『恋人たちの失われた革命』@写美
sabato, il sei Gennail 2007,
sono le vetitre e quattrodici
新年から濃いフレンチ映画を観てしまいました。朝から冷たい
雨が降っていたのですが、3連休もあるので思い切って恵比寿
の東京都写真美術館で2日から上映している
『恋人たちの失われた革命』
を3時間にわたる長編映画ですが、観にいってよかったと
思いました。主役は、『ドリーマーズ』で一躍注目された
ルイ・ガレルで、この映画の監督フィリップ・ガレ氏の息子
さんです。彫刻のような端正な顔立ちと、立っているだけで
絵になる20歳の美的でいて真の強さを感じさせる私好み(?)
の俳優さんです。
フィリップ・ガレ監督が若い頃に実体験された5月革命のシーン
で前半は占められ、若者と機動隊と燃え上がる車の炎、そして
ルイ・ガレルがパリの街中を逃げ惑うシーンも中々、臨場感が
あって楽しめました。古い石畳に屋根の上まで昇って隠れたり
一つ一つのシーンがモノクロ映像ゆえに、古いパリの街並みの
哀愁感を味わえます。
その内に、革命も収まってお金持ちパトロンの家に、画家や
芸術家が居候しだして、ルイは詩人という繊細な役所を演じ
ていきます。やはり、監督の教え子だった若い女優さんが
恋人役になりますが、本物の彫刻家になるべく彼の元を
最終的には去っていってしまいます。
ハリウッドの映画に慣れている若い人たちは、そのワンカット
の長さにきっと飽きてしまうかもしれませんが、私はフランス
映画に慣れているので、音楽もピアノ・ソロで感情を交えて
ひき奏でるというスタイルがモノクロでしっとりとした映像に
合っていて、とても良かったと思います。
いろいろな賞も以下のとおり受賞しているようですが、
それよりも展開の速い今の映画に慣れている若い人たちに
じっくりと物を見つめることの大切さを思い起こさせてくれる
良質な映画なので見て欲しいと思いました。
◎2005年ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)・
オゼッラ賞(技術貢献賞)
◎2006年セザール賞 最優秀新人男優賞
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