高 潤生先生 『篆刻教室』 - 「水仙」
『水仙』
2月になってから、東京でも寒風が吹く寒い日が続いています。
それでも、昨日は、高潤生先生の篆刻教室がありましたので
冷たい風もなんのそのという感じで、お茶ノ水のお教室で「篆刻」
をお習いして参りました。
今年になってから、先生の地元の三重県でご講義を持たれたり
コラボレーションで作品展を頼まれることが多くなられたそうなので
東京へは、2ヶ月に一度だけ教えて頂くこととなりました。
私は、お花シリーズの作品を作り続けてきたので
今回も大好きな『水仙』の文字を篆刻いたしました。
高先生が最初にデザインして下さった『水仙』↑の
文字もすっきりとしてとても素適です。『水』という文字は
古代は、川の流れのような線だけだったことを、高先生が
お持ちの中国の漢字辞典に掲載されていて、大変興味
深くその漢字の変遷を知ることができました。
今回のテキストは、「黄士陵(1849~1908)」の印文字を
お習いしました。直線で先端を尖らせるのが特徴で、文字
の間の空間を同じように空けたデザインのようです。
「書は人なり」 → 書は人の性格が現れる
という黄士陵印をご紹介して下さいました。
古代の文化人は、本名は家族間だけで呼び合いますが、
一般の人達からは、あざな(字)で呼ばれていたそうです。
これは、本名をあざな(字)で解釈しているという貴重な
お話を伺いました。
朱文は、下線の周りから彫っていくので、大変細かくて
微妙な力が要ります。細かい部分は、先生に最後に
ブラッシュ・アップしていただきましたが、『水仙』のスーと
した姿と水の流れを表現できて、自分でも気に入りました。
水仙は、中国古来のお花で、旧正月には、水仙やミカン
のお花を飾って祝う伝統の「祝い花」とのことです。
水仙は、
「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」
という中国の古語で言い伝えられたそうです。香りが豊かなことと
美しい姿に加えて、水の豊かな山里でよく生育することから、まるで
「仙人のよう」と言われて、「仙人」と名付けられたそうです。
今年の冬は、あまり水仙がお花屋さんでも見かけられませんが
やはり、豊かな山里が減ってしまっている影響でしょうか?
自分の手を使った作品を仕上げた瞬間は、古代の人達と握手を
したような豊かで文化的なトキメキを感じることができます。
高先生は、4月には、現代の陶芸家の方達7人と名古屋
の東櫻ギャラリーにて、コラボレーション作品展が開催され
る予定です。高先生は文字アートの現代印作、かな篆刻、
書を出品されますが、其々の陶芸家の方達が、陶器作品
(小さな「骨壷」も)を出展されるというユニークな企画展です。
先生もお寒い所を遠くから教えて頂いて、ありがとうございます。
次回は、桜も散り始める春(4/17)になりますね~
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