「オルセー美術館展と美術館について」 高橋明也氏 レクチャー -鑑賞会 No.2 ②
giovedi, il otto febbraio 2007
2月17日より東京都美術館で
「オルセ-美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園」
が開催されています。
オルセー美術展は、 1996年、1999年と本年の計3回共
神戸市立博物館と東京で6会場で開催されています。
そのオルセー美術館展について日本側本展コミッショナー
高橋明也氏(美術史家)のご講演を
「サロン・デ・ミュゼ・ド・フランス」のご主催で拝聴して参り
ました。
「オルセー美術館展―19世紀 芸術家たちの楽園」開催記念
「オルセー美術館展のすべてを楽しむ」4回シリーズ+鑑賞会

本展のチケットを頂きました
高橋明也氏といえば、国立西洋美術館に一昨年
「ラ・トゥール展」を招聘された美術史家です。私もその
「ラ・トゥール展」を見た事で、このようにアートの世界
へ足を踏み込む大きな基点となりました。そして、
高橋氏は、1984年から86年にかけて文化庁在外研究員
として、オルセー美術館開館準備室に在籍、美術館創立
に関わられたとのことです。
現在は、「三菱一号館」を美術館に再現する「三菱複合館」
(2010年竣工予定)の館長さんを勤められて復元にも
ご尽力されているそうです。 (詳しくは絵草紙HPへ)
高橋氏のご紹介だけでも長いのですね。いつもお世話
になっています池上 英洋先生の藝大の先輩にも当たる
方とお聴きしております。
本展チラシ
「オルセー美術館展」を観るのは初めてですが、もう
開催してから2回も会場で鑑賞しています。印象派好き
にはたまらない素晴らしい作品が多くて、何から書いて
いいやら迷っている内に、時間が立ってしまいました。
一度目は拙コミュの鑑賞会に初めてご参加下さった
MARIMOさんとご一緒させて頂きました。まだお若くて
すごくチャーミングでご一緒に絵画を観ていても絵が
大好きなのが伝わってきます~♪ MARIMOさんの
レポートもどうぞご覧くださいませ→こちらから
長くなるので、何回か分けさせていただきますが、まずは
高橋氏のレクチャーでお聴きした興味を引かれたことを
本日は簡単にまとめて見たいと思います。
1.美術展の歴史
- ギリシャ、アテネ、アクロポリス絵画館が美術館の
はじまり - ギリシャのパブリック (街の広場?)に公開する
(ヨーロッパ以外には発達しなかった) - プライベートと街に広いパブリックと分けることで
人と接する美術館ができる位置づけとなる - フランス革命以降、社会も近代化していった
- 1970年代から世界的に展覧会の開催が広がっていった
- 世界中、中産階級が増えた時期でもあった
- カタログの厚さも薄い→厚くなってきた
- 日本では、正倉院などにプライベート・コレクターが
主に美術品を収蔵して、一般には公開する発想が
なかった - 1950~60年 ルーヴル美術館展を西美から全国へ
巡回すると日本中、珍しくて黒山の人が美術館に集まる - 1980年以降、日本でもバブル時期と合わせるように
徐々に大きい美術展が増えた - こんなに美術展が増えたのは最近の話である
- オルセー美術館とも繋がりができた
- 展示、輸送の進歩、さまざまな機能などが向上した
2.学芸員
- 英国 (Keeper) =守る人
- 米国 (Curater)=催しに味付けをして、様々な展覧会
を開催し、Publicと接する人 - 仏 (Concervator)=保存する人 (学芸員の最初の大きな
仕事を意味する) - 1980年代の展覧会が増えるに連れて、展覧会を
するごとにカタログを書くので、学芸員自身が
勉強になった - 展覧会をどんどん開催できる機運が広がって
いった - 上記のような展覧会のダイナミックな変化がなければ、
学芸員は単なる美術品の倉庫番でしかなかった - 倉庫の隅にも光が当たるようになった
(→美術館のルネサンスとも言える)
3.展覧会数が増えるリスク
- 美術品を移動することで美術品が損傷する
- 特に板絵は温湿度の調整をしてもプロテクト
できない恐れがある - 彫刻を触ると表面がはげる (特にブロンズ像)
- パステル画は紙から落ちる
- 西美などは作品の到着を2週間前とし、作品の
点検調査期間を取るが、デパートなどの営利
企業はほとんど、その期間が欠如している - 新聞社が美術展を主催することが今までは
主流だったので、大衆受けする企画ばかり
はやる→大衆的なマスメディアの弊害がでる
4.これからの美術展について
- ル・モンド(12/12)から
前オルセー(女性)美術館長
過去、たくさんの展覧会に関わっていたが、
美術館は売り物ではない。
文化交流をしているのはいいけれど、
それによって販売しながら運営していくのは
おかしいことだ。
ルーブル美術館の分館を米国のアトランタや
アブダビ(アラビア)に創設することを反対する。
ランス (フランス国内)に分館を造る事はいいが
ルーブルのブラントの直営店を作るようなことは
止めるべき。
5.オルセー美術展 (東京と神戸)
- 1月26日に東京でオープニング・セレモニーがあり
記者発表をした(120人以上)。パーティでは1000人以上
の方が見えた。このパーティの人数で展覧会の人気が
だいたい決まる - 過去、神戸と東京で6回、開催しているが、今回の東京展
が一番良い。 - 関西の方では壁紙の色も東京に比べると派手な色使い
をするので、東京との内装・色感の使い方が異なる - 真っ白な壁に印象派の作品を置くと色が沈んでしまう
- 東京の内装では、地味な色が好まれる
- 都美は天井が低い (ライトが光ってしまう)
- 10年間で3回もエネルギーを裂いて本展を開催してきた
- カタログの表紙も連続性を持たせた(神戸で3冊セット完売)
- オルセーの会場よりも絵が物理的に見える
- A、B, Cと横においてある絵によって全然違って見えてくる
- 絵を観ることは複雑である→自分のその日の体調・感情など
ちょっと、長くなりましたので、講演会の内容だけで一時
終了します。
☆このレクチャーの前に、花子さんとご一緒にランチした模様は
こちらに記事にしております↓
「CLUB NWX」 - フランス館風ランチ 鑑賞会 No.2-①
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コメント
確かに、ここ数年、展覧会がすごく増えていますよね。。
美術品が傷むとかリスクはあると思いますが、そうそう海外には行けないので、個人的にはうれしいです。
でも、マスコミに踊らされている面は否定できませんね。。
納豆にもあんな大騒ぎするくらいですし、日本人は集団性のある民族なので仕方ないかも。。。
投稿: すた | 2007/02/09 13:57
すたさん
いつもコメント有難うございます
これを書くのに結構時間かかったので
ちょっとでも意見を書いてくださる人が
いらして、嬉しかったです~☆
美術展も増えていいのですが、オルセー美術館へ
行った人たちがこんなにいい作品が貸し出されて
見れなかったら、がっかりとするでしょうね。。
ただ、東京に住んでいる利点は素晴らしい作品が
向こうから来てくださることですね~)^o^(
最近は無理して、海外へ行こうと思わないくらい
充実してますものね!
昔から新聞社が主催することが多いので、大衆向けの
展覧会が多くなるらしいです。でも、最近はプラド展とか
やっぱりスゴイなぁ~、どうもありがとう~日本にきて
くださって、という作品を観れることが嬉しいですね。
投稿: Julia | 2007/02/09 19:01