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2006/06/11

「プラド美術館展」- 鑑賞会 No.14

3月25日(土)のオープンニングにとらさんとNikkiさんと
ご一緒に、
    「プラド美術館の歴史」
講師:ファン・ルナ/展覧会コミッショナー・
プラド美術館主任学芸員氏のご講演を聴きがてら
第一回目の「
プラド美術館」展で数々の名画を観て、
その素晴らしさに驚きました。
その時のレポートは、Nikkiさん
ブログよりご覧下さいませ。

第2回目は、4月8日に鑑賞会の皆様とお花見を
兼ねまして、皆様と展覧会を堪能致しました。
レポートからそのほか、ご参加の皆様のブログへ
とらさんはろるどさん)リンクしています。

そして、第3回目も4月28日に池上先生と鑑賞者
少人数で集まり、池上先生から素晴らしいご解説を
伺うことができまして、贅沢な時間を過ごすことが
できました。とらさんがまとめて
HPへ先生のご解説
など詳細に亘って一枚一枚の絵について書かれて
います。

第4回目は、恵泉女子大学と白梅短大の生徒さん
120名以上、と早稲田コミュニティの成人学生さん20名と、
私たち鑑賞会メンバー5名の総勢で約150名ほどの
ご参加者を、9日、10日と3回に分け、池上先生
小倉先生の2グループに分かれて、私たちは昨日の
午後の鑑賞会をご一緒させていただきました。
私たちの参加者はスイートピーさん、エリンゲさん、
CherryさんとCherryさんのご友人と私です。

それから、オランダ・バロック絵画館のToshi館長ご夫妻
も見えていらっしゃいました。そして、とても嬉しいニュース
をそこでお聞きいたしました。絵画館の収蔵品が
この度、一年間、「
長崎・ハウステンボス美術館」内企画で
レンブラント生誕400年記念オランダ文化の400年展
で展示されることになったそうです。本当におめでとう
ございます~☆

また、今回のプラド展で翻訳(図録)から展覧会の
運営まで携わってご尽力を尽くされたドイツ・スペイン
建築のご専門家の小倉先生よりツアーをご引率
下さって、代表的な名画の大事なポイントをご説明
いただきました。両先生共お優しくて、解説もとても
分かりやすく鑑賞会後は、お茶までご一緒させて
頂きまして、展覧会の裏話なども伺って、楽しい時間
を過ごさせていただきました<(_ _)>   

小倉康之氏公式blog:
Art & Architecture (YASUYUKI OGURA So-net Blog)

http://blog.so-net.ne.jp/yosb/ 

             Ike_ogura_prof_1 
              小倉先生と池上先生
     (今回の素晴らしいご引率者)

私自身が4回目なのでそれほど、感動がないかしら?と
思っていたのですが、名画はやはりいつ観ても素晴らしい
感動を与えてくれました。

     Vinus_1
      ティツィアーノ
     「アモールと音楽にくつろぐヴィーナス
      (ヴィーナスとオルガン奏者)」
        1555年頃、149×217.7cm  読売
HPより 

最初はよく分からず、ただ何かオルガン弾きとヴィーナス
らしきが横たわって、背景に公園の絵があるという不思議な
感じでした。それにスペインの美術館展なのに、なんで、
ヴェネチア派の画家の絵がポスターやチラシで多く使われて
いるのかも謎でした。今回はそれが全体像を掴むことや、
細かい宝飾の部分や布地の淵に描かれている細かい柄などの
美しさをじっくりと魅入ることができて、池上先生と小倉先生
のご解説などを含めてやっと、この作品がこの美術展で
最高に輝いている作品なのかが分かりました。

池上先生はこの絵は大変面白い作品で、ご講義でもよく
使われるそうです。この背景画には宗教的な寓意が沢山
含まれているとのことです。また、地名は聞き逃しましたが
この庭園と同じような庭園がまだ残っているそうです。

小倉先生は、鑑賞者が最初に庭園の方に△に目が行き、
そして音楽奏者の目線から右下に下がって右のヴィーナス
からクピトまで右上がりに上がっていくという目線を動かす、
というようなラインを描いて鑑賞させるような描き方になって
いるとご解説されていました。また、この頃のスペインは
栄華を極めていたので、皇帝5世の絵画では皇帝が自信
に溢れて描かれているとのことでした。

また、池上先生はこちらの絵は観れば見るほど味わい深い
いい絵です。また、そのいい絵画を見分けるには、多くの
作品を観なければ分からない、と話されていたのが印象に
残りました。


今回、ティツィアーノの絵をじっくりと観るとこの画家がとても
人間愛に溢れていた暖かさを伝えていることがわかります。
もし、お手元に図録をお持ちでしたら、ヴィナースとクピトの
部分だけでもじっくりと観るとそれが伝わるような気がします。
(これは私の独断ですが。。(^_^;)

上記のティツィアーノから100年近くたって、スペインの
肖像画家ベラスケスが登場するのですが、今回は5点、
作品がきておりまして、その内、道化シリーズの中で
一番素晴らしい作品を本展にプラド美から貸し出して
下さっているとのことです。

Verasces_4  小倉先生は、それまでの絵画では
小人は王を立派に見せるためにわざと
横や後ろに置くように描いていましたが、
ベラスケスは、ここに描かれている
道化を知識人として立派に描き、
ただ本を大きく描くことで体の小ささを
表していますが、人間を先入観なしで
真摯に描いていた画家と言えます、と
説明して下さいました。

道化ディエゴ・デ・アセド、
    『エル・プリモ』

     1935-44

                            Philipiv 
                              『フェリペ4世』
                              1653-57年

こちらのフェリペ4世の頃は、スペインの幸盛も落ち
経済も衰退化し、世継ぎの子供も失って悲しみの
表情を浮かべている人間性溢れるフェリペ4世を
描いています。

スペイン・バロックの特徴で、余分な副次的な物を
描くことなしに、また背景もシンプルに内面性を
描きだしています。ハプスブルグ家の人間としての
物思いにふけるフェリペ4世を描いています。普通は、
できる限り、りっぱな王様として描くのですが、王の
信頼を得ているのでベラスケスは王の内面性を描く
ことが
できた、と小倉先生は詳しくご説明下さいました。

その当時は王様などは冠や衣装など高価な副次的な
物を描いて王族達を美化して描いていたが、ベラスケス
の自画像からわかるように、人物のみ描き、目線も強く
内面性を描くことでいかに当時でも斬新であったかを
今回の質の高い5点の作品を通してもより伝わってくる
とのご見解でした。

            *****

                  Cross
                       『聖アンデレ』
              1630-31年頃
              リベーラ

    元々、宗教画は文字を読めない人のために
  描かれているので、文字を使わなくても聖人が
    誰であるか信者にわかるように描いている。
    日本ではこの作者の作品はしられていないが、
  構図、人物の表現としても傑出している画家
  である。最後は聖アンデレはX型の十字架に
    張り付けられるので、X型という図像学的にも

    分かりやすく描かれている。老人の渇いた肌の
    質感や枯れた感じを狙って描いているので、
  老人の作品では優れている。X型と魚は、
    生と死を暗示している。十字架から魚へかけて
    の一連の流れる線と光が見事である。プラド美
    でもこの作品は重要な作品とされている、との
  小倉先生のお話でした。

                      ***

             Murillo001_3
       『エル・エスコリアル 無原罪の御宿り』
                ムリーリョ    1660-65年頃

聖母マリアが天に昇っていくのではなく、天から
キリストの母が降りてくるように、太陽の光を
黄金色に輝くように背に浴びて、三日月に乗って
膝を曲げ、ゆっくりとこの世に降りてくるように
描いている。三日月は純潔性と処女性を表す。
足元には聖母マリアの象徴である、薔薇や百合を
描いている。聖母マリアの衣装は普通は、赤で
あるが、スペインでは白い服を着ているとの伝説
なので、白と青で描いている、と貴重なお話を
伺うことができました。


鑑賞後のお茶会でも小倉先生は、とても子煩悩で
いらっしゃることや、この展覧会へ向けての
ご苦労などにこやかにお話してくださって、大変
貴重な時間を過ごすことができました。とにかく、
今回のプラド展は、実際にプラド美術館に展示して
ある作品でも優れた作品を東京へ貸し出して下さった
ということで、保険も莫大なこともありますが、
このような素晴らしい作品は、スペインまで行かない
ともう観れないと思いますので、会期も7月2日(日)
まで少し延長されたので、まだご覧になっていない
方は、ぜひ会場まで足を運んでくださいませ。

両先生には本当にお世話になりましてありがとう
ございました。これからも鑑賞会ではお会いする
機会も増えそうですので、また、素晴らしいご解説

をよろしくお願い申し上げます。

それにしても恵泉女子大の生徒さんは閉館間際まで
宿題のスケッチをしていて熱心ですね~☆
スケッチをすることでその作品を一生、忘れない
と池上先生が仰っていました。、

(TBがここの所不調で飛べなくて申し訳ありません)    

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コメント

内容とは無関係の書コメントになります。お許しください。
以前、コメントをさせていただいたものです。体調が悪くなかなか展覧会を観に行くことができず、Juliaさんのブログで楽しませていただいています。
今日はお願いしたいことがあります。

4月の診療報酬改定により、疾患別にリハビリの日数制限が設けられ、最大180日
でリハビリ医療が打ち切られることになりました。
日数は発症日からです。今年の4月以前の発症のものだけ、4月1日からとされましたが、一番日数制限の厳しい呼吸器リハはあと16日で打ち切られます。運動器リハは76日です。
私自身は4月1日リセットを適用されることもなく打ち切られました。
打ち切りに関しては除外疾患なるものがあるのですが、あいまいなところが多いです。
同じくリハビリを必要としながらも、あなたはよくて、あなたはだめでは、あまりにも理不尽です。
またかろうじて除外疾患であったとしても、回復が見込めないもの、つまり維持のためのリハビリは打ち切られます。

次のサイトで署名活動をしています。
http://www.craseed.net/
ネット署名もできますので、ぜひ、ご協力ください。
できましたら署名用紙をダウンロードして1枚でも2枚でも署名を広げてください。

この運動の中心となっている先生のブログです。
http://blog.goo.ne.jp/craseedblog
4月23日に「私にとってリハビリだけが治療でした」とコメントしているのが、私です。
読んでいただければこの診療報酬改定が人間の尊厳を無視した改悪であることをわかっていただけると思います。

期日が迫る中、本当に申し訳ありませんが出来ましたらよろしくお願いいたします。

投稿: pippin | 2006/06/13 12:52

pippin様

ご事情は大変なことは良く分かりました。
私もリンク先など読ませて、ご協力できることは
ご協力させていただきます。

明日はわが身ということもありますので、
もう少し弱者優先の社会であって欲しいと思います。

pippin様もどうぞお体をご自愛くださいませ。
私たちが展覧会へ気軽に足を運べることが
とても幸せなことだと改めて思いました。

投稿: Julia | 2006/06/14 07:44

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受信: 2006/12/25 21:04

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