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2006/05/15

土曜講座「フランス近代絵画とジャポニスム」高階秀爾氏-鑑賞会No.10

先週の土曜日は、土砂降りの雨で寒かったこともあり
お風邪を引かれている方が多いように思います。どうぞ
そういう時は、体も疲れているので、ご無理なさらずに、
良く休まれてくださいませね~♪

ところで、土曜日の午前中のイタリア語レッスン終了後に
Visiting Tour で企画しておりましたブリジストン美術館
企画展を観てから、土曜講座を聴講いたしました。
少し遅刻して到着してしまいましたので、お馴染みの
とらさんとミズシーさんがお先に今回の企画展を鑑賞

されていました。お二人ともやはり「日本・東洋美術」
展示室の円山応挙の《牡丹孔雀図》や鈴木其一の作品
『富士筑波山図』や《古今和歌集巻一断簡 高野切》
(重要文化財)などの日本画が持つ美しい色合いと
情緒性に感激されているようでした。
(一回目に鑑賞した時の拙記事です)

日本人の西洋画も石橋コレクションには本当に質が高い
作品が多いですね!この辺りまでの日本人も素晴らしい
西洋画家の方たちが多かったのを再認識できるようです。
日本画はもちろん、世界に冠たる伝統技術の持つ優れた
作品が多いことを今年になっていろいろな展覧会で鑑賞
するようになり分かってきました。ただ、それをこのように
ブログで少し説明するために、ネットなどで調べてもあまり
過去の日本画の情報が少ないために、なかなか個人で
簡単に勉強することができません。きっと蔵書などはある
のかもしれませんが、せっかくのインターネットの時代
なので、日本画や日本美術の情報をもっと一般の人たち
にも広く公開できるようになると、私たちレベルでも日本
の文化というものをもっと理解でき、尊重して、愛情を
持って接することができるのではないかと最近では、
日本美術の良さが分かるにつけ感じております。

そのあと、高階秀爾氏の土曜講座を拝聴しに同館の
ホールに降りて行きました。さすがに、聴講券も完売と
いうことで雨なのに満席のお客さん達が何か
いつもと
違うように、聴講会を期待しているような感じが伝わります。
高階氏が黒いスーツに、黒地に白い柄の入ったネクタイで
スーと着席されると、何かもう氏の世界はそこで始まって
いるように惹きつけられました。とてもカッコよくて
ダンディで、スッとお席に座っているだけなのに、武士の
ような孤高な潔さが感じられて、映画俳優のようでした。

私はやはりその中でもとても印象に残った「モネと浮世絵」の
関わりだけ書いて見たいと思います。

1867年、パリで万国博覧会が開催された時、万国日本館では
日本の工芸品や生活を展示していたそうです。そこでの日本の
版画が当時の画家や文芸家達を魅了して、彼らの作品に多くは
インスパイアーされていったようですね。

ジベルニーのモネの館へ行ったときも、家中の壁に浮世絵の
絵が飾ってあったので、それも驚いたのですが、今回、高階先生
が細かくフランスの画家や文芸家が日本美術にどのように影響
されたかを詳しく解説してくださったので、モネが沢山の浮世絵
を所蔵していた訳がやっと理解できました。

浮世絵から学んだ技法としては。。
 ・鮮明な色彩
 ・切り絵
 ・陰影やグラデーションがない
 ・上から下を見下ろすような構図(俯瞰図)
 ・(掛軸のような)細長い絵
  ・平面的
  ・背景(の模様?)に特徴がある
 ・独特のモチーフ

 

北斎の「富岳三十六景」が高く評価されていたこともあり、
モネもそれに影響されて「ポプラ並木」や「ルーアン大聖堂」
といった一連の連作を生み出していくことになります。

日本人が感じる「陰を持って実在を示したり、部分を持って
全体を表す
」と言ったような美学に共感を持っていたので、
モネの睡蓮の作品には、それが反映されていて、水に映った
柳の影などからも柳の木の全体を想像できるように描かれて
いるとのことでした。

広重の『名所江戸百景』からも分かるように、大胆な構図で
端をカットして、部分しか描きませんが全体を示すことが
できます。

高階先生はスライドの図版でそれらを一つ一つ比較するように
見せてくださったので、今回はその浮世絵の影響というものが
とてもよく分かりました。

それから、日本画では、墨文字と絵とが一体になって
一枚の絵と表現できますが、西洋ではアルファベット
と絵が別々の物として見られてきたなど面白いご見解
を聴くことができまして、それももう少し書きたいのですが
後日。。出来たらと思います。

階先生は2時間の間、お話が途切れたり、原稿に
目を通すということもなく、スラスラと全てを流暢に
話されていたのには、その後のお茶の時間でも
三人で驚嘆し合いました。本当に沢山の情報を
ありがとう御座いました。ブリジストン美術館は
やはり創立50周年だけあって展示品もご講座も
一流で素晴らしい記念の催しを堪能させていただき
ました。

☆とらさんがpdfファイルで詳細にわたるレポートを
   書かれています。ものすごく勉強になりますので
   ぜひご覧下さいね!!

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コメント

Juliaさん

高階先生の話は本当に良かったと思います。とくに、浮世絵→印象派というジャポニスム枢軸の成立過程やまったく異質な文化の受容の経緯という点を興味深く聴きました。つたないレポートを紹介して頂き恐縮です。

投稿: とら | 2006/05/16 08:14

とらさん、

コメント&TBをありがとう御座いました。
とらさんのpdfファイルは、またまた素晴らしい完璧な
永久保存版ですね!!
この次、高階先生にお会いしたら、ぜひサインを頂いて
くださいませ。カッコイイ武士のようなお方ですね!

20日も華の女子大で、池先生の講演をご一緒に楽しみましょう~(*'ー'*)♪

投稿: Julia | 2006/05/16 21:54

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石橋財団50周年記念「雪舟からポロックまで」を観てきました。東京のブリジストン美術館は西洋絵画、久留米の石橋美術館は日本洋画と分かれているのですが、今回はその合同展覧会ということで結構人が入っていました。久留米からきた作品を中心に観ましたが、以前に買った「読む石橋美術館」というガイドブックが非常に役立ちました。感想は ホームページに書きました。Juliaさん、ミズシーさんがご一緒でした。 その後、この記念展にちなんで行われ高階秀爾先生の講演会「フランス近代絵画とジャポニズム」を聴きました... [続きを読む]

受信: 2006/05/16 08:15

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