「仏像」「庭園散策」&「大エルミタージュ展」 - 鑑賞会 No.24
Giovedi, il nove Novembre 2006,
sono le nove e quindici.
先週の3連休の最終日に[Visiting Tour Club]で、上野で
一日、ご参加者の皆様と一緒に楽しく過ごして参りました。
まずは、前評判の大変高かった
を国立博物館平成館で、MerionさんとIchi-Nさんと
私の3人で観賞いたしました。初めて合った同志
でしたのに、すぐに意気投合!
仏像については、初めてこのように一堂に拝顔した
のですが、展示がとてもよく趣向を凝らしていまして、
仏様の背後に薄い色の付いた布地が張ってあり、
ライトで仏様の陰がその背後の布地に写ったりと
あの高い天井に国宝4体、重要文化財41体を含む
146体がより美しく展示されていて感激いたしました。
第一章 壇像の世界
会場内に入りますと、照明が暗くなっていて、縦2列
にやや小さめな仏像がショーケースに入って展示
されています。360度見渡せるので、私達も前や
後ろからグルグルと拝顔いたしました。仏像のことを
書くのは初めてですので、HPで詳しく解説がされて
いましたので、そちらも引用させていただきます。
インドの伝説では、世界で初めての仏像はインド産
の白檀(びゃくだん)で造られたとされています。白檀は
木目が緻密で美しく、芳香を放つことから仏像の材として
珍重されていました。幹の直径が30cm程度にしかなら
ないため、小さな像しか作れませんが、材の特色を生か
して表面に彩色をせず、細かな彫りをするのが特色です。中国でも唐時代にインド風の小さな檀像(だんぞう)が
流行しましたが、中国では白檀が自生しないため、
「栢木(はくぼく)」で代用する考えが出されました。
日本では、奈良時代から平安時代初期にかけて、
「栢木」をカヤとみなし、カヤによる代用檀像が流行
しました。カヤは針葉樹で、木目がつみ、木肌も少し
黄味がかった白色で美しく、良い香りがする木です。
檀像の緻密で鋭い彫りをご覧ください。
小さいながら緻密な彫りがされ頭の上にはまた
小さな顔が十一面も彫り巡らされて見事でした。
細かくて目の輪郭線なども特に美しく感じました。
第2章 一木彫の世紀
ここでは国宝級の仏像が4体も展示してありまして、
大きな作品をみていると思わず拝みたくなるほど何か
神々しいオーラに包まれます。
「本当にこれは一本の木からできたのかしら?
すごい!すごい!」
とただ、それしか言えない素晴らしい仏像の迫力
に圧倒されました。この日がちょうど最終日だった
ので、運良くこちらの仏像を観ることができたことは
大変満足でした。
国宝 菩薩半跏像(伝如意輪観音)
奈良~平安時代・8~9世紀 像高88.2cm
京都・宝菩提院願徳寺蔵
こちらの仏像には特別にライトがグルッと当てられて
いて、宙に浮かび上がってくるようで美しかったです。
衣もカーブが優雅で背中ではその衣がクロスしていて
デザインがモダンでおしゃれだと思いました。お顔も
柔和な笑みを浮かべて、観ている私達を包み込んで
くれるかのようでした。全体的に衣の線が太いことも
ありますが、ギリシャ彫刻のドレープを思わせるようで
彫りの技術の高さと気品ある美しさにうっとりでした。
木の材質も今よりもずっと木目が細かくて、しっかりと
していたのかもしれません。今は酸性雨やCO2など
空気も水も汚れいるので木自体も栄養がよい状態とは
言えないのかもしれませんね。。
これだけの仏像を一堂に集めるのも大変だったことと
思います。さすがの国立博物館!その他、円空、木喰
の朗らかな仏像まで1000年の時代に亘って一木彫名品
をたっぷりと堪能することができて幸せでした。
■Ichi-Nさんが大学の時に習ったノートをmixiの方へ
書き出してくださいましたので、せっかくですのでご紹介
させて頂きます。
【仏像はその法力により分類すると4種類
(如来/菩薩/明王/天部)になる】
【如来だけの特徴・・・縵網相(まんもうそう)】について
手足の指の間に水鳥の<水かき>のような膜ができている。
菩薩にはありません。
この縵網相の意味ですが、如来が人々を救う際、救った人々
が指の間からもれることを防ぐためのものと言われています。
もう一つは、此岸(現世)から彼岸へ泳いで渡って、はじめて
如来となることができることから、彼岸へ渡るために泳ぎきった
証として水かきがついているとされています。
人間の姿に出発しながら、超人間的・仏教的理想の境地を
象徴する表現の基礎として考えられた32相(普通の人と違う
肉体上の違い)のなかの一つです。
また「80種好」というのもあり、これは32相の上にさらに
様々な特徴を加えています。例えば、眉は新月のように細く
美しく、耳輪は長く垂れ、腹は細く…etc.手相についても詳細
に規定されているようです。
■KANさんは足の位置が違うことを鋭く観察されていました。
<左足重心>
今までちっとも意識してなかったのですが、左足重心で
右足休め、の立像が多いんですね。
右足がやや前に出ていたり、右ひざが緩んでいたり。
直立の立像はほぼ皆無です。
体の軸をややずらしたり上半身をややひねったりすることで、
衣の波打つ流れがよりダイナミックに(と市原悦子さんが
言ってました)。
<前のめり>
これはもしかして常識?
横から覗くと前のめりの立像が多いです。
風を前から受け、衣がやや後ろにたなびく感じ。
スキージャンプ選手の踏み切りの瞬間!(と言ったら大げさ?)
後期を観にいく時は、手足の指の間に水鳥の<水かき>や
両足の位置や体のひねり具合などお二人に教えて頂いた事
を注意して観賞して見たいと思いますヾ(´ー`)ノ
それから、平成館から東洋館の向かって行く途中では
新しく改装された明治館と少し紅葉がかった木に向かって
数名の方達が写生をしていらっしゃいました。芸大生で
しょうか? どなたも同じような構図でしたが、素晴らしく
上手で私達3人で歓声を上げるほどでした!!
それから、KANさんも合流されてランチをご一緒にしました。
4人なのでちょうど会話も弾みやすく、いろいろと教わること
が多くてこのように初めて合っても絵が好きな人たちって
本当にすぐに親しくなって、本音でスーと話せるから不思議
ですね~♪
それから、Yukoさんが合流されてご一緒に「庭園散策」を
5人で致しました。2日前にもKANさんの運転でYukoさん達
が箱根へ行かれたのですが、まだ紅葉していなかったそう
なので、こちらもまだ葉っぱが青々としていましたが、大きな
大木の間に点在するお茶室を観て軽い森林浴気分を味わい
ました。この日はお茶室も貸し切り状態で風情がないロープ
が張ってあって近づけなかったのですが、昔ながらのお手前
のお茶室はミニチュア版ではなくて実物サイズであることを
皆さんと談笑しながら確認し合って楽しかったです↓
Ichi-Nさんは中国茶をお習いになっているそうなので、
中国茶の奥深いお話や生徒さん達が中国語を習って
現地でお茶の試験を受けたりと大変熱心に勉強されて
いるお話など伺ってこちらも興味深く聞かせて頂きました。
このあとに、「大エルミタージュ展」を女性の3人だけで
見に行きましたが、会場は大混雑!でも、前評判よりも
素敵な絵が多くて私達は満足したので、また後日でも
そのことは書けたらと思います。
KANさんは散策のあとも東博で夜遅くまでいらしたそうです。
それは、<光彩時空>ライトアップをご覧になったからですが、
お写真がとてもきれいに撮れていらしたので、例によって
ちょっと拝借させて頂きました(*- -)(*_ _)ペコリ やっぱり三脚を
使われたそうですが、ミニサイズということで、これがあると
違いますね!それにしても素晴らしいライトアップのお写真、
来年はぜひこちらもツアーで企画しなくっちゃ! と思いますが、
きっと来年当たりはかなりの人出になりそうですね~☆翌日は
東博のHPになかなか繋がらなかったくらいですから。。
KANさん、きれいなライトアップのお写真を
有難う御座いました<m(__)m>
そのほか、ご参加下さったIchi-Nさん、Merionさん、
Yukoさんも有難う御座いました。ちょっとハードな
上野の鑑賞会でしたが楽しかったですね~☆
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コメント
「仏像」見に行きたいんですが、ちょっと厳しそうです。。。真ん中で顔の割れた仏様に興味があったんですが~~。。
投稿: すた | 2006/11/10 10:47
すたさん
私もこの「仏像」展は想像以上に良かったので
何はさておいても必須です~!!
真ん中から割れている仏様もすごい見物ですよ~☆
PS: すたさんの忠告を聞かずに、「クリムト」を
観にいったら、やっぱりひどかったです~(/_ ;)
あれじゃ、クリムトがかわいそう! 今年のワースト・
ムービーです(--〆)
投稿: Julia | 2006/11/10 22:46
そうです、後期の渡岸寺の国宝十一面観音像などは
もうよく重心が取れているなぁと感心するくらい
前のめりです。
多くの人々により近づいて救済しようとする表現なので
しょうね。
投稿: 一村雨 | 2006/11/12 21:56
一村雨様
コメントありがとうございま~す☆
>多くの人々により近づいて救済しようとする表現なので
しょうね。
そうなんですか!! 一村雨さんもお詳しいですね!
今度はその前傾姿勢も気をつけて観てみますね~☆
投稿: Julia | 2006/11/12 23:07