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2009/01/06

「ピカソとクレーの生きた時代」@Bunkamura☆ ピカソの女性たち

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    『20世紀のはじまり - ピカソとクレーの生きた時代
                           @Bunkamura

クレーの絵が観れるというので、初日の2日、Bunkamura ミュージアムにて
早速、観て参りました。来週の土曜日(17日)に、アートテラー とに~さん
とクレーについてイベント↑を開催することもあるのですが、クレーの色彩
の美しさには魅了されていましたので、楽しみにしていた展覧会でしたshine


一昨年の川村美術館の膨大なクレーの絵と、Daimaru ミュージアム
での『線と色』の美しいクレーの世界を期待していたのですが、ただ、
壁にズラーと展示しているだけで、少しがっかりでした。確かに、
その部屋に入った途端、色彩の美しさにホワァ~とした暖かな陽気
に包まれましたが、クレーについての解釈らしき展示ではなかったです。
それにしても、クレーのなんと色合いが美しいのかとますます魅了され
ましたが、また、次回、クレーについては書こうと思っています。


○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:* 

本展では、ピカソの絵が6点、展示してありまして、中でも恋人の絵が
3点もありましたので、色々なピカソに関する本から調べたことなども
少し書き添えて、拙いながらご紹介してみたいと思います。

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恋する西洋美術史」 (光文社新書 384) (新書)
 
池上英洋 (著)

 概略: 恋愛―それは人類の長い歴史を通じて、私たちの人生に
 とって常に重要なものであり続けた。画家たちの恋愛事情、奔放
  な性的エピソードに溢れた神話、人類の恋愛の諸相を捉えた、
  新しい角度からの西洋美術史。

こちらの本は、昨年の暮れに、いつもお世話になっております
池上英洋先生がご上梓されました。中でもピカソについては、
「最も愛し愛された画家」として副題が付けられているほど、ピカソの
女性関係については強烈に描かれています!

そのほかの画家やギリシャ神話に纏わる神々の恋愛についても
大変分かりやすく書かれてありますので、美術に興味ない方も
西洋絵画とともに画家の私生活も知ることができるので面白いと
思います。特に、絵のご解説はさすがにご専門家らしい見解で
素晴らしいです。西洋美術史の流れも自然に分かるようになって
いますので、お薦めの一冊ですsign03

★さて、ピカソ様の恋愛についてですが。。。

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         『フェルナンドの肖像』
           パブロ ピカソ
            1909年

20世紀の初頭、ピカソがパリへ出てきて、最初に付き合った女性は、
同年齢のフェルナンド・オリヴィエです。セザンヌの影響で、ブラックと
ともにその様式を追求し始めた初期キュビズムの作品が、こちらの
フェルナンドの肖像画です。フェルナンドとは1904年から1909年まで
関係を持ち、最初の頃は、『薔薇色の時代』(1904–1906)では、女性
らしく描かれていて素敵でした。しかし、次にエヴァとピカソは付き合い
始めてから、フェルナンドとの関係も終わりに近づいてしまった頃の
絵のようです。ピカソの絵がだんだんと売れて出し、お金のある生活
になってから、二人の関係がギクシャクとしだしたそうです。

池上先生の上記の本によると、フェルナンドはパリへ出てきた
ばかりのピカソにとっては母親代わりだったのでは、と書かれて
います。

-----

もう一冊、ピカソについて詳しく書かれた本をご紹介します。

   Untitled_2    

  『女たちが変えたピカソ 』(中公文庫) 
  
木島 俊介 (著)    

概要:
二十世紀最大の画家ピカソ。だが彼の作品の多くは、今日まで
数々の謎に包まれた「わからない美術」であった。ピカソが生涯
描きつづけたものは何だったのか―著者は、最新の研究成果を
踏まえつつ、大胆な推理を試みる。ピカソの女性関係を軸に、
九三点の作品を通して芸術創造の軌跡を辿り、ピカソの実像を
解明する、刺激的美術論。

こちらの本は、どちらかというとピカソが女性を愛することで、
より創作活動が活性化
できるというような側面を描いているので
若干、ピカソ擁護論にも見えますが、この本を読んでピカソの
絵を観ると面白いように解ってきました!

☆ ☆ ☆

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            《鏡の前の女》
              1937年
             パブロ・ピカソ

 エヴァがガンで亡くなってから、ロシアバレエ団の踊り子で
貴族出身のオルガ・コクローヴァ -と知り合い結婚をします。
当初は、上流社会を楽しむピカソでしたが、その内にオルガ
との生活に窮屈さを感じ出し、ある日、パリのデパートの入口で
17歳のギリシャ彫刻のような顔立ちをし、豊満な容姿をしている
マリー・テレーズを見初めて愛人関係に入ります。

しかし、またマリー・テレーズが女児を出産すると母になった
彼女が疎ましくなりだします。上記の絵は、ブルーが基調で
窓辺に射す日の光が眩しいほどでした。マリー・テレーズも
母親のように満ち足りた雰囲気がして、とても落ち着いた
よい絵のように思いました。この絵には圧倒されるようでいて、
ピカソのマリー・テレーズを観る優しさが伝わってくるようでした。

また、マリー・テレーズと知り合ってから、スペイン魂が炸裂
したような強烈なミノタウロス・シリーズや画家とモデル・シリーズ
のような美しくギリシャ的な神話も題材に版画を描くなど精力的に
ピカソはこの時期が一番、制作上輝いていた時期である、と
上の木村氏は強調されて書かれていました。確かに、そう言われて、
画集などを見ると分けがわからなかった獰猛の絵もピカソが
若いマリー・テレーズとの愛情を本能のままキャンバスに描いて
いたことが解ってきました。

池上先生はよく画中にある鏡は「ヴァニタス、はかなさ」の象徴
である、と度々、教えてくださいましたが、ここにも鋭角な線
で切り取られ、燃えるような赤で色付けされていて印象的でした。
彼女はとても奔放な少女で愛らしかったのに、母親になった
途端にピカソは、別の自立した芸術家のドラ・マールへ気が
移っていきます。結婚しているオルガもマリー・テレーズの
出産を期に、ピカソと別居に入りますが、終生、離婚には
同意しなかったそうです。それというのも、オルガが慰謝料を
財産の半分ほど要求したので、ピカソも離婚ができなかった、と
上記の木村氏が書かれていました。 

           

             2
         《ひじかけ椅子に座る女》
             1941年
            パブロ・ピカソ

上の平和そうなマリー・テレーズの絵を描いた1937年の後半には
第2次世界大戦が勃発し、ピカソは大作《ゲルニカ》を描きました。
その戦争の暗い時期にドラ・マールとつき合っていたこともあり、ドラは、
《泣く女》という有名な絵にも描かれています。当時は、一般の人たちも
戦争の悲惨さでよく泣いたことなどを彼女の肖像画の上に、多面的な
幾層にも重なり合った面で顔が描かれて、泣き叫ぶという強烈な
イメージが出来上がっています。

ドラ・マールは、写真家でもあり画家でもあったので、芸術家的な性格
が強かったようですね。とてもスタイルもよくて才気に満ちていたので
たちまちピカソが彼女の虜になったようです。写真で観てもきれいな
人なのに、このように描かれてはたまりませんが、ドラはピカソに
その後に見捨てられても、ピカソの絵を大事に保管したり、時には
売ってみたりとピカソの性格を嫌ってはみても、才能からは離れられ
ないような苦しい精神的な生活を生涯強いられたようです。  

多少、金銭に固執していた性格だったのですが、よくよくこの絵を
観るとドラの個性が伝わってくるようです。確かに、ピカソは内面も
描いていると思います。残酷だけど!

その後は、孫の年のような画学生、フランソワーズ・ジローと出会い
一男一女ができたのですが、彼女も画家で才気溢れる聡明な女性
だったようなので、彼女からピカソの元を去っていったそうです。
ジローも写真で観ると美しい人で、アメリカに渡って画家として成功
したようです。ピカソとのことを書いた私小説があるそうなので、今度
はそちらを読んでみたいです。

そして、最後に2番目の奥さん、ジャクリーヌと南仏でどちらかというと
引きこもりのような生活を奥さんにさせられたかして最後はあまり
よい絵は描いていないような終わり方でしたが、91歳まで生き抜いた
ピカソは本当に豪放で20世紀を代表する芸術家でもあったわけです。

私は今まで、あまり画家の私生活は覗いたことはなかったですが、
ピカソに関する本を読めば読むほど、ピカソの絵が解ってきて、
当時、付き合っていた女性たちの心理まで透かして伝わってきます。
ピカソの絵が解らないと思っている方は、ピカソの女性関係を知る
ことで何を言わんとするかが解ってきますので、ぜひ腹が立っても
読んでみてくださいね(笑)。これは、20世紀における私たちが醜い争い
が、欲得で動いていく社会をピカソの絵に合わせてみると、私たちを
映し出している実態なのかもしれません。ピカソで現代史を教わった
ような面白い感慨を持ちました。

長々とお付き合いくださった方、有難う御座いました<m(__)m>

         

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2009年 美術と芸術」カテゴリの記事

コメント

自分もお正月に予習のためにBunkamuraに行ってまいりましたhappy01
『ひじかけ椅子に座る女』は日本人がイメージするピカソの画風って感じですよね。
Juliaさんの仰ってる絵への感想、かなり共感です。
『フェルナンドの肖像』は割とピカソっぽくないと言うかまだ固い感じがします。

が・・・

正直に言うと、クレーの方が印象に残りました(笑)

投稿: ∀ブースカ | 2009/01/06 23:23

Bunkamuraは、今週末にでも行こうと思っています。

そして、行き機会がなかった、<ガレットリア>にも行こうと考えています。ただ、男性が1人で行くのは、ちょっと抵抗があるのですが・・・coldsweats02

でも、dogのネタにもなりますし・・・。

投稿: えこう | 2009/01/06 23:40

ブースカさま

いつも拙ブログをよく読んでいただいているようで
感謝いたします

>自分もお正月に予習のためにBunkamuraに行ってまいりました

おぉ~そうだったのですね!!
お待ち合わせをすれば良かったですね~(*^_^*)

>Juliaさんの仰ってる絵への感想、かなり共感です。

本当ですか!!嬉しいです!
少しばかり女性の視点に立って書いたつもりですが。。
というか、もうちょっとピカソに対しての怒りもなくはないのですが木島氏が書いていることを読むと納得させられて、ピカソもそれじゃーしょうがないか~なんて妥協しちゃったわけです~happy01

>『フェルナンドの肖像』は割とピカソっぽくないと言うかまだ固い感じがします。

はい、まだキュビズムに対して実験の段階で、フェルナンドの顔が分析的キュビズムとかいう立方体の塊として描かれているそうです。でも、この肖像画は、どちらかという晩年のピカソの顔に似ているので、不思議ですね!

が・・・

>正直に言うと、クレーの方が印象に残りました(笑)

確かに、やはり色彩の明度が輝いていて、素晴らしいですね!作品数としてはもう少し欲しいところですが、また、この週末もえこうさん↓とご一緒してきます!

やっぱり、クレーの絵は魅力があるので、また観たくなってきますlovely

投稿: Julia | 2009/01/08 00:17

えこうさん

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。

>Bunkamuraは、今週末にでも行こうと思っています。ただ、男性が1人で行くのは、ちょっと抵抗があるのですが・・・

はい、週末、ご一緒しましょうね~good
最初は、少し物足りなく感じた展覧会ですが、
あとからジワジワとあの絵もよかったなぁ~と
想い出してきて、特に、クレーの絵はもう一度
観に行かなくっちゃ!と思ったところです。

>でも、のネタにもなりますし・・・。

お帽子とマフラーも編みましたので、良かったら
使ってくださいね~dog

それでは、週末、アートツアーでよろしくお願いします

投稿: Julia | 2009/01/08 00:27

とりあげてくださってありがとうございました。

今年もよろしくお願いします。

投稿: ike | 2009/01/08 10:29

ピカソもクレーも好きです。昨年のピカソ展は残念ながら観られませんでしたが、「ピカソとクレーの生きた時代」は、兵庫に巡回してくるのを、今から楽しみにしています。

池上先生の「恋する西洋美術史」、何軒か書店を当たりましたがどこも売り切れで、まだ手にしておりませんweep

アマゾンで注文しようかしら・・・

もう一冊の本も面白そうですね。

ご紹介ありがとうございます~happy01

Juliaさん、今年も何かイベントに参加出来れば・・と思っていますので、よろしくお願いいたしますsign01

投稿: ダン | 2009/01/09 16:45

>池上先生

新年おめでとうございます。
コメント、ありがとうございました

先生のご新刊、面白くて電車の中で読むと
ニヤニヤクスクスとしてしまうのですが、
後半もピカソ顔負け、すごいです(゚O゚ ;)
池先生はさしずめ21世紀のピカソでしょうか!!!

本年もいろいろとよろしくお願い申し上げます

投稿: Julia | 2009/01/10 08:39

ダンさんshine

ご家族のお写真入りお年賀状、ありがとうございました。お子様たちの笑顔がすごくかわいらしくて、
特に、ヒロ君、抱きしめたくなりますね~heart04

私はいつも遅いので申しわけないのですが、松の内には
着くかと思います(*- -)(*_ _)ペコリ

>、「ピカソとクレーの生きた時代」は、兵庫に巡回してくるのを、今から楽しみにしています。

ダンさんも二人の作家がお好きとのこと、嬉しいです!
先日、観に行ったときは、現代作家たちの絵にもう一つな感じでしたが、また、クレーの絵が観たくて今日も
これから、えこうさんとご一緒します!!
ダンさんも兵庫でお楽しみにされてくださいね!
ピカソの作品も光っていて素敵ですよ~lovely

>池上先生の「恋する西洋美術史」、何軒か書店を当たりましたがどこも売り切れで、まだ手にしておりません。
アマゾンで注文しようかしら・・・

それがおよろしいかもしれませんね!
先生にお合いできれば、直筆サインのご本を
お送りするのですが。。
本当に面白くてタメになります!

>もう一冊の本も面白そうですね。

はい、かなりピカソを研究されていらっしゃるし
文学者なので文章も素晴らしいです。

>Juliaさん、今年も何かイベントに参加出来れば・・と思っていますので、よろしくお願いいたします

ダンさんのご参加を心よりお待ちしておりますE:heart]
私も今年は一度位は、古都へ出かけたいです!!
ダンさんご一家も本年もどうぞお元気でご活躍くださいませ。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: Julia | 2009/01/10 09:00

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