へ通いだしているので
それまでのことは良く知りませんが、自分
が観た範囲だけでも新しい分野の絵画が
東京へどんどん押し寄せているのであります。
私の中では、「ラ・トゥール展」、「ルオー展」
「ルーヴル展」、「フィリップス・コレクション展」
「モロー展」に続き本日の午後に参りました
「プラート美術の至宝展 -
フィレンツェに挑戦した都市の物語―」
も素晴らしくて新しい絵画の世界へとまた開眼
させられたしまったようです。

*美術館入口
図録
今までも、ゴッホの「ひまわり」が展示してある
「損保ジャパン東郷青児美術館」には気になる
展覧会があったのですが、今回、初めて42Fまで
昇ってそのまま天にでも昇るかのような崇高な
イタリア芸術に触れることとができ感激しました!

<プラート(サント・ステファノ)大聖堂主要礼拝堂>
フィリッポ・リッピは、1452-65年に、ここに
《聖ステファノデン》《洗礼者ヨハネ伝》の
壁画を制作した。
いつものとおり、初めての絵画分野に触れたときは
Angel Seriesの一環として、天使や天女のように
美しい絵画をご紹介したいと思います。また、あまり
キリスト教のバックグランドがないので、この
「西洋絵画の主題物語 I.聖書編」から文章を
引用させて頂いたのと、図版は図録から撮らせて
頂きました。
美術出版社
プラートのイタリアでの位置は、同じく本日(10日)
行かれたMegurigami Niki様の感想文に地図が
掲載されていましたので、ご確認くださいませ。
(Niki様、もしかしてニアミスでしたかしら?)
フィリッポ・リッピについてカイエ様が面白い
お話をブログでご紹介して下っていましたので
ちょっと親しみ感を持って対面したのですが、
どうしてどうして大きな作品で奥から輝く光や
マリア様や彼の恋人(禁断の?)と言われた
聖女マルゲリータなど女性のお顔は素晴らしく
きれいに描かれていて、何度も何度も自分の顔
をガラスに摺り寄せて観ていました。少々、痛み
は激しいようでしたが、マリア様を囲んでこれか
ら被昇天していくのが緊張感とともに感じられる
素晴らしい作品でした。 このような作品をアジア
地域で観ることができるのは今後の芸術分野に
末永く貢献できると思うほど稀有なご到来と言って
いいかもしれませんね。これから、広島と岐阜へ
巡回するそうですので、地方の方もぜひご覧
下さいませ。本当に貴重な西洋絵画の原点を
観ることができるチャンスです!
図録から:
フィリッポ・リッポがプラートで制作した重要な
作品の一つである本祭壇画は、プラートの
アウグスティヌス会のサンタ・マルゲリータ修道院
に由来し、二人の天使が支えるマンドルラ形光背に
座って被昇天する聖母が、自分の「聖帯」を使途
トマスにわたす所を周りの聖人と天使をともなって
描かれています。この作品は約10年間にわたり
複数の弟子の手により完成に至りました。

《身に着けた聖帯を使徒トマスに授ける
聖母および聖グレゴリウス、
聖女マルゲリータ、聖アウグスティヌス、
とピアスト天使》
(部分)
* マリア様が美しいのでアップして見ました。
いつも美術関連では大変お世話になっています
池上英洋先生もオープンニングに行かれて
イタリア美術のご専門家なので感想文には、
「これだけのプラートの作品がよく来た!」と感心
されるほど本当に希少価値の高い展覧会のようです。
私が一番気に入った絵を図版で掲載されていらし
たのも嬉しかったです。この絵の前に立った時は
あまりの美しさに身震いがしました。

《聖母子と幼き洗礼者ヨハネ》
ラッファエリーノ・デル・ガルボ
このトンド(円形)画はとても観ている者に
安定感を持たせますね。リッピの弟子の
ガルボはリッピの工房でこのトンド画の
制作を自発的にして、15世紀にフィレンツェ
で大変流行したそうです。聖典を記載する
本を持つのが幼子イエスで、イエスの話相手
として小さな皮のトゥニカと杖状の十字架を
持っているのが洗礼者ヨハネです。(図録)
色合いが全体的に調和が取れて美しく
この作品は特に神々しい輝きを放って
いました。クリスチャンでなくともこの絵の
前では心洗われ敬虔な気持ちになります。
☆これから先は図版と題名だけで解説は少しずつ
書いて参りますm(*- -*)m それから、あまり
長いとシステムがストレスを起こして編集できなく
なるので恐る恐る書いておりますが、できるだけ
ここで更新していきたいと思います。

《聖ユリアヌスをともなう受胎告知》
フィリップ・リッポとフラ・ディマンテ
《聖母子》 1420年頃
彫像成形のテコラッタ
ドナテッロ作のように記しましたが、池上先生より
下記のようなご指摘がありました。貴重なご意見を
本当にありがとうございます。
☆池上先生より
ドナテッロと記事にある作は「Seguace di Donatello」
によるものなので、「後継者あるいは追随者」である
「周辺の作家、近くにいた作家」による作品です。
本浮き彫りは、フィレンツェで個人注文用に素焼き専門と
する工房から生み出された最良の崇拝用タペルナクル
【元来は聖体(キリストの体と血に見立てて聖別された
パンとぶどう酒)を保存する小建物を差すが、聖書像の
彫刻や聖画像を置くために設けられた壁龕である。】
の一つとみなすことができる。(図録より)
このような浮き彫りの彫刻というのは初めて観ましたが
しっかりと向かい合う母子とそれを見守る二人の天使が
(きっと聖人だと思いますが。。)まるで生きているように
温かみを感じて思わず、像を触りたくなりました。
私などと比較しては申し訳ないのですが、息子が赤ちゃん
の時、私の胸元に手を入れて甘えることがよくありました。
娘はなかったことなので、イエス様もこのように男子として
聖母マリア様の胸元で甘えるしぐさをしていたのかと思うと
身近に思えてきたりします。
ドイツに在住のSeedsbook様よりテコラッタ情報を
教えていただきましたので、掲載させていただきます。
貴重な情報をありがとうございました。
教えて頂いて、とても嬉しかったです!
記事中にあるようなテラコッタはやはり
イタリアでしょうか。 ドイツやドイツ近辺国では街角
や家の角壁などに聖母子像などの石彫が組み込
まれていたりします。いつかそんな写真を集めて
みてもいいですね。イタリア、スペイン、ポルトガル
などでは陶器やテラコッタの像を見かけますが、
元来のテラコッタは多分北欧では凍るために痛み
やすい事と思います。大まかに言って北よりも
南ドイツのほうがカトリックは強いので、生活の中に
より宗教色は現れているようです。

《身に着けた聖帯を使途トマス
に授ける聖母》
ルドヴィコ・ブーティ

《聖ヨセフと幼きイエス》
マりオ・バラッシ

《祈りの聖母マリア》
サッソフェッラート
とても穏やかな表情のマリア様で東洋的な
雰囲気も漂って何か観音様のような静寂な
気品さも感じました。
聖母の表情を輝やす優しげな微笑から
《マーテル・アマービリス(愛すべき聖母)》の
名でも知られてきた本作品は、本名ジョヴァン・
バッティスタ・サルヴィの人気作品でも質の高い
異作である。これは、幼子イエスを礼拝する
聖母マリアが描かれている。
この画家は、抜群に洗練された色彩や明晰
な量感といった様式的特徴から、17世紀の
優れた画家とされている。また、イタリア宗教
改革の絵画の「真のイコン」となったローマの
サンタ・サビーナ聖堂の《ロザリオの聖母》を
はじめ、数々の作品を制作して大きな成功を
収めた。この作品は、同聖堂に元々設置して
あったラッファエロの作品に替えて置かれる
ようになった。(図録より)
また、少しずつ解説を付けていきます(*- -)(*_ _)
よろしかったら、再度ご訪問くださいませ。
(2回目の感想文)
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