« Conversation with Art, On Art, In My Birthday | トップページ | (合同)鑑賞会 第4回 告知 - ポーラ美術館の印象派コレクション展 »

2006/02/12

パウル・クレー展 -線と色彩-@Daimaru Museum No.3

昨日も東京オペラシティ・ギャラリーで開催中の
ダイムラー・クライスラー・アート・コレクション
ドイツ系の現代美術を観て参りましたが、本日
も東京駅八重洲口にある大丸デパートで開催
しております

  パウル・クレー展 -線と色彩-

を観て参りました。      
          

          klee380 

2005年6月、パウル・クレー・センター開館を
したのに記念して、「線を引くこと」「色を塗ること」
の2つのテーマを元にした作品を展示する展覧会
が開催されたとのことです。

私は、パウル・クレーの作品をこのようにまと
まって観ることは初めてでしたので、特に
「線を引くこと」から始まったクレーの素描の
美しさに魅入りました。

こちらの作品は、会場の正面に展示してあり
観た瞬間に「美しい!」と思いまして、それだけで
この展覧会の質の高さがわかるようでした。

   piramid001
   『Pyramid』  1932
       Watercolour, brush and pencil on
       canvas

    面と面の間の線が黒い細い輪郭線で引か
  れていまして、その線に沿って忠実に色付
    けがされています。オレンジとベージュの
    色合いがピラミッドをイメージしているのか
    立体感と共に渇いた空気のような爽やかさ
    と光の温かみも感じました。

  baby002

   『Portrait of a child』 1908
        Watercolour on papaer

   クレーのお子さんの肖像画でしょうか?
   今まで図版でも観たことがないので、
   このような柔らかくて人間味のある表情
   を描いた作品が展示してあって少し驚き
   ましたが、多分、クレーのお子さんなので
   しょう。。とても愛情深く描かれていて幸福感
   がこちらまで伝わってきました。

  piramid
   『Pyramid』 1934
   Watercolour, sparyed, on cotton on
        cardboard

      クレーの描くピラミッドが好きなので
      同じテーマの絵葉書ばかり購入して
      しまいました。チュニジアに旅をして
      から色が鮮やかになってきたそうで
      すが、オレンジのピラミッドがグレー
      の靄がかったバックに浮き上がって
      いるようで素敵ですね!とても洗練
      されている絵だと思いました。

   baby  
     『Pyramid』 1930
           Watercolour and pen on paper on
          cardboard

        また、ピラミッドを選んでしまいましたが
        こちらの作品が一番丁寧で色の妙味が
        美しく描かれている傑作!としばらく絵の
    前で佇んで観ておりました。単純な線なの
       に、動きがあって、上からも下からも横から
    も中心に向かって光が集まるようでいて、
       横にも流れて行くようなリズムを感じます。
      このような淡いきれいな色彩感覚って、
       あまり日本人では出せない品のよさを感じ
       ますが、ヨーロッパの光の中で生み出され
       るのかしら? と思ったりしました。

   それにしてもクレーの持つ線のリズムと緊張
       した躍動感にはこちら側に、強く訴えてくる
       ものを感じて、自分の甘い生活を見透かされ
       いるような鋭い視線を感じて、時として長く観て
       いると少し苦しくさえなってきます。

     klee_center パウル・クレー・センター
                  (スイス/ベルン)
      
       イタリア人建築家レンツォ・ピアーノ
       により設計され、クレーの作品が
       4000点も所蔵されています。
    
   このセンターの建設当初からのビデオを
    放映していました。回りのゆったりとした
      田園風景やクレーの絵が保管されている
    倉庫など中々面白かったですが、あまり
      見せるために編集していないような??

      もう一つだったかもしれません。。。

   今回は線が最初のテーマだったこともあり、
   色彩はその線の上に塗って抑え気味でいて、
   その線と色のハーモニーがクレー独特の
   音楽的なリズムで美しく、時には厳しく奏でて
   いるように感じました。

 会期は、28日(火)までです。

  そのほか、クレーについての拙記事です。
   ☆
パウル・クレー ★ 色彩の魔術師

  ☆Pual Klee - 芸術新潮

pari380

  2006年3月2日(木)→14日(火)

 パリを愛した画家たち

   ÉCOLE de PARIS
  20世紀初頭のパリに集った
  東西の巨匠

 次回は上記のエコール・ド・パリの画家達、
 
シャガール、ルオー、ユトリロ、ローランサン
  など人気作家たち54人65点の作品が展示
  される予定とのことです。こちらも楽しみ
  ですね!!


   
 

|

« Conversation with Art, On Art, In My Birthday | トップページ | (合同)鑑賞会 第4回 告知 - ポーラ美術館の印象派コレクション展 »

Paul Klee」カテゴリの記事

コメント

Juliaさん

Juliaさんのクレーに対する造詣の深さに感動しました。淡い暖かな光の当たったピラミッドが何枚もありましたが、こうして並べていただくと、それぞれに違う音色を発していることが分かります。
ブリジストンの「島」の画像も以前の記事の中に見つけて驚きました。
私は10日(金)、家内は11日(土)に出かけ、それぞれこの素晴らしい展覧会を満喫してきました。HPのレポの最後に日付がありますが、その後のa=小生、t=家内です。

投稿: とら | 2006/02/13 08:52

とらさん

早速、コメント&TBをありがとう御座いました。

>Juliaさんのクレーに対する造詣の深さに感動しました

 そのように、とらさんから仰っていただけるなんて本当に感激してこちらこそ感動しました。
 
 奥様との素敵なレポートも拝見して、羨ましく思いました。どうぞ今度ご一緒に鑑賞会にお越しくださいませ。

>それぞれに違う音色を発していることが

  ピラミッドは以前から図版を見ていても惹かれていたのですが、実際に観てみると、水彩画なので特に丁寧にきれいに色が塗られていて本当に素敵でしたね~!! それにあのように線一本にも神経を使っているのを感じてこちらまで、その緊張感が伝わるかのようでした。川村美術館へも今度は足を運んでみようと思います!!

投稿: Julia | 2006/02/13 20:51

Juliaさま、こんにちは
とても詳しいレポで記憶が蘇ってきます。
私はクレーの線はとても優しいと感じましたが、あのような迷いのない線に到達するのは厳しい制作態度で臨まないと無理でしょうね。作品数は少なかったですが、楽しめました。
遅ればせながらTBさせていただきました。

投稿: アイレ | 2006/02/23 19:34

こんばんは。
クレーは古今東西人気のある画家さんですよね。
今回はその人気の秘密が少しだけ
分かったような気がしました。

投稿: Tak | 2006/02/23 21:59

アイレ様

 コメント&TBをありがとうございました。
 お返事が送れてしまい申し訳御座いませんでした。

> あのような迷いのない線に到達するのは厳しい制作態度で臨まないと無理でしょうね。

 本当に弛まぬ努力があったのでしょうね!バウハウスでの教授法も近代の建築に大いに影響を与えるほどの造形美を教えていたそうですから、線一本にも集中して描いていたことを感じさせられました。

 また、クレーの色にも魅了されて、また会期中に一度、行けたら!と思ってはいるのですが。。絵というのは実際、観てみないと本当の所は分からない、というのが今回もはっきりとするほど素晴しかったです!

投稿: Julia | 2006/02/25 20:21

Takさん

コメント&TBを2つもありがとうございました。
今週はちょっと過酷な週 (including お付き合い酒) でしたので、TBも間違えて飛ばしました。申し訳ありませんm(*- -*)m

>クレーは古今東西人気のある画家さんですよね。

 私はそんなに人気のある画家さんだったのは知りませんでしたが、一度、クレーの絵を観ると何か音色が心に響いてくるのかもしれませんね~~♬~

投稿: Julia | 2006/02/25 20:45

juliaさん、こんばんは。

点数は少なかったのですが、焦点がしっかり絞れた良い展覧会でした。
クレーは大好きなので楽しみにしていたのですが、
意外なペン画などが面白かったです。

>単純な線なのに、動きがあって、上からも下からも横からも中心に向かって光が集まるようでいて、横にも流れて行くようなリズムを感じます。

音楽的なリズムが感じられますよね。
クレーの抽象画は決して無機質になりません。
様々な展覧会でクレーがあると、どこかホッとさせられます。

投稿: はろるど | 2006/03/03 00:20

はろるどさん、

コメントとTBをありがとうございました。

>クレーは大好きなので楽しみにしていたのですが、意外なペン画などが面白かったです。

 はろるどさんもクレーが大好きなんですね!
 いつかも近美のクレーの絵について描かれていましたね! クレーの柔らかでいて、緊張感のある線を大変、楽しめた展覧会でした。

>音楽的なリズムが感じられますよね。

 ええ、まさしく音楽的な広がりを感じさせられます。専門語では、ポリフォニーというらしいですが、そのようなリズムを感じさせる絵を描けるようになるまでは、体の芯からリズムがないと描けないでしょうね! 川村美に行かれる時は、ぜひご一緒に行きたいですね!!

投稿: Julia | 2006/03/03 19:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54618/8629806

この記事へのトラックバック一覧です: パウル・クレー展 -線と色彩-@Daimaru Museum No.3:

» パウル・クレー展 [Art & Bell by Tora]
ちょっと覗いてきました。白黒の線画から、色彩豊かな音楽のような画に変わったのはチュニジア旅行がきっかけだったのですね。一緒に旅行したマッケ、またマルクも第一次世界大戦で戦死し、クレー自身も徴兵されたが前線に送られるのを免れたことなど分かりやすい説明がついていました。 ナチスによってバウハウスが閉鎖され、ドイツからベルンに逃げ戻らなければならなかったクレーは戦争に翻弄された画家ともいえます。 このような時代だからこそ、ヴァイオリニストだったクレーの音楽のように和む画が必要だったのかもしれま... [続きを読む]

受信: 2006/02/13 08:54

» パウル・クレー展 大丸・東京 [徒然なるまままに]
パウル・クレー・センター開館記念 パウル・クレー展 −線と色彩 2006年2月9日から28日まで パウル・クレー・センター開館記念のパウル・クレー展に行ってきました。2005年8月にオープンしたパウル・クレー・センターは、クレー財団と遺族のコレクションを4000点あまりを収蔵する。そのコレクションのごく一部が展示されたのが今回の展覧会。いままでも何回かクレーの回顧展は鑑賞してきた覚えがあるが、一寸だけ意識して鑑�... [続きを読む]

受信: 2006/02/18 23:10

» パウル・クレー展 [青色通信]
パウル・クレー展−線と色彩 2月11日 大丸ミュージアム(〜2月28日) 芸術とは目に見えるものの再現ではなく 見えるようにすることである。(クレー)  2005年にスイス・ベルン郊外に開館したパウル・クレー・センター(クレーの墓所に近いそうです....... [続きを読む]

受信: 2006/02/23 18:51

» 「パウル・クレー展」 [弐代目・青い日記帳]
大丸ミュージアム・東京で開催中の 「パウル・クレー・センター開館記念 パウル・クレー展−線と色彩−展」に 行って来ました。 クレーほど定期的に且つ頻繁に展覧会が開催される画家も 珍しいのではないでしょうか? 記憶しているだけでもこれで何度目でしょう? そしてクレーが嫌いだという人をほとんど聞いたことがありません。 逆に普段は絵に関心の無い友人さえも「クレー展」となると 「行きたい!!」と言い出します。 何か特別な魅力でもあるのでしょうか。 (あるのでしょうね... [続きを読む]

受信: 2006/02/23 21:58

» 「パウル・クレー展」 大丸ミュージアム・東京 2/18 [はろるど・わーど]
大丸ミュージアム・東京(千代田区丸の内1-9-1) 「パウル・クレー展 -線と色彩- 」 2/9-28 スイス・ベルン郊外にある「パウル・クレー・センター」のオープン(昨年6月)を記念して開催されている展覧会です。キャリア初期のミュンヘン時代の作品から、点描画を中心とした約60点にてクレーの画業を回顧します。意外なクレーの一面を鑑みることの出来る興味深い展覧会です。 いわゆる抽象画家としてのクレーの油彩画に期待すると、この展覧会はか... [続きを読む]

受信: 2006/03/03 00:12

» パウル・クレー展〜線と色彩〜 [虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ]
先日、大丸ミュージアム・梅田の美術展に足を運ぶ。現存する約1万点の作品のうち、クレー財団と遺族のコレクションを合わせ4000点あまりを所蔵したパウル・クレー・センターがスイス・ベルン郊外に、関西国際空港を手掛けたレンゾ・ピアノの設計によって昨年開館した...... [続きを読む]

受信: 2006/03/19 23:34

« Conversation with Art, On Art, In My Birthday | トップページ | (合同)鑑賞会 第4回 告知 - ポーラ美術館の印象派コレクション展 »