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2006/07/30

富本憲吉のデザイン空間@松下電工汐留ミュージアム

domenica, il 30 luglio 2006

  Kemkichi
        松下電工汐留ミュージアム

先日、杉瀬公美陶芸展を銀座ギャラリー江で見たときに
作家の杉瀬氏から、「大先生の回顧展が開催されている
ので観にいってきてください。」とご招待券を頂いていた
ので、家からも近いので
昨日、夕方近くに観にいって参り
ました。

      『富本憲吉のデザイン空間

    Poster_4

 松下電工汐留ミュージアムは会社からも近い所に
  ありますが、今回が初めてでした。さすがに汐留の
  真新しいビル内のミュージアムということで、大変
  きれいな会場でした。また、受付の人たちもとても感じ
  がよくて、お客さんに対して気を使っているのを伺わせます。

 富本氏は昭和30年に初めて、人間国宝を授与された
  陶芸家ですが、つい先日の佐賀の柿右衛門の作品を
  観てから陶芸の良さを開眼したばかりでしたので、
  ただ、陶芸の世界を知ろうという気持ちで鑑賞してきました。

 富本氏は東京美術学校の図案科で建築と室内装飾を
  専門に勉強されて、卒業制作の「音楽家住宅設計図案」が
  最初に展示してありました。それから、ステンドグラスを習得し
  にロンドンへ留学したそうです。そのステンドグラス
の図案
  からこの度、富本生誕120年を祝ってステンドグラスが制作
  されいて、それも帆船の図柄が美しく展示されていました。

 そして、ロンドンにあるビクトリア&アルバート博物館
  工芸品に魅了されて、日参し世界中の工芸品をスケッチ
  して、特にウィリアム・モリスの植物図案と工芸思想に惹か
  れたとのことでした。

 留学時代や留学後に出会ったバーナード・リーチと一緒に
  写っているお写真もありましたが、外国人に負けないほど
  の体格と男前だったようで少し驚きました。

 それから、故郷の奈良安堵村(法隆寺の近く)に戻って精力的
  に工芸品の制作を始めたとのことです。初期の頃の陶器も
  とても暖かい色合いで、陶器からの引力を強く感じました。  
  

         Rakuyaki_2
         楽焼葡萄模様小壺
         1913年
         富本憲吉記念館蔵

   それからご結婚されて、椅子とテーブルがあるような洋風の
    生活スタイルで、二人の娘さんのために先生を東京から
    呼び寄せて、家庭教育をしていたという独自の生活を貫き
    通していたようですね。

  東京の世田谷区に移ってからはイギリス風の洋館を建てて、
    自分の作品を展示する傍ら、美しい工芸品に囲まれて
美的
    生活を過ごしつつ沢山の陶作をされていました。

         Hakujitubo_2
            白磁壺
            1937年
           出光美術館蔵

    やっぱり、白磁の壷が一番、きれいに見えました。
     このような乳白色がとても気品があって素敵です!

   
        Kin_3 

  このように金銀彩羊歯模様のが描かれている器も
    ありまして、ビデオでも富本がこの羊歯の線を一本
    一本描きながら「万年筆と違って、筆というのは体の
    一部にならなければ描くことができない。僕がいなく
    なったらもう途絶えるかもしれないなぁ。。。」と呟いて
    いました。晩年に近かったとはいえ、色絵磁器に金銀彩
    を加えた、こちらの図版よりももっと赤系の強い壷が
    展示してありまして華やかでした。

  明治の豪放な感じのする青年も最後はとてもいいお顔を
    された陶作家として壷に絵付けをされているお写真が展示
    されて、富本の一生がよく分かる展覧会でした。

   富本氏の影響を受けたお弟子さんたちの作品も数点、展示
    されていて杉本氏の壷もありました。多くの工芸家が影響
    されたことを偲ばれるいい回顧展でした。

   9月24日まで開催されるようですので、明治、大正、昭和と
    生き抜いた工芸家魂が溢れる作品を観るのも面白いかも
    しれません。展示数はそれほどありませんが、何か陶器の

   
温もりを感じるような展覧会でした。

  

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