« 500年の大系:植物画世界の至宝展 | トップページ | Happy Aperitif in Tokyo on 2nd June 2005 (No5) »

2005/07/18

「フィリップス・コレクション展」文化講演会2回目 - Phillips Collection No.4

7月14日に、「フィリップス・コレクション展」文化講演会を
豊島区民センター文化ホールにて、吉川節子氏による
ご講演を拝聴して参りました。

フィリップス・コレクション展」は実際に見に行きまして
大変素晴らしい作品が多いので、その作品に纏わる
お話ならなんでも聞いてみたいと思い、この展覧会に
ついての講演会は2度目(
一度目)ですが会社の帰り
に池袋まで行って参りました。

全体的な吉川氏のお話は、印象派の作品とその時代の
フランスにおける時代背景と画家達が何を本質的に描き
たかったのかということが主なポイントでした。吉川氏は
モネがお好きなのかしら?と思うほど、モネの絵を沢山、
スライドで紹介して下さり私はそれが大変嬉しかったです。

折しも当日は、「フランス革命の日/(1789年7月14日 -
1794年7月27日(フランス革命暦9年Thermidor9日)」
でした。このころから、市民が近代化に目覚め、
イギリスの産業革命の影響もあって、フランスでも
工場化が進められてきました。その影響が今回の
印象派の作品にいくつも見て取ることができました。

まずは、それまで絵の具は(それぞれの画家が顔料と
油を自分で調合して作っていたものを)豚の膀胱の袋を
使って、その上にヒモを巻き付けるだけでしたので、
持ち運ぶことが大変不便だったのですが、この産業革命
でねじ巻き式蓋が開発されたこともあり、絵の具が外に
零れることがなくなったので、持ち運びに便利になり、
画家達がリュック式の絵の具箱にこの絵の具を入れて
戸外で絵を描くことが容易になったそうです。(お髭を
はやしているセザンヌとピサロがこの絵の具箱リュックを
肩にかけて二人で郊外へ写生を描きに出かけた写真を
講演会などで良く紹介して頂きますが、そういう事情も
あったのですね!)

印象派でも代表的なモネはそれ以来、セーヌ川の船に
乗ってよくセーヌ川やその近辺で絵を描くようになった
そうです。それからルノワールやその友人達がモネが
戸外で描いている所を描くことも多かったようです。
スライドでもいくつか見せて頂きました。

それから、もう一つはそのフランス革命以後、鉄道の発展も
市民のレジャーの生活を一変させました。それまでは、貴族
が馬車で郊外へ行って川や海で遊んでいたそうですが、
パリ市内にも工場ができて人口が増えてきたこともあり、一般
の市民もその鉄道に乗って、パリから2, 30分乗った所にある
郊外のシャトー(
芸術の丘モンマルトル様)やアルジャントィユに
週末になると朝早くから蒸気機関車に乗って、それこそ大勢の
人たちがセーヌ川の岸辺でレジャーを楽しむようになったそう
です。

そんな中で、描かれたのがこの「フィリップス・コレクション展」で
目玉と言われる作品「
船遊びの昼食」ですが、ルノワールが
親しい人たちと楽しく昼食しているところを描いています。パリ
から2,30分も列車に乗ればついてしまうシャトーのレストラン
に集まって、開放感で輝いている市民達の笑顔はこの時代
だからこそ余計に明るく描けたことがわかりました。

モネとルノワールも共に、セーヌ川に写生に出かけていき、
その時の2人の作品から画家の描きたかった本質をスライド
を見ながら教えて下さいました。同じ景色を描いていても、
モネはセーヌ川に反射する水面の光を中心に描いて、人は
簡単に描かれているとのことでした。そして、モネの初期は、
最初の奥様のカミーユを描いている頃は暗い色調の時期も
ありましたが、戸外へ出るようになり、感じた光をキャンパス
にそのまま忘れない内に描いていくことで、だんだんと色調が
明るくなってきたそうです。それも、なるべく、パレットの色を
混ぜないでさっと一筆で描く印象派の画法を確立させたのも
この時期だったようです。そして、晩年になるほど、人の絵が
少なくなり最後の作品、オランジュリー美術館の壁画は70歳
になってから描いたそうですが、それには人間の陰も描かれて
いないとのことでした。

反対にルノワールは、晩年に行くに従って人間を対象に
描くようになってきたそうです。あの「船遊びの昼食」の
絵のそばにあった
ブロンズ像は、ご長男が生まれた後に
描いた絵を元にして、彼女の死後、それを墓標(お墓の
前に建てる)つもりで制作したそうですが、それは可能に
ならなかったということです。それにしてもそこまで愛され
通した奥様が羨ましいですね!若かりし頃のアリーヌが
きれいに絵の中で犬と戯れていて、死後も彼女を思い
子供が産まれてすぐの幸せな当時を思い出して像を
造り、永遠に作品の中に愛を残していけるなんて、
とても素敵で幸せな事だと思います。

産業革命で工場が建ち並んでいる絵がモネやルノワール
の絵などで煙突から煙が出ていたり、鉄が製造されだして
駅の駅舎も鉄骨とガラスで造られた「サンラザールの駅」を
モネは連作で良く描いていたそうですが、後ろにある
ヨーロッパ橋(
MONE サイト様)も新しい時代を表しています。
そのヨーロッパ橋もカイユボット(カイユボットまとめ/
ハミガキ様
何点か描いていまして、その作品も見せて頂きましたが大変、
現代的でポップな感じもしてリアルでとても素敵!!と思った
ほどです。

いろいろな作品を見せて頂いていたら、なんだかまた
パリへも行って直接、沢山の絵画を観たくなってしまい
ました。私はどうしてもそのモネの描く光が好きなのです。
他に名作は数々あるのですが、産業革命のお陰で
印象派の作品を今日でも堪能することができ幸せです。

また、この後も月に一回、ここの文化ホールで美術講演会も
予定されているとのことです。展覧会のチケットを頂けるのも
ありますが、その国々の時代背景などもわかり、とても勉強に
なります。美術に限らず、史実を聞くつもりで参加してみるのも
楽しいものです。

(長くなりました。お付き合いありがとうございます。
 最近、「ココログ」の調子がまたよくないので、
 画像などアップしておりませんが、リンク先など
 ご覧になって下さいませ。TBなどでもご迷惑を
 おかけしていつも申し訳ありません。システムと
 自分の頭のシステムの不具合が時々整合して
 しまいます(。><。)ゴメンナサイ)

|

« 500年の大系:植物画世界の至宝展 | トップページ | Happy Aperitif in Tokyo on 2nd June 2005 (No5) »

Phillips Collection 」カテゴリの記事

コメント


こんばんわ~元気そうでなにより
ほんま充実したブログで
安心しております。
京は
無事、山鉾巡行も済み、
あとは日曜日の花傘巡行まで
市内は平穏さを保っています。
来年は来てくださいよ(笑)

投稿: 松風 | 2005/07/19 23:10

松風さん

こんばんは!!
ほんと、賑やかそうですね!!
来年・・・行けるでしょうか!?
花傘巡行も楽しみですね!!

松風さんのブログは会社の上司にも
勧めていますが、すっかりファンのよう
ですよ!松風ファンもどんどん増えていて
素晴らしいですね!

投稿: Julia | 2005/07/20 00:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54618/5025981

この記事へのトラックバック一覧です: 「フィリップス・コレクション展」文化講演会2回目 - Phillips Collection No.4:

» フィリップス・コレクション展 [La Vraie Provence Blog]
東京・六本木で開催されているフィリップス・コレクション展に行ってきました。これは... [続きを読む]

受信: 2005/07/19 18:43

« 500年の大系:植物画世界の至宝展 | トップページ | Happy Aperitif in Tokyo on 2nd June 2005 (No5) »