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2006/01/03

2005年 美術展 ベスト特集 - ラ・トゥール展を思い起こして

昨年末に、2005年 美術展 ベスト10
書いて見ましたら、下記の方々から同じ様な
リストが寄せられましたので、もう一度、
ご紹介したいと思います。順番は、掲載順に
並べてあります。

   とらさんのベスト10
  Juliaのベスト10
   ハミガキさんのベスト1
   Nikkiさんのベスト10
  Lysanderさんのベスト10 
 
Takさんのベスト10
  イッセーさんのベスト10
    DADAさんのベスト10
    Sayaさんのベスト3

    はろるどさんのベスト10
  Yukoさんのベスト4
    自由なランナーさんのベスト5
    アイレさんのベスト10
   Kenさんのベスト10

latour

 上記の内で、第一位に4人(自分を含む)の
  方が、ジョルジュ・ラ・トール展を選ばれました。
  私が一位に選んだのと同じ方がいらして
  嬉しかったので、それぞれの方の同展への
  記事をリンクを張り、少しだけ記事の内容を
  引用させていただきました
  (勝手にm(*- -*)mス・スイマセーン)。

   とらさん: ラ・トゥールの図版がきれいに
          掲載されていて、記事の最後に、
          「わが国では最初で、おそらく最後の
           ジョルジュ・ド・ラトゥール展。まさに
           至福の展覧会である。もう何もいう
          ことがない。」と感激されていました。

   Kenさん: Kenさんも待ちに待っていた展覧会
          だったそうで、沢山のラ・トゥールに
          関するリンク先を張られています。


   Nikkiさん: ラ・トゥールの作品の価値は、登場人物の
                     「表情」から来ているとのことで、
                     <<荒野の洗礼者ヨハネ>>について。。
         「ほとんど開いているどうか判らないほど
          の目をした洗礼者ヨハネの表情は
          優しげでありながら、どこか仏像の悟り
          の境地を示しているかのようでもあります。
          そこにはキリスト教の尊大さや威圧感は
          まったく感じられず、簡素であるとも言えます。」

   Julia:    やはり、<<荒野の洗礼者ヨハネ>>の前では
         暗いけれども神々しい光に吸い込まれそうに
        なり、一緒に観ていた何人かの人たちも同じ
        ように感極まって、絵と私たちの間に強い
        オーラが発せられるように感じ、魂が揺さぶら
                  れました。

       
  惜しくも第2位に選らんで下さった方です。

  Takさん: オフ会をして頂いて、ここでお知り合いになった
         方が今でも一番仲良くしていただいております。
        このオフ会に呼んでいただかなければ、
        ラ・トゥール展を観なかったかもしれませんので
        Takさんには本当に感謝しております。

  最後に、国立西洋美術館の主任研究官で、このラ・トゥール展
   を招聘されました高橋明也氏の
   
    
Message ラ・トゥール展企画者として

  から最後の部分を引用させていただきますので、次のページで
  ご覧くださいませ。(長文にて)

 私も大変感激した展覧会でしたので、改めてラ・トゥールに
  ついて皆さんの記事を含めて紹介させていただきました。
  また、今年もこのような素晴しい展覧会を観れるといいですね!
 
 

 私は展覧会カタログの冒頭に寄稿した一文「闇からの声
-日本における初の“ラ・トゥール展”を巡って」の中で、
「なぜ今ラ・トゥールなのか」ということを語っているが、そこでは
この画家の造形が現代に直結していることを強調している。
それも色々な意味で。5月1日に放映された「新日曜美術館」に
写真家の藤原新也氏とともに出演した際にも、ラ・トゥールと
その芸術を語りながら、「戦乱のチェチェンやボスニアやイラクで
制作した画家をイメージしてください」、といった意味のことを話した。
そして今は、そこに「沖縄」や「広島」という言葉も加えるべきだったか、
などと考えたりもしている。あるいは「重慶」や「南京」、「ドレスデン」や
「ダッハウ」、「ワルシャワ」の名を、そしてあらゆる「悲惨」を被った
「ヴエトナム」や「カンボジア」、「コンゴ」や「ルワンダ」などのアジア・
アフリカの数え切れない町や村々を―。
 実際にこの画家が生き、制作したのはフランス東部の小さな
「ロレーヌ公国」である。悲惨な「30年戦争」(1618~1648)の
災禍を直接被る運命にあったこの国で生を全うするしかなかったラ・トゥール。
作品の多くもこの戦乱で失われ、その存在が忘却される直接の原因
ともなったことはここで改めて繰り返すまでもない。
 他方この画家の「再発見」は、第一次世界大戦勃発直後の1915年に、
「敵国」ドイツの美術史家ヘルマン・フォスによって行われた。そして
20世紀に甦ったこの画家がフランスで注目を集めるようになったのは、
1934年の大展覧会「17世紀フランスの現実の画家」展以降のことであった。
しかしそれはまさに、二つの世界大戦に挟まれた時期、新たに迫り来る
全体主義の足音のさなかであったのだ。画家が生きた現実も、
再発見された環境も、いわば人間の危機的な状況に直裁に結びついていた。
 そして今、日本の多くの人々がこの展覧会を期に、ラ・トゥールの寡黙だが
強い力をもった芸術に触れるようになった。カタログの「緒言」の中で
ジャック・テュイリエ教授はいみじくも、「ラ・トゥールにおいては、ひとりの
老人の質素な肖像に人生のすべてが含まれ得るのだ」と語っている。
「人間」に正面から向き合ったこの画家の画面には、時空を越え、
文化の違いを超え、人種を超え、世代を超えて21世紀の我々の心を
激しく打つ何かがあるのだ。それが今回の250,000人近い熱心な入場者、
膨大なインターネットの「書き込み」の意味するものである。展覧会開会式の日、
キュザン氏は「日本の人々がラ・トゥールをどのように受け止めるのか、
とても興味があります」と挨拶したが、その答えはすでに明らかだろう。
そのいくつかは今回、具体的な「コメント」としてこのサイトで見る事ができるのだ。
 手前味噌で恐縮だが、今回のラ・トゥール展はいろいろな意味で、
日本の展覧会史に残るものとなることだろう。一般的にはほとんど無名で、
それも17世紀という、大方の日本人には縁遠い時代の画家でも、作品の質と、
訴え方によってはこれほどの人が関心をもってくれることを示した点で、
本展は画期的ではなかっただろうか。そして企画者としてはもちろん、
専門家の方たちが掛け値なしにこの展覧会に注目してくれたのも嬉しかったが、
同様にいやそれ以上に、なんの先入観もなく展覧会を観てくれたごく一般の
鑑賞者の人たちが素直に「感動」を語ってくれたことが、望外の喜びだった。
私の美術館人としての乏しい経験でも、「開催してくれて有難う」という声を
これほど多く聞いたことはなかったような気がしている。そして印象深かったのは、
かかわってくださった人々がそれぞれの分野でそれこそ最大限に気持ちを
注いでくれたことである。

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コメント

きのうはさんとか戦争されたみたい…
そして広島は二つ発見された。

投稿: BlogPetのJenny | 2006/01/04 10:30

ロレーヌ公国という社会背景を知るともっと理解の幅が広がりますね。

宗教をモチーフとした絵なのに、対象の内面を深く想像させられる描き方がとても魅力的でした。

国立西洋美術館にとっても、きっと冒険というか賭けと思われてもしょうがなかったのでは~とちょっと思いました。

こういったマイナーな画家の展覧会が成功するという実績があれば、他の機会にもっと日本に貸し出しをしてくれるようになるのかな、と期待もしてます。

投稿: Megurigami | 2006/01/04 22:54

Nikkiさん

まずはご無事でお帰りなさいませ~♪
コメント&TBもありがとうございました。

>ロレーヌ公国という社会背景を知るともっと理解の幅が広がりますね。

 そうなんです!最初は何も知識がなく見に行ったのですが、2回目からいろいろとネット情報などでロレーヌ公国の激しい戦乱の中、ラ・トゥールが平和を祈る気持ちであのわずかな光を描いたのではないか、という知識を得て再度、観てぐっとくるものがありました。

でも、絵を観ると全然、戦乱は感じさせないのですが、奥から悲しみの祈りが聞こえてきます。

>他の機会にもっと日本に貸し出しをしてくれるようになるのかな、と期待もしてます。

 ええ、高橋氏は講演会でも、次なるマイナーな作家、コローとかドラクロワなど大規模な展覧会をしたいとおっしゃっていました。

 コメント、拝借させていただいてありがとう!
 今年もよろしくお願いしますね~(^_-)-☆

 あとは、Nikkiさんがキリスト建築の分かりやすい本がないか。。とかお探しになっていらしゃいましたが、饗庭 孝男 (著)氏の「ヨーロッパ古寺巡礼 」や「フランス四季暦―秋から冬へ 」など、フランスの教会について詳しく書かれていました。ただ、建築的にプロフェッショナルな説明ではなかったとは思いますが、基礎知識で読むには良かったです。

投稿: Julia | 2006/01/05 00:10

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» 『ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展』/国立西洋美術館 [Megurigami Nikki]
 ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの企画展が行われるのは、世界でも極めて珍しいとのこと。しかもそれが日本で開催されるのは、これが最初で最後になるという。と、そういうプレス的な宣伝文句を聞くと日本人の血が騒いでしまいますが、、、。しかし今回訪れてみて、そういう宣伝では伝わってこない価値がこの企画展には確かにあると感じました。 ... [続きを読む]

受信: 2006/01/04 21:07

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