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2006/03/21

『ロダンとカリエール展』 - 鑑賞会 No.6

上野の国立西洋美術館で開催されている

  ロダンとカリエール展

    naka02 

を[Visiting Tour Club] の皆様とご一緒に、19日(日)に
鑑賞して参りました。ご一緒に同行してくださった
方々は以下の方で、ブログをお持ちの方はすでに
素晴らしいレポートを書かれていますのでリンク
させていただきました。

  美術散歩          とらさん
  Megurigami Nikki      Nikkiさん
    はろるど・わーど     はろるどさん
   闇夜のふくろう        イッセーさん
  
MIXI コミュメンバー   花子さん
     MIXI コミュメンバー   Yukoさん
     MIXI コミュメンバー    yamayuuさん

そして、今回はご一緒できなかったのですが、
Yahoo絵画部門に登録されたブログ
            「
弐代目・青い日記帳
のTakさんから鑑賞会前に、この展覧会の見所に
ついての
レポートをお送りいただきました。それも
鑑賞する際の視点としてとても参考になり、
ありがとうございました<(_ _)>

今回の展覧会では、強烈な二人の作品のイメージが
体の中に入ってしまって、しばらく気持ちがポワーン
としたままでおります。内なる気持ちを表現する作家
というのは、こちら側にもそれも要求するかのように
強烈に語りかけてきますので、このように140点以上
もの濃厚な味わいのあるブランデーを飲み干して
しまうと快復するのに時間がかかるかもしれません。
その酔いに何時までも浸っていたいのですが、現実
はなかなか厳しいものがありますね。

さて、今回は二人の作品でも自分なりにお気に入り
の2作品を選んでみました。そのほかの作品や
展示構成など上記のブログの方達の素晴らしいレポを
ご参考にされてくださいね~(゚-^*)ノ 

カリエールについては、鑑賞する前に少しだけ調べて
みたのですが、まだ情報が余りありません。それに
肝心の図録もボォーとしたまま帰路についたので、
どこかに忘れてしまったようです。しかし、あくまでも
彼の絵から受けた印象は、「」の表現者であり
」に一番、魂が込められているかのように、そこに
彼の「内面」を観ることができました。

  bosei      

    ウジェーヌ・カリエール《母性》
    1892年 油彩・カンヴァス
    シャルルヴィル=メジエール市立美術館蔵

  この大きな絵の前に立ったときには、すごい感動が
   全身に襲いました。それまではどちらかというと単色系
   の作品が多かったのですが、こちらの絵に来て、左の
   少女のドレスが少し赤みがかっていて、それだけで少し
   全体に暖かみが増してくるようでした。産着の輝く白さも
   美しく、何よりも母親の手の表情に愛の力が集中して
   います。そして、右側の少女が先に「おやすみ」の挨拶
   を済ましたのでしょうか・・・スーと闇の中に消えていきます。


   そのほか、授乳している作品もあったりでどちらかと
   いうと、奥さんが育児で忙しくて疲れていると感じさせる
   日常場面も描かれています。私も子育てを終えてみると
   そのように一生懸命、夢中で子供を育てている時期は
   大変でもありますが、最高に幸せな時期であり、また
   このように霧の中に包まれた一枚の絵のように思い出す
   時があります。鑑賞会の後に皆さんとお話したときに、
  花子さんが、
   「育児の時を思い出して、すごく良かった!」と
   感極まってお互いに、子育て終了組みにとっても、その
   愛に包まれた絵は郷愁を誘うものかもしれません。

+++

  一方のロダンですが、私が始めてロダンの作品を観たのは
  10年ほど前にNYのメトロポリタン美術館で、ひょいと廊下に
  紛れ込んだ時に、目の前に、観たことがあるようなポーズを
  取って、考え込んでいる男性像がいくつもの大きさでゴロゴロ
  と展示してあり、ビックリとしました。日本ならこのように大々的
  な展覧会でもないと観れないような作品が、何気に廊下に
  展示というより放置されているかのようでしたが、そのときは
  無性に感激したのを覚えています。

    rodin
         オーギュスト・ロダン 《最後の幻影》
     1903年、大理石
     ロダン美術館蔵
     ©Musée Rodin (Photo Adam Rzepka/ADAGP)

 このような白い大理石の塊を観たのは初めてでしたが、
  それも女性と男性の顔だけが、「」と関わって現れて
  います。はっきりとは分かりませんが、私の想像だと
  左の上の女性は、例のロダンの恋人のカミーユで、
  その下にロダンが彼女の愛に応えられない自分の
  苦悩を表しているのでないか?と思いました。
  この彫刻の前で、皆さんと一頻りこれはなんだ?と
  お話が弾んで楽しかったですね!  

 そのほか、ロダンが造ったテコラッタなど手の跡が
  残っているような粘土質の作品も観ることができ
  西美の前にあるゴツゴツした男っぽいロダンの作品
  とは違って、今回はカリエールとの相似性と合わせた
  ような内面を感じさせる作品が多く、また男女が折り
  重なるような彫刻とか、今まで日本で観てきたあまり
  動きがない彫刻ではなく、人間の感情と動きがない
  まぜになってその像から何かを発信したがっている
  ようにも見受けられましたが、それでも一番、「」が
  印象強く残りました。

 とらさんが指摘されている通り、二人の素描の違いも
  面白かったです。とらさんが「ピカソと同じで、スッと
  一回で線を決めてしまう同じような天才型がロダンで、
  柔らかく何度でも描く秀才型がカリエールですね。」と
  解説して下さってな~るほど!と思ったものでした。
  ロダンが一瞬の動きを捉えて描いた素描も魅力的です!

 会期中(6/4)まで何度か、観にいきたくなるほど
  二人の「愛」がたっぷりと感じられる作品でした。
  カリエールの作品がこのように一堂に観られるのも
  珍しいことなので、ぜひ皆様もお見逃しなく~!!

 それから、鑑賞後にお茶をして、世界各国のビールを
  飲ませてくれるお店で、ワィワィとおしゃべりをしてきました。
  素晴らしい作品をたっぶり味わった後のビールは格別の
  美味しさですね!!また、ご参加くださった皆様も本当に
  いい方ばかりで、私は子育て後もすごく幸せです~♡~♬

関連サイト
  ☆
ロダン美術館 (メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MMF))
  ☆
Musée Rodin
 ☆Muse`e Virtuel (Euge`ne Carrie)
 

   camille
   
 カミーユ・クローデル―天才は鏡のごとく 
   
「知の再発見」双書
     レーヌ=マリー パリス (著), エレーヌ ピネ (著)
     Reine‐Marie Paris (原著), H´el`ene Pinet (原著)
     南條 郁子 (翻訳), 湯原 かの子 
 

    novel
    Camille Claudel: A Novel
    Alma H. Bond (著)

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2006年 絵画鑑賞会」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
ロダンとカリエール展は実に充実した内容のようですね。
私はプーシキン美術館展で初めてカリエールの作品を意識して鑑賞したのですが、
身近な題材を扱っているにもかかわらず、醸し出す雰囲気がとても神秘的なところに心惹かれました。
この展覧会はオルセー美術館では開催されるみたいですが地方巡回はしないようですね。
東京まで行くのはおそらく無理だと思うので、
こうして皆様の感想を読ませていただいて、楽しもうと思います。

投稿: 千露 | 2006/03/21 20:49

千露さま

コメントありがとうございます。
千露様も益々HPが充実され、ご自分の世界を着々と構築されて素晴らしいですね~♪

本当にこの展覧会はモロー展を思い出すような濃密な味わいがあって、しばらく夢の中をさ迷っている感じがしました

6月まで開催しているのですが、次はオルセーに巡回するとのことです。本当に超が着くほど迫力ある彫刻や絵画がいっぱいで、ルーブルの一室にいるような感じがしました!!

千露さんも思い切っていらっしゃいませんか?来月はプラド展が開催されるし両方、観る価値は十分あると思います!!

投稿: Julia | 2006/03/21 21:18

先日はありがとうございました。カリエールの画もあれだけ揃うと、柔らかな雰囲気に包まれてしまい、今でも余韻が残っています。
また、素人解説を引用していただき、赤面しています。
各国ビール鑑賞会に参加できなかったことだけが心残りでした。

投稿: とら | 2006/03/21 21:32

とらさん

お忙しい中をご参加いただいて、本当にありがとう御座いました

>カリエールの画もあれだけ揃うと、柔らかな雰囲気に包まれてしまい、今でも余韻が残っています。
  
はい、まだカリエールの霧に包まれているような正気に戻れないで困っています~

>各国ビール鑑賞会に参加できなかったことだけが心残りでした。

まぁ~(o^▽^)o・ ビールは美味しかったのですが、やっぱりビアホールだけあって賑やか過ぎたので、先日の銀座のお店の方が腰は落ち着つかもしれません。。今度は花見酒といけますかどうか・・・☆

投稿: Julia | 2006/03/21 21:53

Juliaさん、こんばんは!

カリエールの家族をモチーフとした作品には暖かさがありましたね。まだ自分の家族をこれから作っていく身としては、今後また印象が変わって行くような気がします。

また次回もよろしくお願いいたします。

投稿: Nikki | 2006/03/21 22:13

Nikkiさん

こちらにもコメント&TBをありがとう御座いました。

このような温かい絵は新婚さんには、きっといい影響がありますよねぇ~(^_-)-☆
私も子供が小さい時はなりふり構わず、動物愛の感じでしたけど、今のお母様方を観ているとちょっと子供達に覚めているような感じを受けます。子供との距離が開いているような・・・。なので、このような密着型親子の絵はとても人間的な愛に満ちているので、多くの若いカップルに見て欲しいです~ヾ(´ー`)ノ

また、幹事サポートもよろしくお願い致します

投稿: Julia | 2006/03/22 00:42

juliaさん、こんばんは。
夜遅く失礼します。コメントとTBをありがとうございました。

カリエールは元々好きな画家だったので、
改めてその魅力に触れることが出来たのですが、
ロダンの凄みも初めて感じたように思います。
最後の幻影も本当に美しい作品でした。

それにしてもjuliaさんの図録、どこへ行ってしまったのでしょう?
お店を出た時にはお持ちだったでのしょうか。
気が利かずに申し訳ありません。

投稿: はろるど | 2006/03/22 01:44

はろるどさん

夜遅くの訪れ、ありがとうございます。(なんか、ちょっといい感じですね~(^_-)-☆)

ロダンの凄みも初めて感じたように思います。
最後の幻影も本当に美しい作品でした。

 確かに、ロダンの凄み!ですよね!!
 あの作品が彫刻とは思えないほど、美しいけれども生きているような魂を感じて、ちょっと怖い位でしたね。

>それにしてもjuliaさんの図録、どこへ行ってしまったのでしょう?
お店を出た時にはお持ちだったでのしょうか。
気が利かずに申し訳ありません。

 いえいえ、返ってご心配をお掛けしてすいません
 たぶん、スーパーのカートに引っ掛けて忘れたんだと思います。最近、透明な袋に入っているので、持つところが見えなくなっていて出るときに取り忘れたのかもしれません(/_ ;)

 2回続いたので、早期アルツハイマーにでもなったのかも??ってそのほうが心配になりました。また、今度、余裕があったら買ってみますが。。ホント、これから鑑賞会では、ヨボヨボしたら、はろるどさんのお手を借りますのでよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ

投稿: Julia | 2006/03/22 18:13

こんにちは。
TBありがとうございます。

また拙ブログを紹介していただき
感謝感謝です。

しかし最近ヤフーさんも
相当甘くなったのでしょうか?

入れてもらったカテゴリーが
立派過ぎてプレッシャーかかります。

投稿: Tak | 2006/03/23 12:02

Takさん

コメント&TBをありがとう御座いました。

>入れてもらったカテゴリーが
立派過ぎてプレッシャーかかります。

 いえいえ、Takさんはお熱が出てても雨の中、展覧会へ行って感想を書かれているので、そのように努力されている所が評価されたのでしょう!!

 でも、あまりご無理なさらず、今のままで誰にでも分かりやすい解説と愉しい講談(?)で愛読者をますます増やしてくださいね~☆
 

投稿: Julia | 2006/03/24 00:07

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