「古都アッシジとウンブリア諸都市」土曜講座 池上先生 ①聖フランチェスコ -鑑賞会 No.25
domenica, ill diciannove Novembre 2006,
sono le deiciannove.
今週は火曜日のレオナルド、土曜日は
ブリジストン美術館の土曜講座で、池上先生より
「古都アッシジとウンブリア諸都市」
のご講演を拝聴することができて幸せな週でした~☆
「Visiting Tour Club」のご参加者、森田先生とNikkiさんと
恵泉の生徒さんとご一緒にご講演からご講演終了後に、
「オーストラリア現代美術展」のチケットを頂いたので
観賞してから、お食事まで長時間楽しく過ごさせて頂いて
有難う御座いました~☆
チケットは先週の初めに完売になる盛況ぶりで、会場は
130名の聴講者の方々で満席です!私は早めに行って、
一番の前のお席を取り、かぶりつき状態で拝聴すること
ができまして、未だかつて行ったことも見たことないような
イタリアは中部のウンブリア州の聖堂やその内部に描か
れている絵画やそのほかの諸都市(ペルージャ、
オルヴィエートなど)の画像などたくさん拝見することが
できまして、なんだか、イタリアの中部を旅しているような
感じがするほど酔いしれました~♪
先生のご使用されているプレゼン用のマイクについては、
TAKさんのブログでご紹介されていますが、火曜日の
レオナルドのご講演の時にも気がついたのですが、先生
の新兵器をお持ちになって、今回も100枚以上の画像を
2時間の間にスムーズに展開されながら、軽快なテンポで
どんどんウンブリア地域の美術史なども含めてアッシジの
重要な文化について貴重な内容のお話をお伺いすることが
できました。
先生がご登場されると少し緊張した面持ちでしたが、いつも
の如くご紹介される間もご講演中も始終、お立ちになった
ままで、上記のプレゼン用マイクで操作も鮮やかに、
ウンブリア地方はどこか?という所からスタートです(Nikkiさん
のブログに地図があります)。その前に、先生はレオナルドの
ご研究者なので、「最近は、ダ・ヴィンチ・コード関連以外の
仕事はこないです。このような中世のイタリア美術史について
お話するのは久しぶりなことなので、しっかりと準備して
きました!」と聴衆者をすぐに惹きつけられました。確かに
内容が豊富なこともありますので、今回は、アシッジと
聖フランチェスコの生涯を中心にジオットの絵を混ぜながら
書いて見たいと思います。図版は、WEB GALLERY OF ART
などから拝借いたしました。
アッシジはペルージャの東南25kmに位置し、スパシオ山の
山麓にあるなだらかな上の城塞都市です。聖フランチェスコ
の生まれた13世紀は、ウンブリア州は戦国時代で激しく都市
同士の戦いがあったために、今でも城塞(rocca)と城壁が
グルッと残っているそうです。
フランチェスコは1181年か82年に、アッシジで富裕な織物商人
の子として生まれました。父は語学も達者でしたので、ロンドン
やパリまで行って仕事の取引をしていました。フランス人の
「ピカ」とパリで出合い、結婚をしたのですが、長男の名前、
「ジョバンニ」を「フランスの」という意味で「フランチェスコ」と
あだ名を付けて呼んでいました。
これは他で調べたことですが、米国のサンフランシスコや
ブラジルのサンフランシスコ川は、彼の名前にちなんで
付けているそうです。
当時は、商人が経済力を持っていて、その中でも公証人、
法律家、銀行家(繊維業で力を持つ)と続いて、毛織物の
流通で財を成したベルナルドーネ家のフランチェスコは
まだ十代の内から派手に遊んでいたそうです。
1200年頃にお隣りの都市、ペルージャとアッシジは戦う
こととなりましたが、ペルージャは交通の便利な所に位置
していることもあり商業では繁盛していたので、人口も多く
アッシジはすぐに負けてしまい、フランチェスコは一年間、
捕虜になりました。当時は商人の息子は保釈金などで
お金になるとのことで、全員が捕虜扱いとなり、フランチェスコ
も同じ様に保釈金で解放されました。
次にスプレ-ドの戦いでも負けて、病いに伏し挫折を味わい
ましたが、1206年の20歳の時に、サン・ダミアーノ教会で
キリストの十字架の前にいると、キリストから次のような
言葉をを聞いて回心します。
『サンタ・キアーラに壊れかけた修道院があるので
それを直せよ。』
聖フランチェスコ大聖堂内にある
フレスコ画 -GIOTTO-
その教会を建て直すために、父がフランスなどに
行っている間に自宅からお金を持ち出してしまい
ますが、それが神父からの通報で父に知れてしま
うので、裸になって父親に全財産を返した時に、
法衣で彼を覆ってくれた司祭の絵はなんだか、
ユーモアがあって面白かったですね~♪
そのうちに、ポルティウンクラ教会もできて、説教を
始めると、普通の説教は難解なのにフランチェスコの
説教はパッションがあり分かりやすいので、最初は
訝しげ気に思われていたのが、だんだんと賛同者も
増えてきて、ついには11人の弟子ができました。
1209年にその11人の弟子とともに、ローマの認可を
得るために、そのころ政権を握っていた教皇
インノケンティウス3世に謁見しに行きました。
教皇インノケンティウス3世に謁見する
シーン -GIOTTO-
「聖フランチェスコ伝」では、フランチェスコがくる
前日に、教皇は倒れかけている教会を直したいと
認可に来る修道士が来る夢をみた、と伝えられて
いるので、実際に翌日来た事で認可を与えた、と
されたそうです。
1215年にフランチェスコ修道会が公式に認可され
フランチェスコ修道会はそれからどんどん大きく
発展していったそうです。
1212年に、貴族の娘クララ(キアラ)や女弟子が
フランチェスコの指導を求めたので、サン・ダミアーノ
教会の近くに似ているような教会を建てて、聖キアラ
女子修道会を発足させました。
1219/20年には東方へも伝達しに行きました。
1224年に、アルヴェルナ山上で40日間の断食中に
両手足とわき腹5ヶ所に「聖痕」を受けました。
1226年、死去。
1228年に聖人となり、サン・フランチェスコ大聖堂
の建築が開始されました。
全欧州で、1100の修道会が発足し会員が2万人
以上にもなって、イタリア内でももっとも人気の高い
聖人と言われています。
先生がフランチェスコの説教を読み上げてください
ましたが、あまりのストイックさに涙が出そうになり
ましたが、今の日本ではありえないことが実行され
ていたのかもしれません。
- 「従順・清貧・貞潔」
- 労働をした時の代価は野菜などで金銭を
貰ってはならない - 金銭は無価値なものである
- 旅をするときは、何も持たない、馬も駄目
- 苦難・虐待を与える人がいたら愛さなければ
いけない
などなど・・・物を持たずにお金も受け取らず、暴力にも
耐えよ。。と今の時代の労働基準法やいじめ問題など
無視してすべて神のために耐え忍べよ。ということでしょうか?
一日のスケジュールも円グラフで見せていただきましたが、
ほとんど労働して修行をして少し寝て、食事をして、労働を
して。。という本当にハードですよ~!
それでも、その教えに賛同した人たちがいたというのは、
フランチェスコの教えに神を見たのかもしれませんね!
現代の物が余り過ぎている時代に、このような修行を
した人がいたことを知れることは、何かあったときには、
身を軽くして生きる方向転換をすることを示唆している
のでは?と思ったりもしています。
長くなりました。お付き合い下さったかた、ありがとう
ございます<(_ _)>、
ご講演を拝聴したあとに、Takさんといつも拙ブログ
へコメントをくださるpipinさんと娘さんにお会いいたし
まして、ご挨拶を致しました。
そのあとは、お時間のある方達だけで、近くの居酒屋
さんで盛り上がってすっかり、フランチェスコの説教を
忘れ去ってしまったわけです~(^_^;
また、ジオットについてなども続きも書けたらと思っています。
先生、本当に素晴らしいご講演を拝聴できて感謝いたします。
☆「ジオットとその周辺について」②として書きました。
*長文でしたので後日、加筆修正いたしました。
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コメント
Juliaさん、おつかれさまでした。
チケットのこと、打ち上げのことなど、いつもながらいろいろとどうもありがとうございました。
それにしても、なんと内容の濃い記事でしょう! 実際の講演より良いです(笑
サンフランシスコ、「聖フランチェスコ」という名前そのままです。穏やかな気候の坂の街なのでイメージ的にも合ってますね。
ではでは!
投稿: ike | 2006/11/20 01:04
先生、
こちらにもご丁寧にコメントを有難う御座いました。
>それにしても、なんと内容の濃い記事でしょう! 実際の講演より良いです(笑
先生のオッカケ・ファンなので、拙い文章ながら、聖フランチェスコに
ついても大変興味深かったので、記録に残す意味でも頑張って
書いて見ました。
先生のご解説を伺うことで、実在した聖人やジオットの壁画の
素晴らしさやそのほか、のどかなウンブリア地方の写真など
拝見できまして、イタリアの中世を散策しているようで、当時の
厳しい生活も知ることができまして、有難う御座いました。
そのあとの飲み会も盛り上がって楽しかったです~☆
来年はまたさらに夢のようなプレゼントがあることを
知りまして、最後まで大興奮の一日でした!!!
投稿: Julia | 2006/11/20 08:04
juliaさん ありがとうございました。
素晴らしかったです。私も池上先生のファンになってしまいました。
今度は、その後の方のお仲間にも入れていただければうれしいです。
投稿: pippin | 2006/11/20 11:23
Pippinさん
会場では娘さんとご一緒にお会いできて
大変嬉しかったです。コメントもありがとう
ございました~☆ やっぱり、池上先生の
ファンになられましたでしょう?
そのうち池上修道会ができるのではないかと?
また、お会いできるときは今度はご一緒に
pippinさんとお食事など致しましょうね~☆
投稿: Julia | 2006/11/20 20:16
やっぱり素敵な内容だったようですね。行きたかった~♪結局、当日は別な用事が入ってしまったし残念な限りです。
でも、こうしてJuliaさんの記事を拝見して、ますます興味を持ちました。takさんの記事も拝見して思いましたが、う~んアッシジ行ってみたいです(笑顔)。
投稿: alice-room | 2006/11/24 02:58
alice-roomさん
わぁ~読んでいただいて、有難う御座います~☆
alice-roomさんもその後の飲み会にご参加されたら
もっと素敵なことがあったのですが、また、来年に
向けて先生もご講演でお忙しくなると思いますので
今度はぜひご参加くださいませね~♪
>う~んアッシジ行ってみたいです(笑顔)。
ホントですね~ヾ(´ー`)ノ 実在した聖フランチェスコの
総本山をいつか拝みに行きたくなりました。
投稿: Julia | 2006/11/24 07:26