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2006/03/17

ウジェーヌ・カリエールについて

19日(日)に西洋美術館で開催している

  『ロダンとカリエール展

を皆様とご一緒に鑑賞いたします。そこで、ロダンは
良く知られていますが、
ウジェーヌ・カリエール(1849-1906)Eugene Carrière
についてはあまり知られていないので、少しだけ予習
がてら調べてみることにしました。

    self_portrait
        『自画像』   1893年
       メトロポリタン美術館

プーシキン美術館展」で日本では衝撃のデビューと
でも呼べる 『母の接吻』を観てから多くの皆様が
その幻影な世界に虜になっているようですが、
それはラ・トゥールを観た時と同じで、一度観たら
忘れられないような美しい陰影とホワァ~とこちら側
まで、その大きな波のようなオーラで包み込まれて
しまうからかもしれません。



こちらも素敵ですね!母子の情愛がスポットライトを
当てるように、そこだけ温かく照らしています。

  carriere1
            『親密』
     1889年 油彩 カンヴァス
     130×99cm オルセー美術館

     毎日新聞:
    
ロダンとカリエール展:世紀末、巨匠の交流
  (以下抜粋)

カリエールは、敬愛するルーベンスを思わせる
華やかな色彩感とボリューム豊かな表現で出発
した。だが、世紀末が近づくにつれ、その画面は
一変する。色彩を褐色系のみに限定し、レオナルド・
ダ・ヴィンチが得意としたスフマート、すなわち対象の
輪郭をやわらかくぼかす明暗法で描いた画面へ、と。

 とりわけ名高いのは、「病気の子ども」などの母性を
主題としたシリーズだろう。母や子の姿が、はかない
幻影のように明滅する画面。それを見た人々は、
神秘的なまでの静けさとともに、そこから染み出す慈愛
のぬくもりに打たれたのである。晩年、自身の名を冠した
アカデミーを主宰したことでも有名だ。 

ここでは、大理石の表面に二つの顔を浮き彫りした
ロダンの「最後の幻影」や、ほのかな情愛が漂う
カリエールの「母の接吻(せっぷん)」などが、象徴主義
の代表例として並ぶ。内面的、心理的な主題の扱い方
のみならず、明暗や陰影の付け方、流れるような形象など、
両者の芸術の相互影響も如実に見て取れるはずである。

 もう一つ見逃せない出来事もある。それは、カリエール
の3連画とされる「もの思いにふける若い娘」(新潟市美術館蔵)
「一人の女性」(パリ個人蔵)と「道行く人々」(カナダ・ナショナル・
ギャラリー蔵)が、今回110年ぶりに一堂に会したことだ。
1896年、パリで開かれた展覧会以来という。


☆☆☆

 
     contemplator
         
    『The Contemplator』
    Cleveland Museum of Art, Ohio 1901

  ...what god, what harvester of the eternal summer

   Departing, had negligently thrown down

   This golden sickle in the field of Stars.
    
                     "Booz Endormi" ("Booz Sleeping") by
               author Victor Hugo (1802-1885) 

  カリエールは詩人、ヴィクトール・ユーゴの詩
    "Booz Endormi" に挿絵を描いたようです。
     星空に煌く三日月が闇夜を照らし、単色が
      夢の本質を表して象徴的な世界を描いて
      いるようです。このような詩には、詩的な絵が
      美しく合いますね。

そのほかは以下のサイトでご覧くださいませ。

カリエールについて
高階秀爾氏 カリエール「母性」 

日曜日にカリエールの作品を鑑賞するのが
本当に楽しみです~♪

    ☆Takさんより明日の鑑賞会用に知っておくと作品が
          より深く観れるようになるとお知らせくださった
        記事をぜひ、ご覧下さいませ。
       

     ロダンとカリエール展」のレセプション 
      ②キュレーターから教えてもらった
             
「ロダンとカリエール展」の見所  

     上記の②から引用させていただきました<(_ _)>

          
今回のロダンとカリエール展を企画立案した
           国立西洋美術館主任研究官の大屋美那さんから
           この展覧会についてのお話を伺うことが出来ました。


          
作品自体の形が似ているということは想像的理念
           の段階で多くの部分で二人には共通する「考え」が
           存在していたことになります。言ってしまうなら
           その時点、想像している段階で既に作品製作は
           ほぼ創造されていることになります。

           二人に共通する「考え」そのものが作品である
           わけです。

     「考える人」「瞑想」「思想」「思い(パンセ)」「夢想」
           「もの思いにふける」などといったタイトルを作品に
           付けたことはこういったわけがあるのではないか?
           というのが大屋さんの最も主張したかった点だと
           思いました。

       ロダンの人体像にせよ、カリエールのぼんやりと
          物思いにふける人物画にせよそれは二人が
           それぞれ「考える」形を探し求め、人物の内面を
           表現しようとした終着点なのです。
 
            
仕事のこと、家族のこと、恋人のこと、人生のこと、
            将来のこと、そして何より自分自身はどんな存在で
            あるのか。様々なことを様々な形や絵で表現した
            作品が会場内に溢れています。必ず自分の今の
            心情に合った作品に出逢えるはずです。そんな
            いつもと違う「お気に入り」を探しに行くのも楽しい
            かもしれません。そして更に「考え」を深めるために。

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2006年 絵画鑑賞会」カテゴリの記事

コメント

いいなあ、好きです、このタッチ。
「ロダンとカリエール展」の前売り券をチケット屋さんで入手しました。
今から行くのが楽しみです。
日曜、楽しんでいらしてくださいね。

投稿: すた | 2006/03/19 00:19

すたさん

コメントをありがとうございます~♪

>いいなあ、好きです、このタッチ。

  そうですね~☆
  詩的ではかない一瞬を美しく永遠に記憶を留めるかのように描いているところもいいですね!

>日曜、楽しんでいらしてくださいね。  
  
  ハイ、ありがとうございます。
   なかなか同時代に同じ作品を何人かの皆様とご一緒に鑑賞する機会というのは、あるようであまりないことかと思います。小学生の遠足のように、少し興奮気味で作品を楽しみたいと思います。
 
  すたさんとも来月、お会いしましょうね~(゚-^*)ノ 

投稿: Julia | 2006/03/19 08:13

カリエールの自画像は、よく見るとルーベンスのものにとても似てるような気がしてきます。

「象徴主義」という区分はかなり曖昧ですが、ロダンと共に内面性が非常に感じられる内容でした。

投稿: Nikki | 2006/03/21 02:02

TBありがとうございました。
駄文お役に立てて光栄です。

「考える人」の持つ深い意味が
分かっただけでも収穫でした。

投稿: Tak | 2006/03/21 02:27

>Nikkiさん

 コメント&TBをありがとうございました。
 日曜日はいろいろと助かりました。ありがとうございます~(*- -)(*_ _)

>「象徴主義」という区分はかなり曖昧ですが、ロダンと共に内面性が非常に感じられる内容でした

  「象徴主義」という定義はなんだか未だにつかめませんが、モローと同じように夢のようなお話のような世界へ誘われるようですね。

  フランスならではの優美な世界ですね!
  
  また、これからも頼りない幹事のサポート役でお願い致します<(_ _)>

投稿: Julia | 2006/03/21 14:22

Takさん

コメント&TBをありがとう御座いました。
Takさんのレポートのお陰で、鑑賞するときに
「考える」を念頭において観たら作品の奥から
声が聞こえてくるようでした。


そういえば、Yahoo掲載、おめでとうございます!!

これからも益々、お忙しくなると思いますが、お体に気をつけて、沢山の情報発信にがんばってくださいませ。

また、いつか鑑賞会もご一緒できるといいですね!! (ちなみにプラドは4月8日の予定です)

投稿: Julia | 2006/03/21 14:25

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