杜若 - 夏の篆刻文字を楽しむ!
先週末は、久しぶりの高潤生先生の篆刻教室がありました。
今回は、夏の季語を扇子や団扇に付けて、篆刻遊びをしましょう、
という企画で楽しかったです。
高先生が墨で絵を書き添えて下さいました。「杜若」という文字を
選んで団扇に刻印しました。
国宝『燕子花図屏風』展
尾形光琳
先月、根津美術館の光琳作『燕子花図屏風』を観てから、同館庭園内に
咲いているカキツバタの風情が印象に強く残ったので、今回は「杜若」の
文字を選んでみました。
拙い根津美術館鑑賞についての記事は、こちらです。
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「ぱなし」の小冊子から高先生の興味深い記事をご紹介したいと
思います。
懐中雑誌「ぱなし」の5月号に掲載されていた高先生の「墨書」です。
記事から一部、抜粋させていただきます。
中国の『三泰記』という漢代の書物に、中国の黄河上流に
竜門という激流が連なる滝があり、毎年の晩春に多くの黄色の
鯉が集まり、竜門登りに挑む。竜門を登ったとたん、天火に
しっぽを焼かれてしまい、それに耐えられたら、やっと龍になれる、
と書いてある。
上の墨書は甲骨文字の「龍」。自然の風雨に大きく生活を左右
される古代人は、龍を神として崇拝し、龍王廟が各地で建てられた。
中国の歴代の帝王は、みな龍の子孫と名乗り、宮殿や服飾にも龍の
模様が施されている。
中国では、子供が立派に成長してほしいという気持ちを込めて、
多く名前に「龍」の字を入れている。ジャッキー・チェーンの漢字名も
「成龍」(龍になる)だ。
「鯉のぼり」には、人生という流れの中で遭遇する難関を鯉のように
突破し、立身出世して欲しいという願いが込められている。親の子を
想う気持ちは日本も同じだ。
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「鯉のぼり」は元気な子に育つように、という意味だとばかり思って
いましたが、数々の苦難を乗り越えて、出世して欲しいという親の
気持ちがあることを今回、初めて知りました。「龍」のイメージも断然、
変わって、風雨をあやつるなどの絶大な神力を備えた伝説上の
動物であることなども知れたことは、大きな収穫でした。
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高潤生先生が主宰される「かな篆刻 東方篆刻研究会」では
「第十回東方展」が、下記のとおり開催されるそうです。
伊勢市では大活躍の高先生と会員の皆様の展覧会を
お近くの方は、ぜひご覧になってくださいませ。
第十回東方展は、6月10日~13日伊勢市生涯学習センター
(イセトピア)一階ホールで開催します。
会員達の新作を80点展示します。また10メードルに及ぶ
合作篆刻作品「日本料理文字絵巻」も同時に展示します。
篆刻体験コーナもあります。
一年中、制作とご指導に忙しい高先生は、東京まで教えにいらして
下さって感謝申し上げます。
次回は、8月7日と真夏ですが、「残暑見舞い」用の葉書きに付ける
印を造るそうです。どうぞご興味ある方は、見学だけでもお教室に
いらしてくださいませ。
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