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2010/06/02

『Manet ― マネ 紳士か反逆者か』☆マネに夢中!

         Manet_olympia00    
                  ≪オランピア≫
                 エドゥアール・マネ
                     1865年
                

  先日、「ニッポンが19世紀パリになる!印象派名画大集合」連動企画のご紹介
の企画内で、NHK番組 「巨匠たちの肖像」をハイビジョン映像化したスペシャル上映会で、
     『Manet ― マネ 紳士か反逆者か
丸ビル・ホールで見て参りました。

 国立新美術館3階講堂でもイベントの一貫として6/6まで印象派に関わる
画家6人の映画が開催されています。スケジュールはこちらのページから↓

http://www.nhk.or.jp/artbs/event/

 今回のマネに関する内容は、映像、音楽、解説が優れていて、先日の
高橋明也氏のセミナーとともにマネについて、これで大分いままでよりは、
よく理解できたように思います。

           5126ojq3jjl__sl500_aa300__2

        「もっと知りたいマネ―生涯と作品
           
高橋 明也 (著)  

 もう一度、高橋明也氏のご著者も振り返って読み直してみました。
最後のページに「日本におけるマネ」と題して書かれています。
明治中期以降に、日本は欧米の絵画事情に急いで追い付くために
情報収集を急ぐあまり、アカデミズム絵画をようやく習得できた頃には、
それ以降、印象派から現代画まで急展開の波に追い付くことが
精一杯だったため、その中間に位置するマネを理解するには、あまりに
マネの絵が深く広かったので、一般の美術愛好家にとっても、難解に
感じると思れる、と私達が抜け落ちた欧米の優れた画家達をご紹介して
下さって有り難いです。

             Img_event_01

  上映会では、先着順にかわいいピンクのエコ・バックを
頂きました~bag  

  今回の上映会でのマネについて印象に残ったことを拙いながら
書いてみます。私の思い入れも入っているので、受け取り方は様々
かと思いますのでご了承くださいませ。

  まずは、タイトルとうり  『マネ 紳士か反逆児か』 
ということで、マネのサロンに対する挑戦者としとての視点が強めに
描かれているように思いました。

       Manet_herbe00

              ≪草上の昼食≫
               エドゥアール・マネ
                 1863年

     Manet_herbe02b_2  

            『パリスの審判』
            ライモンディ作
          (ラファエロの下絵に基づく)

               Manet_herbe02c

                   右下拡大図          

 
  オルセー美術館所属の「オランピア」や「草上の昼食」について
ティツィアーノやラファエロの下絵を基に構想を描いたことなど図版を
用いていて、素人目にわかりやすかったです。マネご研究者の方は、
左下にある衣服は、現実の女性が衣服を脱ぎ棄ているという斬新さを
表すように加筆したことに注目されていました。

 当時サロンは、新しい画家達の様式を廃除する旧体制のままだったので、
マネは娼婦のような裸の女性をわざと描いて画壇に挑戦し続けたようです。

 また、写真技術の発達から今までと同じような肖像画を描いていては、
画家は太刀打ちできないと思い、新しい様式に変化させなければ、これからの
画家にとっても死活問題に繋がる、と当時の古い美術体制に対決姿勢を
示したようです。

 マネは高級官僚の息子で、恵まれていたこともあり、食べるために描くと
言うことはなかったことや、マネ自身が奔放な性格だったこともありますが、
自分の主張することは最後まで押し通していく勇気があった画家と言えます。
自分は批判をされても今後の画家仲間のためになるような業績を残して
行きたかったのかもしれません。

      Portra1

             ≪ステファヌ・マラルメ≫
               
   1876年

  また、現代のパリの街を撮るマネ好きの写真家が登場して、
 「マネは写真を撮るように一瞬の表情を捕らえて、絵を描いているので
写真家のような画家だ。」
と話していました。

 写真の瞬間的な事物を捕らえる構図、ベラスケスの肖像画から学んだ
人物の内面性を鋭く捕らえる表現力、都市のもつ近代的にドライな雰囲気、
鑑賞者をも画面に引きこませるような暗示性と神秘性など、マネの世界は、
古典と近代の文化が混在し結びつけられ、内面性をも閉じ込められた深い
世界だったようです。

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             ≪フォリー=ベルジェールのバー≫
                     1882年

 また、晩年に描いた
  ≪フォリー=ベルジェールのバー≫
について、実際にアトリエ内にモデルや静物を配置して、フランス人で
現在、活躍されている画家によって同じように描いて見せます。鏡に映る二人
の人影の角度が違うこともマネの動きを想定し、新しい描き方も面白く取り入れ
描いていく過程が見事に証明されていて、大変面白かったです。

 マネの「黒」についても普通の画家は、影に使うのに、マネは、
「黒」にいろいろな色を少し混ぜることによって華やかな「黒」に主体性を
齎して描いている、と実際に、パレットに絵の具を混ぜて描いて見せて
くれました。

 マネの研究者達は、「この絵にマネの好きな物が全部、描きこまれている
最高傑作だ。」と褒め讃えていました。

マネ研究者の方々は、マネに対して尊敬と愛情を感じているのがコメントを
述べる時の表情からも分かりました。

tvBSハイビション プレミアム8 「巨匠たちの肖像」で再放送されます。
[Manet ― マネ 紳士か反逆者か]
6月10日(木)AM10:00 - 11:30[再]

ブルジョワ紳士が、なぜスキャンダラスな画壇の反逆児になったのか?
パリに生きる都会人の欲望と空虚さを描こうとしたマネの苦闘を見つめます。

               0401
               ≪すみれの花束をつけたベルト・モリゾ≫   
              1872年   

  また、モリゾの曾孫さんが出演されて、
   「モリゾは、胸の奥底で、本当はマネを深く愛していたと思いますよ。」
とつぶやくように言われた時は、モリゾが代弁したように聞こえて、
胸が一瞬つまりました。

 私はやっぱりマネの描いた作品では、シンプルな中にモリゾとの
秘めた情愛とマネが絵を描いている時の息使いまでも感じて
マネの本音に触れることができるようで、一番好きです!

 こちらのモリゾは、
三菱一号館美術館 開館記念展 <I> 『
マネとモダンパリ』展
7月25日まで開催されていますので、ご覧になれます。

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