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2006/08/26

『モダン・パラダイス展 大原美術館+国立近代美術館』@近美 - 鑑賞会No.19

domenica, il venti setto Agosto 2006
sono le quatro

   Go_351_01
              クロード・モネ 《睡蓮》
           1906年頃 大原美術館蔵

8月中は美術鑑賞会をお休みするつもりでしたが、9月からの
美術展をリスト・アップしていたら、あまりによい展覧会ばかり
でしたので、早速今週から再開することにしました。

金曜日の夜、午後8時まで開館しているというので、mixiコミュの
Kojiさんがご都合がよいとのことでしたので、ご一緒に竹橋に
あります国立近大美術館で、15日から開催中の

   『モダン・パラダイス展
    大原美術館+東京国立近代美術館 ―東西名画の饗宴

を観て参りました。
モダン・パラダイスって何がパラダイスなんだろう~?って
疑問でしたが、それは最後になってやっと分かりました。
大原美術館所蔵の作品を一堂に観ることは初めてでしたので
それこそ自分自身が最後にパラダイスにいるような気分になって
いました~☆

大原美術館および東京国立近代美術館の所蔵作品が約100点も
選び抜かれて、素晴らしい構成で大変いい内容でした。金曜日は
みなさんビール宴会なのか、午後8時まで開館しているのをご存知
ないのか、館内は本当にまだ信じられない位ガラガラでした。
これから、どんどんと混んでいくことでしょうからお早めに行かれると
良いかもしれませんね。。

今回は、次の5章から成り立っていまして、それぞれ東洋と西洋から
並べて「対決」というか比較のような展示はしていましたが、あまり
それにこだわらずに作品を一点ずつ楽しんで参りました。各章で
印象に残った作品の感想を少し書いて見たいと思います。リンク先は
大原美術館のWeb展示室にリンクさせていただいたり、近美のHPの
説明など引用させていただきました。

I. 光あれ

  Hishida_1
  モネ 《睡蓮》        菱田春草 《四季山水》(部分)
  1906年 大原    
1909年頃 近美

大気・水・光の存在を印象派前後にはじまる西洋の
風景表現の流れと日本近代の風景表現を対比しながら、
両者の共通点・相違点をみていきます。写真作品も
織り込みながら、この百年間の光へのさまざまな
こだわりを追います。

 この2枚が会場を入ったところにすぐに展示してありました。
  モネの《睡蓮》がいつになく上品に見えて、じっと観ていると
  いろいろな色彩が浮かんでくるのを楽しんで観ました。

  そして、菱田春草の四季折々の情景が細かく丁寧にまた
  美しい色合いで描かれているので、この2枚だけみるだけ
  でもこの展覧会へ来る価値があると思うほどでした。

    Alpine
    アルプスの真昼
    ジョヴァンニ・セガンティーニ  
     大原美術館


  セガンティーニの絵は始めて実物を観ました。
   息が止まりそうになる位ハッとした明るい絵ですね!
  牧歌的な中にも高地に位置しているのが感じられるほど 
   空気も爽やかでいて、張り詰めているような緊張感も
   あって不思議に思いました。

 
       Apple_pisaro_1
    《りんご採り》 カミーユ・ピサロ
    大原美術館


 ピサロの《りんご採り》  は実物を観るのを以前より楽しみに
  していました。構図は対角線上に女性が3人いて、手前の
  お嬢さんがりんごをかじっているのがなかなか暖かみのある
  絵になっています。もう少し図版より色調が暗かったのですが
  日の差し方など大胆な対比が豪快な絵画に思えました。
  このようなピサロの農村風景は見ていると心が安らぎます。

   Begonia_1
       ベゴニアの畠
         児島虎次郎 1910年


  Kojiさんも私も最初にこの絵を観た時に歓声を上げた位
   とても明るくてきれいな絵でした~♪ 奥へ行くほど明るい
   色彩が冴え渡り、手前に木靴が置いてあったりととても
   日常的で親しみの持てる絵ですね~☆ 最初は日本人
   が描いているのではない、と思いましたが、児島氏は
   フランスやベルギーに5年間も留学されていたそうですね。
   
年譜を読んでみて、その後は欧州の絵を買い付ける
   収集家の役目を果たして、冒頭のモネの《睡蓮》の絵も
   児島が直接モネから買い付けに行ったとのこと。。
   初めて知りました。

   そのほか、写真も随分と展示されているのですが、
   前回、杉本博司の展覧会でみたときは多くの方達が
   感動されていましたが、今回の2枚の海の絵はすごく
   吸い込まれそうになる位の強さを感じました。  

   最初の章だけでも、大原美術館所蔵の作品がどれだけ
   素晴らしいか分かるほどテーマと合い間ってよく展示も
   されていると感心しました。

II. まさぐる手・もだえる空間

20世紀、作品を描くという行為(アクション)自体が注目を
集めるようになり、キャンバスを切り裂く、絵具をたらす、
こすりつけるなど、アーティストの手の身振りをことさらに
強調した作品が現れます。これらの絵画のうちからは
眼のみならず触覚に直接訴えるような、なまめかしさを
持った独特の空間が立ち上がります

Hititar_3
《抽象絵画(赤)》 ゲルハルト・リヒター
1994年 東京国立近代美術館蔵
© Gerhard Richter 2006

この章では、大作にあわせるように展示室のスペースが
広くとってあって、こちらの作品も大変大きいので、後ろに
下がってみると色の組み合わせがよくわかりました。
現代的で素敵な抽象絵画ですね~♪

III. 心のかたち

作者やモデルの内面の表現は、言うまでもなく、
近代の芸術の重要な軸のひとつですが、優れた作品
においては、それは単に個人的葛藤や感傷を示すだけ
にとどまりません。アーティストの内面が作品という場で
対象と触発しあう中から、ひろく万人に訴えかける普遍的
な力を持った感情が宿りはじめます。

 Aoki_2
 《男の顔》
 青木 繁  1904年
 大原美術館

すごいですね~、この顔!! ギョッロとした大きな目
で、こちらをふてぶてしく見下ろす男の顔が黄金色の
バックにギラギラとして燃えていました。初めて観ましたが
驚きです!!青木自身の顔でしょうか?強い目力に圧倒
されました。
青木繁について詳しくは、 「美の巨人たち」の「
海の幸
からご参照くださいませ。

Sekine
  《信仰の悲しみ
  関根正二  1918年
     大原美術館

20歳で夭折した関根が描いた19歳のときの
作品だそうです。このような幻想が寂しいときに
目の前に現れると言ったそうです。若いときに
なんという哀しい幻想を見るのでしょうか。。。
Kojiさんととても不思議だといい合っていました。

IV. 夢かうつつか

   古来、宗教や歴史の物語を伝える役割を果たして
    きた美術は、近代になると無意識や夢といった領域
       にまで及び始め、シュルレアリスムのような表現も
       生み出されました。また、戦争や死という普遍のテーマを
       物語る作品は、最も鋭く、力強い造形となり、私たちの心に
       迫ります。

         Moreu
           《雅歌(がか)》     
       ギュスターヴ・モロー 1893年
           大原美術館蔵


  久しぶりにモローが水彩で描いた美しい作品を
  観れたことが嬉しかったです。大きさといいモローが
     描いた中でも本当に完璧に近い素晴らしい作品では
     ないでしょうか?この「雅歌」は、ソロモン王と乙女との
     愛をうたった、旧約聖書の「雅歌」を題材にしているとの
     ことです。

         Web_exh_works_011
              《幻想》
       ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ
              1866年

  大変大きくて美しい作品でした。図版だけでは、この
    幻想の良さがわかりませんが、二人でしばらくは魅入って
    いたくらい素晴らしい作品でした!特に手前の男の子が
    お花を摘み取っているポーズなど本当に夢の世界のように
    きれいでした。白い馬もなんて魅力的でしょう~♪シャヴァンヌ

    の大胆な構図が後のゴーギャンやセザンヌにも影響を与えた
    そうです。1866年の作品なのに、とても現代的な感じですね!

V. 楽園(パラダイス)へ

近代美術には、「内面」や「純粋さ」に向かう傾向と同時に、
それとは逆の「本能」や「原始的自然」に憧れを持つ傾向が
強くありました。このセクションでは、そういったプリミティヴ
なものの持つ力強さ・野太さ・おおらかさを、近代の知的造形
と絶妙に調和させた作品群により、アーティストたちが求め続
けたモダン・パラダイスに迫ります。

Gogan_ohara_2
  《かぐわしき大地》
 ポール・ゴーギャン 1892年
   大原美術館

やっとパラダイスに到着です。ここにくると屏風絵などが
増えてとたんに明るい色彩やら豪快な感じがしてきます。
最初にこの絵をみたときに、女性の後ろの赤い物体が
とても目を惹きました。怪鳥(キイラ)だそうで、楽園の
ヴィーナスを襲おうとしているのでしょうか。。。近くによると
絵の具がうす塗りにキャンバスの地が見えるほどでしたが
なんと画面全体からいろいろな色彩が咲き乱れて、暑い
空気が伝わってきます! 木の幹にさえ何色も色分け
してあって面白いです。このような最果ての島にきて、
ヴィーナスが迎えてくれそうに思ったのでしょうが、着て

みるとやっぱり、怪鳥が飛んでるわけですね!本当の
楽園はゴーギャンは死ぬまでに見つけたのでしょうか?
かなり強烈ないろいろなことを考えさせる一枚の絵でした。

駄文に長いことお付き合いいただいて、ありがとうございます。
今回の展覧会は、両館の方々のご尽力の賜物だと思います。
まるで、NYのMoAに来ているかのような錯覚を感じるような
洗練された近美に今回は大満足でした!!

☆美術散歩のとらさんが今回の両館の作品を見事に「比較対決」
   されています。どうぞとらさんの
HPでご覧下さいませ。

☆Takさんの記事でも今回の展覧会で興味深い見解をいくつか
   述べられています。 

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コメント

こんにちは。私は西と東の対決?にちょっとこだわって観てきました。不思議な展覧会でした。

投稿: とら | 2006/08/27 17:23

とらさん

コメント&TBをありがとうございました

とらさんはさすがに大原美術館の作品を見慣れて
いらっしゃるので、「対決」にもこだわりを持って
評価できるのだと思います。

私は初めてみる大原蔵の名画にただ感動してばかりで
あまり他と比較できる余裕がありませんでした(^_^;

>不思議な展覧会でした。

そうですね。。。あまり日本人の発想ではできないような
展示方法でしたね。今度行く時はとらさんの対比を参考に
何と何がどう対決した!って書けるとよいのですが。。


投稿: Julia | 2006/08/27 17:58

こんばんは。
金曜はご一緒できずに申し訳ございませんでした。
こことプライス展をハシゴしたもので。

それにしてもポスターの雰囲気とは
全然違い、難解な展覧会でしたね。
こういう学芸員さんの手腕が発揮される
展覧会、近美は得意ですからね。

大原も現在の地位に甘んじることなく
続々と若手作家のサポートなどをしている点
大変素晴らしいことだと思います。
津上みゆきの作品が見られるとは思ってもいませんでした。

投稿: Tak | 2006/08/28 23:54

Takさん

コメント&TBをありがとうございました。
Takさんが教えてくださった2Fのレストランに
入りましたら、名画を観た後のお食事はよけい
美味しく感じられました~(*'ー'*)♪

>難解な展覧会でしたね。
こういう学芸員さんの手腕が発揮される
展覧会、近美は得意ですからね。

近美のよさが実は初めて分かったところです(^_^;
写真や彫刻や各章の間仕切りのよさ、目線の動きなど
考え抜かれた構築的な展示方法で優れているように
感じました。

>続々と若手作家のサポートなどをしている点
大変素晴らしいことだと思います。

海外の美術館へ行くとそのように若手作家の展示を
一部屋使っていたりしますので、現代アーティストの
方々も写真家や画家に限らず、楽しみながら創作を
できるように見受けられました。
津上みゆきの作品も今度行く時は、良く観てみますね~。

TBが飛ばないようですいません

投稿: Julia | 2006/08/29 07:43

こんにちは。
美の巨人たちで大原美術館が紹介された時
買い付けをする児島虎次郎の話が出てきました。
実際にここで児島虎次郎の絵をはじめて見て、
いい絵を描く画家だったのだなぁと気づきました。

投稿: 一村雨 | 2006/09/04 07:44

一村雨様

ようこそ、こちらまでいらして頂いてありがとうございます。

>児島虎次郎の絵をはじめて見て、
いい絵を描く画家だったのだなぁと気づきました。

私も光の描き方が印象派の作品に近いので、
フランス人が描いたのかと最初思いました。
やはり素晴らしい画家は絵の買い付けでも
よい目利きとなるのでしょうね!

それから、貴ブログのコメント覧でお名前を間違えたのと
コメントが2重にアップされてしまいました。
初めて伺いましたのに、大変失礼致しました

TBも遅らせていただきました。
また、これからもどうぞよろしくお願い致します。

投稿: Julia | 2006/09/04 08:51

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