2008年 美術・芸術

2008/12/26

「セザンヌ主義展」&とに~さんのトークイベント@横浜美術館

     
       081115_banner_cezanne      

 23日の祝日は、「とに~の美術館へ行こう!」 のトークショーが
あるので、横浜美術展へ行って参りました。

         091223
        ゲームの変遷を力説するとに~さん

 友人のMさんと待ち合わせていたのですが、京急に乗ったところ
羽田の方へ曲がってしまい、会場へ10分の遅刻です(滝汗)coldsweats02

 内容は、前回の品川での『アートテラー お笑いの会』でも上手に
メモ取りをしてくださったともみすとさんのメモを引用させて頂きます<m(__)m>


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 今回は「格闘ゲームの歴史でわかる西洋近代美術史」と銘打ってのお話。
(1)ERカンフー & 印象派前
   画面が暗い・室内を描いている

(2)ストリートファイター2 & 印象派
   室外で明るい画面、光の表現が発達、服装にこだわり

(3)侍スピリッツ & ジャポニズム
   日本的な表現、近景と遠景の表現

(4)バーチャファイター & セザンヌ
   3次元的表現、複数のカメラアングル→多視点


  ----

最初のリアルゲームでは、ゲームをしたことがないおば様が
お相撲役をされて、張り手で勝っていたのですが、次の人に
代わったら負けてしまって、場内、割れんばかりの笑いで
楽しかったです!最初のゲーム画像は、確かに平面的で動きも
ぎこちなくて暗い画面って言うのを、絵画で比較すると、印象派前
のアカデミックな落ち着いた絵になる、というのも解り易いですね!

セザンヌの初期の絵も宗教的でひどく暗い絵を描いていた、と
聴いたことがあります。

最後のゲームは、バーチャーファイターで、実際に描く人たちが、
格闘技をし体がボコボコになりながら描いたので、動きにリアル感
が出せ、登場人物たちに躍動感を演出できたそうです。


        Seibutsu_3_thumb
        セザンヌ 静物画
      (ルーヴル美術館で撮ったかもしれません?
      こちらは展示していません)

 セザンヌも同じように静物画を描く時は、リンゴをじっくりと見て、
なめてみたり、またじっと見る、と行った観察行為を繰り返すことで
実物感を出せる絵が描けるようになったそうです。

セザンヌの絵が当初、暗かったので、印象派のピサロがセザンヌを
郊外の自宅へ招き、一緒に写生を描いている内に
明るい色彩に変
わっていくようになったと、どこかで読んだことがあります。

 ゲームでは、リングアウトなどの飛び跳ねる場面を3次元の世界で
描くことができ、それが革命的に後々のゲームの発達を牽引して
いったそうです。

 セザンヌの描く多視点で物を立体的・造形的に描く画法が、
後のブラックやピカソのキュビズムへ続き、その後の画家たちへも
多大な影響を及ぼすようにになって行った、とゲームと合わせて
観客によく分かるように、とに~さん流に解説して下さいました。

 わが愚息もよく格闘ゲームをしていましたが、まさか、セザンヌの
絵の様式と照らし合わせるような奥深い意味が隠されているとは!!
あぁ~面白かったです!! アートテラー とに~さんは横浜では
ちょっと緊張しているように見えて笑みが少ないですが、私たちに
絵とゲームを結びつけて一生懸命にそれこそ格闘しながら、お話し
している姿に好感が持てました~
lovely

 そのあと、Mさん、ともみすとさん、えこうさんややすまるさんたちと
展覧会を観てきました。思ったより観客が多いのと、絵の数も140点
展示してあることから油絵の匂いがかなり強く感じました。

展覧会の題は、「セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼讃」です。
とに~さんのトークショーを聴いてから観たので、セザンヌの様式
の変遷などがよく解りました。

         Seznnu_2 
       「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」
                セザンヌ
                 1904-06年頃 ブリジストン美術館蔵 常設

 セザンヌの絵は、正直申しまして、海外の美術館で観た作品や
ブリジストン美術館やプーシキン美術館にあるサント=ヴィクトワール山
クラスの傑作が展示してあるかと思いましたが、そのほかの
国内外の優れた作品の方がどうも光って見えるほど、セザンヌの
作品がどちらかというとお手本に近い絵が多いように思いました。

もちろん、静物画の一つ一つの果物の造形美というのは優れて
おりますが、何かこれっと言われると、もう一つインパクトが小さい
ような絵が多かったのは少し残念でした。メトロポリタン美術館蔵の
《ガルダンヌ》の造形美が持つ風景画もよかったのですが、
セザンヌが死ぬまで絵筆を放さず描き続けた努力家の作品群としては
全体的に少々、物足りない感慨を受けてしまいました<m(__)m>

 それでも、安井曾太郎 《婦人像》、岸田劉生 《静物》、意外な所で
佐伯祐三 《パレットを持つ自画像》など日本人の作家が素晴らしくて
友人のMさんも感激していらっしゃるようでお誘いしてよかったです。

絵の変遷について、それぞれの画家と対比して丁寧な構成なので、
とても分かりやすくよい展示方法に見えました。

 また、所々に、現地の映像も映し出されて臨場感を持つことができ、
その現代的な映像美も美しかったです。

 そして、セザンヌのアトリエが大きく写真で引き伸ばされて壁画の
ようになっていたのは素敵でした。

 そのアトリエを保護する運動を最初に着手したのが、ジェームズ・
ロードというアメリカ人の自伝作家で、『ピカソと恋人ドラ』という本
の中に書かれていました。フランス人は美術品を保護することに
あまりお金を出したがらないので、アメリカの政府が基金を募って
セザンヌのアトリエを守ってきたそうです。そういえば、モネの家も
アメリカ人の大勢のファンが基金を募って保護したことを思い出し
ました。なんだか自国の文化を他国のお金で守るというのも奇妙
ですが、何かその辺も文化の違いが面白いですね!

        Kicx3696

 そして、展覧会を観終わってから、みなさんとで8階の展望室へ
行きましたら、とってもきれいな横浜の夜景が~shine

その展望室はデザイン・ルームのようで、とても現代感覚が
溢れていて、癒し音楽をバックにシトラス系に少しフローラルな
ローズの香りも漂って、デートに来るのはちょっと最高かもsign03




    Kicx3692    Kicx3689

 えこうさんのドルチ君はみんなの人気者で、本当にかわいい~heart
いい大人がって思うけど、本当にぬいぐるみがいると周りが和んで
優しい雰囲気になれます~note 

 その後はランドマークの豪華なクリスマス・ツリーをチラッと見て
桜木町の鳥専門店でとに~さん取り巻きメンバーと忘年会をしま
した。いつものアート仲間の人たちと違って、すごい元気で本音
ズバズバ!!ちょっとぴっくりでしたが、なんだか盛り上がって、
2次会まで珍しくお付き合いしちゃいました~beer

 横浜は土地が広々としているせいか、なんとなくゆったりとして
のんびりとできますね~happy01 とに~さんと皆さん、本当に楽しい夜
をありがとうheart04

 ご一緒してくださった皆さんの笑顔しか浮かばない位、よく笑った
横浜アートお笑いディでした!! また、次回は品川に来年の1月
17日に『アートテラー とに~ お笑いの会』で楽しいとに~さんの
パフォーマンスがご覧になれます!! ご興味ある方は、どうぞ
いらしてくださいね~heart04

                           

 

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2008/12/25

Happy Christmas!☆森田先生のクリスマス&マリア様のようなF姫☆

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         ショーケース@資生堂パーラー

Happy Christmasheart
今夜はクリスマス・イヴですが、今年は例年になく銀座の
クリスマス・イルミネーションなども寂し気です・・・。

それでも、銀座の資生堂パーラーにあるクリスマス・ツリーや
ショーケース内のデコレーションは本当に美しくて、つい足が
止まって魅入ります。

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        イエス誕生場面@星美短期大学

 先日(12/13)、星美短期大学において森田先生がご出演された、
イタリアの音楽とクリスマス」と題したミニ・コンサート&講演会
を拝聴したときに、短大の玄関に展示してありましたイエス誕生時
の飼葉桶シーンを撮りました。携帯なので、画面が小さくて残念
ですが、東方三博士が尋ねてくる所が臨場感ありますね!

 森田先生のお話しによると、イタリアではあまりクリスマス・ツリーは
飾らなくて、イエスの飼葉桶を13世紀頃から、主に子どもたちに見せるために
展示するようになったそうです。生誕劇もヨーロッパの中世に始まったようです。
日本では、1560年大分県で初めて聖史劇が上演され、続いて山口県で
聖書が日本語に訳されて教会などで、キリストについて勉強会が始まった
そうです。

日本では、クリスマス・イヴだけ騒ぎますが、イタリアではイヴの夜から
25日の朝にかけて3回のミサが行われ、25日の日没まで降誕祭として
祝っています。最初は、ローマで不滅の「太陽神の祭り」が、
紀元274年12月25日にキリスト教のお祭りになっていったようです。   
      

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 森田先生のお歌はイタリア語の曲が多く、先生のバスがよく
会場内に響いて素敵でした~(*^_^*)
第一部は、アヴェ・マリアなどクリスマス曲3曲を含む全7曲でした。

 第2部は先生がイタリアで過ごしたクリスマスの想い出やルネサンス
からバロックに至るまでのミサ曲を聴かせて下さいました。特に、
300年前のキリエ作曲 のミサ曲が荘厳で素晴らしかったです。
3回ミサがある内、真夜中のミサの時に、このような美しい響きの
ミサ曲を流すようですね!会場の皆さんも聞き惚れていらっしゃる
ようで、とても敬虔な祈りを誘うような音色を拝聴できて感激でした。

また、プッチーニ作曲《ラ・ボエム》のオペラを若きホセ・カレーラス
が若者の役で、クリスマス・イヴを若い女性と楽しく過ごす事になる、
という最初のろうそくの火を灯すシーンをDVDで見せていただき、
とてもよかったですshine

 そういえば、先日も『RENT』というミュージカルを母と観に行ったの
ですが、若い女性がろうそくの火をもらいに男性の部屋に入って
いく現代版《ラ・ボエム》のようで、そちらも印象的なシーンでした。


 そのほか、クリスマスの起源やクリスマス・ツリーのルーツなど盛り
沢山のお話しで楽しく拝聴させていただきました。中でもイエスズ会
の神父さんの下で、クリスチャンではないけれど、キリスト教のお勉強
をされているときに、神父さんから
『私も神の教えを少しづつ階段を登るように勉強しているけれど、
貴方も専門である音楽を一歩一歩階段を登るように上へ向かって
精進されてください。』と訓えてくださったお言葉がとても胸を打ちました。

そして、こんなに生産的で我先にと押しのけていく世の中ですが、
クリスマスの時位静かに家族で平和な時を過ごすことが大事なのでは?
と仰っていました。森田先生こそお歌を含めて神父様のような温厚な
お人柄な方なのでは、と感じ入るほど心が温まるクリスマス・イベントでした。

   shine shine shine

      Giotto_adoration
                 Adoration』
                   Giotto


 最後にですが、今年は初めてジョットの作品が日本へ到来しました。
天使が沢山飛んでいるのがジョットの作品の特徴です。マリア様が
イエスを抱いて崇拝しているようです。

 クリスチャンではなくても今夜から明日の朝にかけては、ただ、ケーキ
やご馳走を食べるだけではなくて、何か目に見えない神に感謝をしたい
ですね。

 今日は、以前からの友人で、韓国にお嫁に行かれたF姫が、赤ちゃんと
ご一緒に東京へ里帰りをされたので、ミルクを上げたりしてあやしたりと、
なんだかおばあちゃんになって孫を胸に抱いているような不思議な幸せ感
を感じました~heart

 とてもしっかりとした赤ちゃんで、異国の地でもF姫を守ってくれそうな
逞しい息子さんでした!きっと、すくすくと彼女の下で育っていくことと
嬉しくなりました。いつの時代も母親と幼児という関係は、何か神秘的
で純粋な愛情に満ちていて素晴らしいです。マリア様のようなF姫に
合えて素敵なイヴの日を過ごせましたlovelyshine 

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2008/11/24

線の巨匠たち@藝大美

        Ahm      
線の巨匠たち――アムステルダム歴史博物館所蔵 素描・版画展

秋晴れの3連休中日は、紅葉の木々で染まった上野へ行って参りました。
今日は、非常に素晴らしい素描展を観て心から満足して幸福感に包まれました。

残念ながら藝大美の展示は、24日、明日で終了してしまうとのことですが、
これから長崎のハウステンボスへ (29日~)と巡回するそうです。

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   フランチェスコ・サルヴィアーティ 
     《目を閉じる女性》 
                 1540年頃 

オランダは、アムステルダム歴史博物館に所蔵してある版画と素描
から主要作品を展示しているそうです。最初に、こちらの女性の素描
をマイミクさんのところで大きく観た時からとても強く惹かれました。
レオナルドが描いたアンナを優しくした感じがしますね~shine

そういえば、レオナルドの板絵が見つかったことで26日(水)夜、
フジTVベストハウス123 21:0022:48で、池上先生がご解説されるそうです。
詳しくは、
先生のブログ

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    ピーテル・パウル・ルーベンス
     『寝そべる若い女性』
      1632年

ルーベンスの素描は、やはり素晴らしいです!!
何気ないポーズでこちらを見ている女性の視線が
実物のようでドキッとさせられます。スカートの衣装が
膨らんでいるところがなんと自然に描かれていること
でしょう。

今回のチラシやポスターになった『若い女性を抱く男』↑
も女性を透明にして面白い作品でした。ルーベンスが描く
線の持つ柔らみや暖かさが、人間的な優しさを追求して
いるようにも思えました。

 
        
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      レンブラント・ファン・レイン
          『十字架降下』
            1633年

 レンブラントの版画も素晴らしくて鳥肌が立つようでした。
 キリストがちょうど十字架から降下させられている図像で
 上からの光線が敬虔さをさらに高めています。ほかにも
  数枚レンブラントのエッチングや銅版なども展示してあって
 レンブラントが版画では高い評価を得ていたというのが判る
  ほど緻密なうえに芸術的にドラマチックな要素が観ている人
  をその世界へ惹き込ませます。

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     ヤン・デ・ブラーイ
      『歌う少女』
       1650年

  大変小さな素描で実際はもっと緻密に描かれています。
   すごく細かい線で顔の陰影や衣服の襞の線がきれいに
   繊細に描かれています。少女が本番前に緊張しているのか
   ちょっと青ざめている表情にこちらまで緊張感が伝わってきます。
   右手を少し上げてリズムを取っているようですね。何か生き写し
   のようで、作家の娘でも描いたのでしょか?小作品なのに、絵の
   中の力で吸引されてしまうようなすごい迫力を感じました。

   Dsc_2012

      アンドレアス・ヌヘルフハラウト
       『凍ったか川面にある冬景色』
           1850年

 近代に近くなると少し色味も増して明るい絵になってきます。
凍った路面でスケートをしたり遊んだり何か仕事をしたりと
人々が賑やかに冬を楽しんでいる様子が現れていて好感が
持てる一枚でした。私はオランダの室内の風俗画よりブリューゲル
一家のような風景画の方が健康的で好きです。クリスマス・カード
で使いたくなるような絵柄で絵葉書を何枚か購入しました

    Dsc_2013            

     パウトロメウス・アステイン
      『チューリップと毒蜘蛛』
         1660年

 鮮やかな色彩のチューリップが目を惹きました。
  毒蜘蛛も足の一本一本まで丁寧に描かれています。
 トルコ産のチューリップの球根をオランダが輸入して
  世界中に広めていったそうです。そのカタログの表紙を
  飾っていたとか?解説に書かれていました。今から300年
 以上も前にこのような斬新なチューリップが咲いていた
 ことにちょっと驚きです。植物画のような描き方で、毒蜘蛛は
  何を意味するのでしょうか? 

その他にもアントニー・ファン・デイクの『ヤン・ブリューゲル(父)の肖像』
緻密な肖像画などどれもこれも見ごたえ十分な素描が多くて、
かなりじっくりと観て参りました。このようないい展覧会は画学生さん達を
無料招待して学ばせるべきではないかと思うほどでした。

章や年代など考えずに印象に残るような順番でご紹介
させていただきました<m(__)m>

元々、画家の素描の線が好きなだったこともあって
今回のような質のよい展覧会はもっと開催して欲しいと
思いました。さすがに藝大美術館だけありますね!!

 

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2008/11/05

「ミッドタウン・ガーデン」&「ピカソ展」&「アネット・メサジェ展」 六本木 No.2

martedi, il quattoro novembre 2008
sono le vintuno e quaranta

   Dsc_1991 
          

1日の続きですが、「イル・ヴィゴーレ」を出まして、ミッドタウン
に向かう途中、すぐ左手にミッドタウン・ガーデンがあります。
下記でご紹介した安藤氏の設計
  <21_21 DESIGN SIGHT
も公園中ほどに位置し斬新なデザインが光っています。

     Dsc_1996

そのミッドタウン・ガーデンでは、石の彫刻が数点、展示されて
いました。

http://www.tokyo-midtown.com/jp/designtouch/garden.html 

INADA Stone Exihibition> は、ちょっとユーモラスで
ユニークな温かみのある石の彫刻が数点設置されていて面白いです。
カメラの絞りの設定が良くなかったのか、彫刻と公園の写真がよく
撮れていなくて、がっかりでした~coldsweats01
会期は、11月5日(水)までとのことです。


お天気がよくて芝生も丁寧に手入れされ、噴水のある小川も流れていて
散策すると気持ちがよかったです~☆

    Dsc_2003 
     東京ミッドタウン   

===
   

   Pss1 
   
 《自画像》             
  1901年 油彩/カンヴァス

 それから、「サントリー美術館」で開催されています
巨匠ピカソ 魂のポートレート」展を観てきました。

 フランス国立ピカソ美術館が改装しているので、世界中に
同館にあるピカソの絵を貸し出しているそうです。日本では
国立新美術館とサントリー美術館の2館で同時展示されて
います。

  皆さんのブログを読むと、2館に分けなくてもよかったと
書かれているコメントを多く目にしましたが、私はまだ
「サントリー美術館」だけですが、作品数が少し少ないことと

時代ごとに分けるならもう何点かでも作品があれば理解
できそうな気がしました。

  ピカソという人は本当に豪放で精力的に絵を描いたり、
私生活も女性遍歴は嵐のようでしたが、私は純粋にピカソ
の絵はやはりすごい生命力が溢れていると感じています。

 特に「母子像」や人物画などはしっかりとした確かな線で
ストレートに描いて色付けも鮮やかで何点か好きな作品が
あります。スペイン人独特の明るい色彩と情熱が絵の中
から湧き上がってくるピカソならではの表現力と男性的な
力強さは素晴らしいと思います。

 今まであまり理解することなく見ていたピカソの絵は、特に
キュビズムの破壊されたような女性の顔はあまり好きでは
なかったのです。しかし、最近、いろいろな女性たちの相談事
(どうも先天的に私はセラピスト的な雰囲気があるようです)や
私自身も苦しい事などが身に降りかかってきて、その破壊
されて分裂されたような幾面の顔から、それぞれの感情が
ほとばしり出てくることが分かってきました。

     
 ピカソの絵に沢山の人が魅了されているようで、みなさんが
食い入るように熱心にご覧になっていたのには、少し嬉しいような
驚きでした。キュビズムでもいい作品があったからかもしれませんね!
確かに、色彩の妙意と圧倒するような豪放さという点でも近代絵画の
巨匠たる所以の一端は感じますが、何か少し焦点がぼやけたような
展示だったような印象が免れません。以前、現代美術館で展示して
いた膨大な作品数が脳裏に焼きついていたので、尚更、少ないように
感じたのかもしれませんね。。

 私は今回、シュルレアリスム時代の油絵「彫刻家」とペン、墨で描いた
「彫刻家とモデル」が良かったです。ピカソの各時代を理解するには
自分自身も勉強しなければ追いつかないかと思いますが、やはり
ピカソの絵をまとめて観ると当時のことや現代に通じる社会性も
見えてくるのかもしれません。

会期は、12月14日までです。

   0810_h
     
チラシ

==

それから、マイミクさんから頂いた森美術館で3日まで開催していた
アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展を見て参りました。

かなり異色な作品群ですが、森美術館の展示スペースを広く使って
彼女の芸術性をアッピールしていた大がかりな展覧会でした。

女性や動物たちの苦しみを表現したかったこともありますが、少々、
私には刺激が強すぎました。でも、最後の映像でメサジェさんが
一つ一つのぬいぐるみを大事に展示していたことは、なにか
彼女の訴えたい事は社会がもっと平和になって、悲しむ女性や
弱い動物たちが犠牲にならないように願いを込めていることが
分かってきました。

上のピカソと関わった女性たちも悲運の最期を迎えてしまいますが
メサジェのメッセージで、暴力が引き起こす悲しみが伝わるとよい
ように思いました。

マイミクのEririさん、チケットをありがとう御座いました<m(__)m>

===

沢山、展覧会を観て回って足が大変疲れましたが、とても充実
していました。東京は本当によい芸術作品の器の受け入れが
広くてすごいですね!!私たちはその恩恵を受けていることに
感謝しなければと思います。

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2008/11/04

「安藤忠雄 建築展 -【挑戦ー原点から】-」@ギャラリー「間」 六本木アート No.1

martedi, il quattoro novembre 2008
sono le otto e dodici

    Kicx3596
     安藤忠雄 建築展 -【挑戦ー原点から】-

連休の初日(土)は素晴らしい秋晴れでしたので、六本木界隈の
展覧会場を巡ってみました~sun マイミク えこうさん情報で、
安藤忠雄氏の建築展が開催されているというので、まずは
乃木坂駅のすぐ近くにあります
ギャラリー「間」に行きまして、

  「安藤忠雄 建築展 -【挑戦ー原点から】-」

を見て参りました。狭い会場ながら安藤氏の原点が分かるような
模型も含めて心温まるよい建築展でしたsign03 建築にご興味ある方
はお薦めの展覧会です。


会場には、<住吉の長屋>が原寸大模型で再現されていました。
氏の原点でもある住まいの中に直に自然が入り込んでくる空間を

鑑賞者も実際に外光も浴びれるように、模型の建物の中を通り
抜けるように造られているのは、さすがに安藤さんの建築展だけ
あって体感型ですね~housesunshine

   

        Space_img_02_2
         (図版: HP)

また、私は、特に<光の教会>の1/10モデルの模型が観れた
ことに感激でした。以前、テレビで、最初はその教会の十文字には
ガラスが入っていなくて、冬がとても寒かったそうなので、ガラスを
入れてもらうように安藤氏に頼んだ、と教会の牧師さんが仰っている
のを拝見したことがありました。模型だけですが、とてもシンプルで
美しく、こちらの教会にはいつか訪れてみたいと思いを強くしました~sign03

それから、<東急東横線渋谷駅(地宙船)>、<東京大学情報学環・
福武ホール>、<アブダビ海洋博物館>、<モンテレイ大学RGSセンター>、
その他5点の模型や壁には設計図なども展示されていて、熱心にメモを
取られている若き建築家のような方や学生さんが多く見受けられました。

12月20日まで開催されますが、安藤氏のギャラリートークも
あるそうです↓

http://www.toto.co.jp/gallerma/ex081003/index.htm

お休みの日もありますので、HPでご確認されて行かれてくださいね
http://www.toto.co.jp/gallerma/


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2008/10/27

「原始物語の1000年」「ピサロ展」「ヨーロッパ20世紀音楽」など芸術の秋を堪能!!

lunedi, il ventisette ottombre 2008
sono le ventuno e trentaotto

     080818_banner_genzi

   だんだんと紅葉情報も各地から聞かれるようになりました。
富士山の麓へ行こうとのお誘いもあるのですが、ここの所、
絵画や音楽を鑑賞して楽しい週末を過ごしております。
まだ、PCの調子が悪いので、いっぺんに書いてみることに
します。

 まずは、土曜日、横浜美術館で開催中の「源氏物語の1000年」を
観て参りました。

   High1_img1  
    国宝 紫式部日記絵巻 五島本第三段 絵・詞 
    [鎌倉時代/五島美術館] 8/30(土)~9/6(土)展示

さすがに横浜美術館の特別展だけあって展示作品も豪華でしたshine
少し展示スペースの間隔が狭いのと鑑賞者の方々が多いので
見づらかったですが、紫式部が王朝のロマンを書き始めてから
1000年の間、私たちを魅了し続けた華麗なる世界を絵と書などで
堪能することができました。
(11月3日で終了です)

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 それから、「アートテラー とに~さん」のお話をレクチャーホールで
聴いて参りました。「源氏コード」の意味や「光源氏の系図や女性遍歴」
を「リカちゃん人形の系図と男性遍歴」と対比させるなど図版とともに
お話がすごく面白くて、とに~さんの大熱演のステージを楽しむ事
ができました~heart会場はほぼ8割位で大勢の方が、とに~さんの話術に
魅了されているように、笑いながら楽しまれているご様子でした。
とに~さんがアートテラーとして真剣に美術を分かり易く楽しく解説
しているのに感激しました!!

 また、とに~さんと私は、11月30日(日)にご一緒にイベントをする
予定でおります。もうお席の半数は予約で埋まっておりますので、
どうぞ私まで(Mail:
FZR03113@nifty.ne.jp)お申し込みくださいませ。
詳しくは、こちらのページをご覧ください↓

『【吉本興業】でピカソがわかる!』★「ピカソ・トークショー」
日時: 2008年11月30日(日)15:30 ~ 18:00
会場: イタリアンバール 「イル・ヴィゴーレ」六本木店
     
http://r.gnavi.co.jp/g339000/

※西洋美術史家の池上英洋先生もゲスト出演されます~♪ 

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

美術館へ行く前にも、湘南にお住まいの友人と横浜港を見渡せる
素敵なレストラン、「
ATTIMO」でランチをしてしばし近況報告を語り
合って楽しいひと時を過ごす事ができました~lovely

       Dsc_1969        Dsc_1972

     Dsc_1971

   RISTORANTE ATTIMO」 は みなとみらい21のパシフィコ横浜
     2階にあって素晴らしいロケーションです!

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

 昨日(26日)は、日本橋三越ギャラリーで「パリ・ロマンティック・ノエル展
を観て参りました。フランス人のジル・ポティエのクリスマス・モード満載の
フラワーアレンジメントを鑑賞してきました。思ったほど作品は少ないですが、
フランス的な濃厚なノエルタッチが素敵でした~(^o^)丿
(26日で終了です)

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜   

        Kicx3559   

 それから、午後は玉川上水の国立音大で
ヨーロッパ 20世紀音楽の巨匠たち」のコンサートを拝聴してきました。
あまり現代音楽は聴きなれないので、始めは戸惑いましたが、現代の
世相を表すべくいろんな音が激しく奏でられ、社会が混乱や迷走して
いることや神への祈りや自然への畏敬などいろいろな物が各楽器の音
に込められているようで、面白くもありましたが、やっぱり私は古典の方
が落ち着いて聴けます。
 でも、圧巻は、2部の「I.クセナキス 『ぺルセファッサ』」で、打楽器が
6ヵ所もホールに設置されて、すごいリズムの渦に取り巻かれて異次元
にいるような不思議な体感でした。そちらはエネルギッシュで素晴らし
かったです!!

 先週のオペラ観劇に続いて、ご招待券をいただきまして貴重な幅広い
音の世界を教えてくださった同音楽大学の講師でいらっしゃる
森田先生
に感謝申し上げます。

♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪

   Pisaro 

 そして、本日が最終日(27日)の大丸デパートで開催していました
ピサロ展」を見て参りました。ピサロ周辺の画家たちの作品と
ピサロの子どもや孫の作品もあり、多彩に鑑賞することができて
大変よかったです。作品は小作品が多いながら、クールベやミレー
の優れた素描を観れたことは収穫でした!!
それから、ピサロが教えを受けたコローの作品が2点、最初に展示
してありまして、やはり光の使い方や幻想的な物語的な漂いなど
コローの持つよい部分がその2点に凝縮しているようで素敵でした

    Courbe

 クールベ 《石割りの少年

 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・

 このように、3日間はものすごく充実した芸術を堪能できて本当に
幸せでした。私はやはり絵を観たり音楽を聴いたりしているときが
夢のような時間を過ごせて幸福感に満たされます。素晴らしい作品
や音楽や講演をご提供してくださる各機関の方々にも御礼申し上げます<m(__)m>

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2008/10/19

歌劇 「コシ・ファン・トウッテ」院生オペラ公演@国立音大

sabato, il diciotto ottombre 2008
sono le ventitre e quaranta

            Kicx3557

                    大学院オペラ2008
                 コシ・ファン・トゥッテ K.588
              全2幕(イタリア語原語上演/日本語字幕付)

 国立音楽大学で講師をされている森田先生からモーツアルト歌劇
  
     「コシ・ファン・トゥッテ K.588」

のご招待券を頂いたので、本日、音楽の大好きな友人、Chieさんの
御都合が良かったこともありご一緒に、観劇して参りました。大学院生
のオペラがこんなにレベルが高いとは正直思っていなかったのですが、
一言、素晴らしかったですsign03 二人で終わってから、「すごい!良かったね!」
としばらく興奮が冷めやらず感動状態が続いていました~shine

         Kicx3550

  国立音楽大学講堂大ホールの窓からの景色も落ち着いて
見えて、やはり音楽にぴったりの素適な環境ですね~♪ 
娘も3歳からバイオリンやピアノを習わせていたので、できたら
音大に進めたかったのですが~本人のやる気とともにバブル
も弾けて夢と消えました~weep 
しかし、今はパン屋さんで頑張っていますよぉ~!!

 な~んてことは余計ですが、今回のモーツァルトの歌劇は
どちらかというと喜劇に近くて、出演者の表情を観ているだけでも
楽しかったです~lovely

 前のお席に座ったので、下のオーケストラ・ボックスも見えて
演奏される方々も沢山いらっしゃいました。今回はモーツアルト
特有の明るさとコミカルな部分がクラリネットなど管楽器や、
バイオリンやチェンバロなどの演奏とぴったりと合って、そちらも
聴き応えがありました~♪ 4時間以上も演奏された皆さんも
大変だったことと思います<m(__)m>

 もちろん、今回、ご出演された主役の姉妹の二人と恋人役の
男性二人に哲学者役の方と小間使いの方もみなさんが本当に
一生懸命に歌われ演技も感情豊かでした。

 グリエルモ役の須藤さんはもうプロなのでしょうか?お声も良く
声量もあって演技も上手なので、これからは
世界へ羽ばたいて
活躍されることでしょうね~note

こちらの6人で4時間以上も歌われていたので、本当によく歌詞を
暗記し、大熱演されていたと思います。オペラの楽しさや面白さが
すごくわかって、本当に楽しく観劇できたことを御礼申し上げます。

 衣装や舞台装置もシンプルですが、モーツアルトの感じがよく
出ていてそちらもとても良かったです~sign01 本当にブラボーが
飛び交うほど最後は拍手喝采の素晴らしいオペラでした~heart04

     Kicx3559

      ヨーロッパ
      20世紀音楽の巨匠たち

10月26日も同ホールで、くにたち・シンフォニエッタ2008
の演奏と渋谷淑子さんのピアノ独奏が15:00~から開催
されます。こちらも先生からご招待状を頂いたので、また
楽しみに聴きに行く予定です。森田先生、本当にありがとう
ございました<m(__)m>

             

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2008/10/05

☆ ピアノ・コンサート&再会の喜び ☆

sabato, il cinque ottobre 2008
sono le mezzogiorno

今週、絵の鑑賞会をVTCで企画しているのですが、それに
参加できない方が、ピアノ・コンサートに誘ってくださいました。
会場は、上野文化会館小ホールで、イギリス人ピアニストの
イモジェン・クーパー氏の演奏でした。

    Td20081001

プログラムは、オール・シューベルトでした。

  「3つの小品D946」
  「ピアノ・ソナタ第16番D845」
  休憩
  「ピアノ・ソナタ第17番D850」

あまりシューベルトは真面目に聞いたことがないだけに
どうなるかちょっと不安でしたが、クーパーさんのタッチが
しっかりとして、左手のリズム感が素晴らしいので、
シューベルトというのは、このような優雅でいて感情表現が
豊かな作曲家だったことが始めて分かりました。

特に、3番目のソナタは流麗な流れに身を包まれている
ような素晴らしい演奏でお客さんたちも感動されている
ように最後は力強く拍手を送っていました。

どちらかというとブーニンのような硬質感のある響きで、私は
甘いロマン派の弾き方よりは好きなのですが、彼女の力強い
音色にかなり元気付けられるような爽快感さえ味わえました。

そして、音の合間にイギリス的な透明感ある光が溢れていて
昔、イギリスで滞在した時の空の色やホームスティ宅の窓辺を
思い出して、懐かしくなるような感慨も味わいました。

衣装もフリフリのドレスではなくて、パンツドレスのような所も
彼女の大人の女性としての姿勢を表しているようでカッコ
よかったです!!アンコールにおいてもすべてが彼女の音に
対する生き方を表しているようでそちらもソリストとしての自信
がみなぎっていることを感じて、素晴らしいアーティストの演奏
を聴けたことで感動いたしました。

クーパーさんがN協と定期演奏会で競演した録画が
11月9日(日)に教育テレビ午後9時から放映されるそうです↓
http://www.nhk.or.jp/nkyouhour/prg/2008-11-09.html
 

*-*-*

それから、昨夜はやはり鑑賞会には参加できないけれど、
「ミレイ展」は観たいという以前からのブログ仲間の方が
遠方より上京されて、もう一人ブログの方と3人で飲み会
をしました。ものすごく絵画や文学などに造詣が深いので、
お二人のブログには一日1000人近くの方達が訪問される
というブログ界の大御所です!!

「ミレイ」は元々お好きだったそうですが、3時間近くも
じっくりと鑑賞されご満喫されたそうです。3人で絵やワインや
ウィスキーやヨーロッパでマックに入った時の注文の仕方など
ワィワィと話は尽きませんでした~(^_-)-☆

やはり共通する趣味があると話題も盛り上がって、楽しい時間を
過ごせますね!!

たまにしか会うことができませんが、このような大人のアート仲間が
いてくださることは、またお会いして茶のみ友達のように楽しい時間が
持てるようで嬉しい
です~☆♪♪☆

ご一緒していただいた3人の方には、改めて感謝申し上げます<m(__)m>

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2008/09/29

「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」@Bunkamura

lunedi, il ventinove settembre 2008
sono le venti e tredici

        Img20080910_p_2
          《オフィーリア》 1851-52年 テート蔵 

週末に、Bunkamuraで開催しています

    「
ジョン・エヴァレット・ミレイ展

を観て参りました。やはり、評判とおりオフィーリアの実物は
美しくて心の中に焼きついてしまいました。

正直申しますと、私には恋多き年頃の娘がおりまして、
この死顔のような若き女性の絵を観ることは恐怖でもありました。
物語とはいえ、なんとなく健康的とはいいがたく図版で観ても
直視できないものがありました。

しかし、実際に観てみるとそんなことは飛んでしまい、ただただ
《オフィーリア》の世界に入りこんでしまったのでした。それに、
テート美術館の学芸員さんがおっしゃっていた言葉、
 「オフィーリアの顔は少し恍惚感がある表情に描かれている。」
というようなニュアンスでしたが、オフィーリアの真っ白な顔にはまだ
かすかな息をし、歌を口ずさんで天を見上げているように見えます。
思ったほど死に迫っていなくて、むしろ現実を逃避できる安らぎを
感じているように思えました。

ミレイが5ヶ月近く、川辺に座って植物のスケッチを入念に
していたそうですが、本当にどの植物も緻密に描かれていて
妖精が今にも踊りだしてきそうでした。そして、川の底へ徐々に
引き込まれていくオフィーリアを草花や水さえも暖かく包みこんで
いるように見えました。

ジョーゼットのドレスにビーズの飾りが煌いていたり、オフィーリア
の手には、ケシやヒナギクの花輪をまだかすかに握り締めている
ようなところが、彼女が息をしている証に見えます。

モデルのシゼルの存在もこのような名作を生む一つの大きな要素
になったのでしょう。当時の画家たちに詩的な感情や創作意欲を
喚起させるような霊感の泉だった彼女自身もオフィーリアのように
最後は若くして夭折してしまうとは。。しかし、神秘的で官能的で
すらある彼女はこの絵の中でまだ生き続けているようです。

そのほかの絵ももちろんよかったですが、最初に展示してあった
「ギリシア戦士の胸像」は、わずか10歳位で描いたようで、その
デッサン力には天才の力を見せつけられたようで驚きました!!

それから、スコットランドの風景画も詩的で大変美しくてよかったです。

油絵の香りが漂うミレイの素晴らしい展覧会は、10月26日までです。
どうぞこの機会に芸術の秋を楽しまれてくださいませ。
美しい《オフィーリア》を一枚観るだけでも価値があると思います。

 

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2008/09/23

「狩野芳崖 悲母観音への軌跡」展@藝大美術館 &周辺建物散歩

martedi, il ventitre settembre 2008
sono le venti e quattorodici

            Hogai
   「狩野芳崖 悲母観音への軌跡@藝大美術館

昨日からの暗い気持ちを少し引きずりながら上野へ向かい
ました。上野駅からダァ~とすごい家族連れの人たちで
ほとんどは、上野動物園に向かっているようでした。元気な
子どもたちの笑い声や休日で穏やかな顔をしている人たち
を見て、大体の人たちはこうやって健康的に過ごしている
ことにホッといたしました。

 「 狩野芳崖 悲母観音への軌跡-東京藝術大学所蔵品」

は、会期が本日で終了でした。皆さんの評価が高いのと
狩野一派ということで、これは見ておかなければ!と
思って行きましたところ素晴らしい日本画を拝見できて
本当に良かったです。

   05_03_kano_2

    『不動明王』 明治20年作

第1展示室に展示してありました重要文化財に指定された
『不動明王』は、突然、カラフルな色彩の日本画に少々異彩
を放って見えましたが、私はどちらかというと色彩が豊かな
方が好きなので、ものすごく魅力的な 『不動明王』に観えて
しばし見つめておりました。

なんでもアメリカ人の美術史家フェノロサとう人が、日本画の
伝統に西洋絵画の写実や空間表現を取り入れた、新・日本画
の創生を芳崖に託したそうで、こちらもかなり西洋画的な手法
を取り入れているのかもしれませんね!

    4_2_2

       悲母観音
        1888年

 第2展示室の中央に大きな「悲母観音」が展示してあり
観音様が宙に浮いて、生命を宿した子どもを優しく
見下ろしているようです。精緻に描かれたお袈裟の文様
には所々金で描かれていて、それが目を惹きます。
 作品が大きくて観音様が天から私たちをも見下ろして
いるように感じます。なんとも圧倒されるような迫力で
芳崖が絶筆してしまったのが分かるほど何か魂の奥底が
感じられる芸術の最高峰を拝顔するようでした。

 羽をつけた天使(天女)や聖母マリア様を思わせる西洋絵画
を模写したような下絵の数々も興味深く観ることができました。

 「悲母観音」の下方に描かれているのは、妙義山という
ことですが、妙義山は昔、家族で遠足のように散歩コースを
登ったことがあります。かなり岩場や崖が多くて、大変な思いを
したことを思い出しました。その下絵も展示してあったので
何か懐かしさとともに芳崖が描いた険しい山が身近にも
感じたりしました。

芳崖は、藝大の設立にも関与して教壇に立つ手前で
亡くなったそうです。こうやってその藝大でいつまでも
作品を保存し展示してくださるので、芳崖も本望と喜んで
いることでしょうね。日本画の新しい画法の先駆者と
なった芳崖の作品を拝見できて藝大美に感謝いたします。

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